日刊IWJガイド 「『デフレマインドを変えるきっかけは戦争だった!?』麻生太郎財務大臣が衝撃発言!/安保法制施行日前日!10万人国会前抗議行動を中継します!/「高校生未来会議」に安倍総理登場!?/大学卒業しても『学問の自由』を訴え続けます!」2016.3.28日号~No.1292号~


■■■ 日刊IWJガイド 「『デフレマインドを変えるきっかけは戦争だった!?』麻生太郎財務大臣が衝撃発言!/安保法制施行日前日!10万人国会前抗議行動を中継します!/「高校生未来会議」に安倍総理登場!?/大学卒業しても『学問の自由』を訴え続けます!」2016.3.28日号~No.1292号~ ■■■(2016.3.28 8時00分)

おはようございます!IWJ学生記者の…ではなく、IWJ「新社会人記者」の城石エマと申します!

 先日、とうとう大学の卒業式を迎え、私の「学生」生活も幕を降ろしました。卒業式の日は、咲き始めた桜が晴れ渡った青空によく映える、気持ちの良い日でした。

 所属学部の卒業生だけで約890名、会場前に集まった人混みの中、袴を着崩さないように気をつけながら歩いていると、4年間お世話になった友達の顔に次々出会いました。

 たくさんのことを思い出します。

 入学式の日、人の多さに驚きながらも、「大学」の自由な響きに胸を高鳴らせた(変な新興宗教に勧誘された)こと。自由の反面、自分で毎日のスケジュールを管理する大変さを学んだ(けっきょく1限の授業には数回しか出られなかった)こと。「鬼畜ゼミ」と言われたゼミで2年間ともに友達と励まし慰め合った(愚痴りあい、飲み騒いだ)こと。まったく未知だった国・ラオスへ行ってボランティアに奮闘した(アリのスープがおいしかった)こと。

 語り尽くせませんが、どの経験も私の生活にカラフルな「色」を与えてくれた、かけがえのないものでした。大学生活の経験から得たさまざまの「色」。これからどんな絵を描いていこうか、卒業の哀愁も忘れ、早くも私は期待でいっぱいです!!!

 これからは、「IWJ学生記者」ではなく、「IWJ記者」城石エマとして頑張っていきます。どうぞよろしくお願いいたします!

 …と、こんな風に晴れやかな気持ちに満たされた新社会人の私がこれから飛び立とうとする社会は、どうも桜咲き誇る景色が作り物に見えてくるほどに、薄汚く臭気たちこめるもののようです。

 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大教授を招いた3月22日総理官邸での国際金融経済分析会合で、「失言魔」麻生太郎財務大臣がトンデモ発言をしました。

 麻生氏は、1930年代アメリカでは、投資が進まずデフレマインドを脱することができなかったと述べたうえで、「何が問題を解決したのでしょう?」と語りかけます。自らの問いに麻生氏は、「戦争ですよ!」と言い放ったのです。

 そして続けて、今の日本も同じようなデフレマインドにあるとし、そこから抜け出すための「きっかけ」を待っていると言いました。

 麻生氏は、日本がデフレマインドを抜け出すきっかけとしての「戦争」を待っていると言うのでしょうか?そうとしかとらえようのない閣僚のこうした発言を平気でスルーする安倍政権と大手メディア。黙って見過ごすわけにはいきません。記事化をお待ちください。

 色鮮やかだった大学生活と比べて、新しく踏み出した社会は本当に真っ黒――。

 でもそんななかで、自分だけは、いや、IWJだけは真っ黒に染まることなく、色鮮やかな存在であり続けたいと思います!

 それでは、本編に入る前に、いつもしとやかな上品さただよう先輩記者・太田美智子記者より、みなさまに大事なお知らせです。

■さらなる「みなさまのIWJ」を目指して――ご支援をよろしくお願いいたします!

 おはようございます! IWJテキスト班の太田美智子です。

 いよいよ明日、集団的自衛権の行使を可能にする安保関連法制が施行されます。安倍総理は「みっともない憲法」と呼び、アベちゃん節を炸裂させましたが、軍拡競争のむなしさを本質的に理解する世界中の人々から、尊敬と羨望のまなざしを持って称えられる「日本国憲法」違反の法施行です。

 昨日、IWJ和歌山チャンネルでは、安保関連法制に反対し、同法案に賛成した議員を今夏の参院選で落選させようと呼びかけるサウンド・デモ「民主主義は黙らない」を中継しました。

 「保守王国」と呼ばれる和歌山県は、当選11回で自民党総務会長の二階俊博氏の地盤です。2005年のいわゆる郵政解散選挙で広報戦略を担い、ネット上での政権批判を封じ込める「チーム世耕」(自民党ネットサポーターズクラブの前身)を編成した世耕弘成氏も輩出しています。世耕氏は、長く内閣官房副長官を務めてもいます。故中川昭一元財務大臣の妻の中川郁子・農水政務官との不倫路上キスが1年前に話題となった門博文氏も、和歌山選出の議員です。その他、今夏、改選となる鶴保庸介氏などの個性的な自民党議員の面々を国政の場に送り出しています。

 和歌山は今夏の参院選で全国32ある1人区の1つですが、残念ながら、まだ野党統一候補を擁立できていません。それだけに、昨日のデモでは「和歌山変えるの、いつだ?」「今だ!!」や、「32分の1をつかもう!!」というコールに込められた切実な思いが、和歌山で生まれ育った私には、特に強く感じられました。

 同じ頃、IWJ大阪チャンネルでも戦争法廃止と辺野古新基地建設反対の集会とデモを中継していました。 IWJ栃木チャンネルでは、岩上さんが単独インタビューした岡山大学の津田敏秀さんらが甲状腺がんについて話していましたし、IWJ福岡チャンネルでは電力会社の選び方シンポジウム、チャンネル5では民進党の結党大会の模様をお伝えしていました。

 各地の主催者の方々、交通費などの経費以外は無償で現場に駆けつけてくださる「中継市民」の方々、そして会費やご寄付を寄せてくださる多くの皆さまの、「大切な情報を多くの人に伝えたい」という思いが合わさって、IWJの活動が支えられていると、つくづく感じます。

 最近、財政的な窮状を訴え続けるIWJのSOSに応えて、会員数も少しずつ増え、ご寄付とともに叱咤激励のメッセージなどもお寄せいただいています。

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・安倍政権との闘いが正念場を迎えようとしているこの時期、IWJの経営危機―倒産懸念は計り知れないダメージを与えます。IWJの存続と持続的活動は社会的使命です。岩上さんの健康管理とともに、経営管理にも充分配慮されますよう!少額ですが送金しました。

・IWJは本当に貴重な情報源ですし、ニュースキャスターの降板が続く中、4月以降、ますます貴重な存在です! 大変だとお察しいたしますが、どうか乗り切って下さい!

・少額ですが寄付しましたので、どうぞご確認ください。報道の自由度が世界で61位という状況の中、IWJの報道は貴重だと思います。
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 まさに「みなさまのIWJ」として、常に忌憚のないご意見をいただきながら、そのご期待に応えられるよう、今後も規模縮小することなく、できることならもう少し手厚く活動を続けていきたいと存じます。ますますIWJをご支援くださいますよう、どうかよろしくお願いいたします。

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※IWJ定額会員へのご登録はこちらから!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
※ご寄付・カンパをどうぞお願いいたします!
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html
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※ご寄付・カンパのお振込先は、以下の口座です。
【城南信用金庫(1344)】新橋支店(022)普通472535
【ゆうちょ銀行(9900)】〇〇八(008)普通3080612
【みずほ銀行(0001)】広尾支店(057)普通2043789
【楽天銀行(0036)】第一営業支店(251)普通7068848
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 太田記者でした!みなさま、財政危機に直面しているIWJに、どうぞ御支援をよろしくお願いいたします!必ずこのピンチを乗り切りますので、ぜひ会員となり、お支えください!

★本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■<ニュース・フラッシュ>~「ハシズム」敗北!橋下徹元市長の「思想調査アンケート」が2度目の「違憲」判決!他(城石エマ)
┠■<★本日の配信★>安倍総理は「国民に誠実に粘り強く説明」を履行しないまま、安保法制が明日施行!「自衛隊は南スーダンの少年兵を撃てるのか!?」「撃たなければ自衛隊が殺されてしまう!?」「そんなむちゃくちゃな任務をやらせていいのか!?」~SEALDsなどが10万人国会前抗議、28日と29日(青木浩文)
┠■「#保育園落ちたの自業自得だ」と悪意に満ち満ちたツイートをした斎木陽平氏が仕切る「高校生未来会議」に安倍総理登場~知力ではなくカネとコネがものをいう新たな「支配層」形成への布石か?/カネとコネで結ばれる新たな「支配層」をかたちづくるAO入試(平山茂樹)
┠■国会記者会館使用をめぐりネットメディア側が敗訴!「メディアがメディアを規制する」国に「報道の自由」があると言えるのか!?(佐々木隼也)
┠■岩上さんインタビューと講演のお知らせ(安道幹)
┠■わとはぷ~What happened today?~1968年の今日、東大安田講堂事件で卒業式が中止(城石エマ)
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◆中継番組表◆

**2016.3.28 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【ツイキャス・IWJ_OKINAWA1】11:00~「与那国沿岸監視隊の隊旗授与式」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-okinawa1
※陸上自衛隊与那国駐屯地内で開催される、「与那国沿岸監視隊の隊旗授与式」の模様をツイキャス配信します。

【Ch5】14:00~「安全保障関連法の施行に反対する抗議会見・参加団体 SEALDs 、SEALDs TOKAI 、SEALDs KANSAI、SEALDs RYUKYU」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※29日に予定されている安全保障関連法の施行に対する、抗議会見の模様を中継します。

【録画配信・Ch4】15:00~「『住宅・建築物の省エネ性能の向上』の現状と課題~ヒートショック死ゼロを目指して~」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※関東弁護士会連合会、環境保全委員会が主催で開催された、3月15日に収録した集会を録画配信します。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

【Ch5】19:00~「安保法制の施行に反対する国会前抗議 ―固定カメラ」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※「SEALDs」主催の国会前抗議を中継します。こちらは固定カメラです。

【Ch6】19:00~「安保法制の施行に反対する国会前抗議 ―遊軍カメラ」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※「SEALDs」主催の国会前抗議を中継します。こちらは遊軍カメラです。

【録画配信・Ch7】20:00~「《フクシマ5年目の真実(1)》『メルトダウン判定がもっと早ければ、私たちの行動は変わっていた!』楢葉町住民が振り返る、悔やみきれない“あの日”」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=7
※IWJ・高橋敬明記者と、IWJ・須原拓磨カメラマンが、3月に福島県内で取材を行ないました。全4回シリーズの第1回目を録画配信します。

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◆中継番組表◆

**2016.3.29 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch未定】「高市早苗・総務大臣 記者会見」
※高市早苗・総務大臣による記者会見を中継します。

【Ch未定】10:30~「待機児童緊急対策本部(第5回)」
※内容は、政府与党の待機児童緊急対策、旧定義の待機児童数と不承諾数の公表、小規模保育の拡大、一時預かり定期利用、保育士の処遇改善4%(実質2%)、これらについて、厚生労働省、内閣府からのヒアリングと当事者の方からのコメント。

【Ch未定】18:30~「戦争法発動反対!戦争する国許さない3・29閣議決定抗議!国会正門前大集会」
※「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」主催の国会正門前大集会を中継します。

【Ch未定】19:30~「安保法制の施行に反対する国会前抗議」
※「SEALDs」「T-nsSOWL」「安全保障関連法に反対する学者の会」主催の国会前抗議を中継します。

【IWJ_OSAKA1】19:00~「安保法制の施行に反対する関西緊急街宣アピール」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※「SEALDs KANSAI」主催の緊急街宣アピールを中継します。

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まずは、本日のニュース・フラッシュをお届けします!

■<ニュース・フラッシュ>

【1】「ハシズム」敗北!橋下徹元市長の「思想調査アンケート」が2度目の「違憲」判決!

 「ハシズム」はただの比喩ではない。本当に「ファシズム」の前触れだ――。

 そう確信させる判決が、3月25日、大阪高裁で出されました。

 2012年当時、大阪市長を務めていた橋下徹氏は、市に指示をして市職員3万人に労働組合加入の有無など、「思想調査」とも呼ぶべきアンケートを強行しました。これに対し、「精神的苦痛を被った」とする市役所労働組合の職員やOBの59名が、市に慰謝料など約1940万円を求める訴訟を起こしていました。

 橋下元市長が行った「思想調査アンケート」は、氏名、職員番号、所属を明記させたうえで、組合活動や政治家の支援活動への参加経験の有無など22項目を書かせました。

 調査にあたっては、「任意ではなく、市長の業務命令」であるとして、「正確な回答がなされない場合には処分の対象となりえます」と、脅迫までしていました。

 実施直後から「思想・良心の自由」を侵害するものとして、このアンケート調査は猛烈な批判を呼びました。しかし、橋下元市長は、「問題ない」と繰り返していました。

 この件については、昨年3月30日、大阪地裁の一審判決で、アンケートの設問の5項目が職員らの憲法上の権利を侵害する」と認め、大阪市に職員一人あたり6000円の賠償を命じました。

 今回の判決は、59名の原告らによる控訴審で、アンケートの4つの質問について、団結権やプライバシー権を侵害したとしました。一方、原告らは賠償額の引き上げを求めましたが、大阪高裁は逆に賠償額を一人5000円に引き下げ、違憲とした5項目も4項目に減らすなど、一審判決より後退した内容で、いささか物足りなくもあります。

 「ハシズム」の暴走に明確な「違憲」判決を突きつけた意義ある判決ではありますが、同じように思想調査に乗り出したい愚劣な政治家はまだまだいるはず。私たちは油断なく目を光らせ、基本的人権の侵害に対しては声を大にして「NO!」と言わなくては、思います。

 ちなみに橋下氏は、3月23日、8年ぶりにテレビのバラエティー番組に復帰したとのこと。復帰番組テレビ朝日の「橋下×羽鳥の新番組始めます!」の平均視聴率は、9.9%に終わったとのこと。「期待はずれ」の低視聴率は、ある意味もっとも分かりやすく、橋下氏の凋落ぶりを表しています。そして、こんな人を起用するテレ朝の残念な変節ぶりも。政界からも、テレビの画面からも引退してもらいたいものだと思います。

【2】原発作業員がISに加入!?テロに見舞われたベルギーで原子力施設に不審な事件が発生!やはりテロは原発を標的にしていた!現実に迫りつつ有る「核テロ」の脅威

 同時多発テロに見舞われたベルギーで、不気味な事件が起こりました。

 テロから2日後の3月24日、ベルギー・フルリュス放射性物質研究所の警備責任者が、自宅で死亡しているのが発見されました。警備責任者は銃殺されていました。

 この件に関し、シャルルロワ市の検察当局は、「事件とテロの関係はない」としていますが、検察当局も警視庁広報も、事件が捜査中だということで、それ以上のコメントを控えています。

 しかし、これだけでベルギー同時多発テロの犯人たちが原発を狙っていなかったということにはなりません。実際、テロの発生したブリュッセルから80kmほどの距離にあるチアンジュ原発では、テロ発生後に職員たちを避難させました。「核テロ」の可能性を真剣に憂慮した結果でしょう。

 昨年11月に起きたパリでの同時多発テロの捜査の際には、ベルギーの原子力当局の高官の行動を撮影した10時間におよぶ動画が発見されています。撮影したのは、パリ同時多発テロに関与した容疑者であると見られ、テロリストが原発を狙っていた有力な証拠とみなされています。

 一方、ベルギーでも「原発×テロ」の危険性に対し、真剣な対策はまだ施されていないようです。ベルギー連邦原子力規制局広報官は、発見された動画について、「テロリストがベルギーの4箇所の原子力施設において何かを企んでいることを明確に示すものだ」としつつも、警備員の補充や、その他の安全対策のための追加的措置を取っていないことを認めていました。

 実はベルギーの原子力施設では、安全を揺るがす事件が長期間にわたって起こっており、ワシントンやその他の国から警告を受けています。

 2013年には2人の侵入者が、実験室から機材を盗もうとしたことがあり、今年に入ってからは、原子力機関のコンピューターシステムがハッキングされ、短期間閉鎖となりました。

 その上さらに気がかりな事件も起きています。昨年10月31日には、「EUのなかで最も人口密度が高い原発所在地」と言われるベルギーのドエルにある原発で、爆発が発生。地元電力会社は「放射能汚染の危険はない」としているようですが、真偽はわかりません。日本の大手メディアがまったく報じていないこの事件の続きは、近日中に記事にしてまとめますので、いましばらくお待ち下さい!

 続いては、IWJ青木浩文記者より、本日注目の配信情報です!

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■<★本日の配信★>安倍総理は「国民に誠実に粘り強く説明」を履行しないまま、安保法制が明日施行!「自衛隊は南スーダンの少年兵を撃てるのか!?」「撃たなければ自衛隊が殺されてしまう!?」「そんなむちゃくちゃな任務をやらせていいのか!?」~SEALDsなどが10万人国会前抗議、28日と29日

 IWJで中継やテキスト関係のお手伝いをしながら報道現場の勉強をしています青木浩文です。

 明日3月29日、安保法制が施行されます。元最高裁判事や多くの憲法学者が違憲と断じたにもかかわらず、昨年9月19日参議院本会議で同法案が「強行採決」された後、安倍総理は記者団の質問に答えて、「今後も国民の皆様に、誠実に粘り強く説明を行っていく考えであります」と述べています。

 それから半年が経ちましたが、安倍総理は国民に対して「誠実に粘り強く説明」を行ったのでしょうか?

 法案成立から1ヶ月後の10月21日に、「与党が強行に成立させた安保法は安倍総理自らが認めている通り、国民の理解はまだ十分ではない。引き続き議論することが必要である」として、日本共産党、民主党、維新の党、社民党、生活の党の野党5党などが衆参両院に臨時国会召集要求書を提出しました。

 しかし、憲法53条に規定された国会召集の要求権の行使であるにもかかわらず、安倍総理は「年内の国会召集は事実上困難だ」と見送り、年明けの1月4日まで国会が開かれることはありませんでした。

 それどころか、年が開けて通常国会が開会された後も、安保法制に関して安倍首相はまともに審議に応じる姿勢を見せていません。

 3月25日の参議院予算委員会で、民主党の尾立源幸参院議員は、野党5等が提出した安全保障関連法を廃止する法案などを審議するよう求めましたが、安倍総理は、去年成立した安保関連法こそが「ベストなものだと思う」と強調するだけにとどまり、「誠実に粘り強く説明」などとはおよそかけ離れた態度です。

 さらに、同廃止法案に対しては「せっかく強化された日米同盟の絆が大きく損なわれる。わが国の安全保障に対して極めて重大な影響を与える」と批判し、応じない考えを示しました。

 しかし、この「強化された日米同盟の絆」に対して疑義を呈しているのが、『仮面の日米同盟』の著者で国際ジャーナリストの春名幹男氏です。春名氏は岩上さんのインタビューに答えて、衝撃の事実を語りました。

 「昨年の安保法制をまとめる土台になったのが、2015年の日米ガイドライン。このガイドラインの英語を翻訳するにあたって、外務省はなんと…」

 衝撃の事実の続きは、ぜひ、岩上さんによる春名氏のインタビュー・アーカイブをご覧ください。「日米同盟」なる「共同幻想」をいくら強めても、日本の安全が守られることはない。この事実を、ぜひ、知っていただきたいと思います!

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※2016/01/28 「米軍は日本を守らない!」という事実が米公文書によって明らかに! 政府が日米新ガイドラインに施した翻訳上の姑息な仕掛けとは!? ~『仮面の日米同盟』著者・春名幹男氏に岩上安身が直撃インタビュー第1弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/284665

 全編をご覧いただくには、会員登録が必要です。この機会にぜひご検討ください!

※会員登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
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 また、関連法施行で可能となる自衛隊の「駆け付け警護」任務について、3月22日中谷元・防衛相は記者会見で、5月に予定される南スーダンPKO部隊の交代時には与えない方針を明言しました。早くとも今秋以降になるとの見通しが報じられています。国民からの批判が高まり、与党が今夏の参院選を戦う上でマイナス要因となる「駆け付け警護」任務は、選挙後に先送りするという目論みなのでしょう。

 南スーダンでの「駆け付け警護」については、「自衛隊が実際の戦闘現場に駆り出されることになる」と指摘する埼玉大学名誉教授の三輪隆氏に、岩上さんがインタビューを行っています。また、陸上自衛隊レンジャー部隊に所属した経験を持つ井筒高雄氏は、「実際、隊員は赤チンと絆創膏で自分の傷を処置することくらいしかできない」と、訓練のレベル、現場の実情について証言しています。

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※2015/10/05 安保法制適用第一弾は南スーダンでの「駆け付け警護」 政府は「戦闘現場」を想定している!? ~三輪隆氏(埼玉大学名誉教授)×井筒高雄氏(元レンジャー隊員)×岩上安身
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/268726
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 今日19時からは学生や若者を中心としたグループSEALDsが、そして明日29日18時半からは「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、19時半からはSEALDs・T-ns SOWL・学者の会が主催となり、「安保法制の施行に反対する10万人国会前抗議」を国会正門前北庭エリアで行います。

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※【安保法制の施行に反対する10万人国会前抗議】
http://www.sealds.com/#upcoming-actions

3月28日(月)19:00~
国会正門前北庭エリア

3月29日(火)
国会正門前北庭エリア
18:30~ 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
19:30~ SEALDs/T-ns SOWL/学者の会
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 SEALDsの中心メンバーの奥田愛基氏は、3月13日に新宿アルタ前広場で行われた集会でこの抗議行動について触れ、「南スーダンは、国連が撤収を検討しているぐらいの危険な状況。少年兵が銃を持って現場にいます。ちゃんと訓練されていない自衛官が駆け付け警護を行ったら、本当に子どもを撃てるのか?!でも、もし撃たなかったら、自衛官が死んでしまう!?そんなむちゃくちゃな任務を、今の自衛隊にやらせていいんでしょうか?!」

 「まだ間に合います。次の選挙で変わったら、きっとこの自衛隊の派兵というのは、延びると思います。安倍政権が続く限り諦めないだろうけど、ぼくらも諦めません。皆さん国会前に集まってください!もう一回あれやってやりましょう!」と、抗議行動への参加を呼びかけました。

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2016/03/13 SEALDs・安全保障関連法に反対する学者の会主催「GIVE PEACE A CHANCE~未来を選びとる 新宿東口街宣」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/291767

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※会員登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
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 この国会前抗議行動も、IWJは複数スタッフを派遣し中継する予定です。現地に足を運べない方は、ぜひIWJの中継チャンネルで!!

※こちらから視聴できます。
・ 国会正門前北庭エリア-固定カメラ【Ch5】19:00~
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
・国会正門前北庭エリア-遊軍カメラ【Ch6】19:00~
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6

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 青木記者、ありがとうございました!

 続いては、平山茂樹記者よりお伝えいたします!

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■「#保育園落ちたの自業自得だ」と悪意に満ち満ちたツイートをした斎木陽平氏が仕切る「高校生未来会議」に安倍総理登場~知力ではなくカネとコネがものをいう新たな「支配層」形成への布石か?/カネとコネで結ばれる新たな「支配層」をかたちづくるAO入試

 おはようございます。IWJでテキスト関連の業務を担当している平山と申します。

 3月23日(水)から25日(金)の3日間、衆議院議員会館で「高校生未来会議」と題したイベントが開催されました。高校生らが地域おこしなどについてプレゼンする一方、自民、公明、民主、共産、おおさか維新、社民など各党の代表も参加。高校生に向けて奨学金の充実など党の施策を紹介しました。

 これだけ書くと、若者の政治参加を促すための好ましいイベントだと思えますが、調べてみると、どうも裏がありそうです。このイベントを運営しているのは、「一般社団法人リビジョン」という団体。そして、この「リビジョン」の代表を務めるのは、慶應義塾大学大学院卒業で法学修士の斎木陽平氏です。

 この「リビジョン」のホームページには、他の日のイベントに安倍総理夫人の昭恵氏がゲストスピーカーとして登壇したことが紹介されています。また、斎木氏が同じく代表を務める「AO義塾」のホームページには、安倍総理とのツーショット写真も掲載されています。ネット上では、斎木氏が「安倍総理と親戚なのではないか」との指摘もあります。

※一般社団法人リビジョンのホームページ
http://revisionjapan.com/

※「AO義塾」のホームページ
http://aogijuku.com/aboutus/free_description

 この「高校生未来会議」でも、3月24日には安倍総理が登壇。「最優秀賞」を受賞したチームに「内閣総理大臣賞」を授与しました。高校生主体のイベントに、多忙なはずの総理大臣が出席するのは異例のことです。この肩入れぶりは「異常」と言ってもいいかもしれません。沖縄県の翁長雄志知事との面談を「多忙」を理由に拒否し続けたことと比べると、あまりにも落差が大きく、公務の日程の組み方に、偏りがありすぎると言わざるをえません。

 斎木氏と安倍総理の、あまりに親しすぎる関係を見ると、この「高校生未来会議」というイベントは、18歳選挙権の実施を前に、安倍総理側が高校生の取り込みを図るために仕掛けたものではないか、という疑念を抱かざるをえません。

 3月19日の「日刊IWJガイド」の「ニュース・フラッシュ」のコーナーでも取り上げましたが、斎木氏は待機児童問題に関して、「#保育園落ちたの自業自得だ」というハッシュタグの付いたツイートをしていました。これは「#保育園落ちたの私だ」という共感のハッシュタグに対して嫌味をきかせたものだと考えられますが、「保育園に落ちる」ことが「自業自得」だとは、待機児童問題の本質を理解していない、あまりにひどいツイートではないでしょうか。

※斎木陽平(@YoheiSaeki)氏のツイート(2016年3月10日付)
https://twitter.com/YoheiSaiki/status/707890570824327168

 待機児童問題に悩む母親たちのスタンディングの様子や、「保育園落ちた日本死ね!!!」を取り上げた民主党(現・民進党)の山尾志桜里議員の国会質疑の全文など、IWJはこの問題を精力的に取り上げています。ぜひ、下記URLから記事をご覧ください。

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※2016/03/04 #保育園落ちたの私だ ハッシュタグに続々と集まる怒りはついに国会前で生の声に!!0歳児も「落とされたのオレだ!」とデモに参加
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/290389

※【02.29国会ハイライト】「保育園落ちた日本死ね!!!」待機児童に悩む親たちの悲痛な叫びに安倍総理が「匿名である以上確かめようがない」と無神経発言! 与党議員らは「本人出せよ」の下劣な野次!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/293075
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●カネとコネで結ばれる新たな「支配層」をかたちづくるAO入試

 この斎木氏は、「リビジョン」以外に、AO入試に特化した進学塾「AO義塾」の運営も行っています。この「AO義塾」は、今年から推薦入試を始めた東京大学に14名の合格者(東大推薦入試の全合格者は77名)を出したことで、注目を集めています。

 推薦入試やAO入試は、ペーパーテストだけでは判断できない出願者の「個性」を見極めるためだとして、大学入試で導入された制度です。AO入試は1990年に慶應義塾大学の総合政策学部と環境情報学部が他に先駆けて導入し、国立大学では東京大学が今年から推薦入試を導入しました。

 しかし、岩上さんが3月14日にインタビューした京都大学名誉教授の本山美彦氏は、こうした推薦入試やAO入試のあり方について、警鐘を鳴らしています。本山氏によれば、アメリカの名門校と言われる「アイビー・リーグ」(ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、イエール大学)の入学試験は、「合格基準がよく分からない」状態で、富裕層の学生ばかりが入学しているのだそうです。

 そのうえで本山氏は、ペーパーテストでの一発勝負ではなく、書類や面接など、客観的な合格基準が曖昧な推薦入試やAO入試が導入されることにより、入学者の選別に、出願者の家庭の年収や社会的地位が如実に反映されるようになるのではないか、と警鐘をならしています。

 本山氏によれば、「アイビー・リーグ」における入試の不透明さが、富裕層の子弟ばかりの学閥を作り、そのコネクションが、金融界と政界にはびこる「金融権力」の形成に一役も二役も買い、さらには、大統領選など、選挙の「勝手連」である「スーパーPAC」を通じて政治権力にも強い影響力を行使するに至る、ということなのですが、詳細はぜひ、岩上さんによる本山氏へのインタビュー動画全編をご覧ください。これは海の向こうの米国の話しではなく、日本の明日の姿の話です。

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※2016/03/14 岩上安身が京都大学名誉教授・本山美彦氏に直撃インタビュー第2弾! 世界経済を牛耳る「金融権力」と「サイバー・リバタリアン」の正体とは~「トランプつぶし」で米大統領選への介入開始か!?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/291942
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 本山氏の指摘を踏まえて考えてみると、「高校生未来会議」を介して政界にアクセスし、「AO義塾」を介して一流大学にアクセスする斎木氏の活動は、日本においてカネとコネで結ばれる新たな「支配層」をかたちづくる動きの一端であることが透けて見えてきます。

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 平山記者、ありがとうございました!

 続いては、IWJの食いしん坊大魔神・佐々木隼也記者よりお伝えします!

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■国会記者会館使用をめぐりネットメディア側が敗訴!「メディアがメディアを規制する」国に「報道の自由」があると言えるのか!?

 おはようございます。IWJの佐々木です。

 また日本の「報道の自由ランキング」が下がりそうな出来事が起こりました。官邸前デモの取材の際に、官邸の目の前にある国会記者会見の屋上使用を、国会記者会(記者クラブ)以外のメディア・ジャーナリストに認めないことは、「報道の自由」の侵害にあたるとして、ネットメディア「アワープラネットTV」が2012年7月、国と国会記者会に損害賠償を求めた訴訟で、3月25日、最高裁が「原告側敗訴」の決定を下しました。

 しかしこの裁判では、国と国会記者会側との主張の「矛盾点」が明らかになっています。国は「各建物の部屋だけ貸している」としているのに対し、国会記者会は「屋上も含めて借りている」としているのです。しかも国会記者会は、国会記者会館を使う「基準」を明確に定めていません。

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・2014/10/14 官邸前デモなどの撮影で国会記者会館屋上の使用を求める請求が棄却「メディアがメディアを排除する」構図が浮き彫りに
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/181952
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 脱原発デモだけでなく、2014年6月29日には、安倍政権による集団的自衛権の行使容認の閣議決定を翌日に控え、反対する市民4万人が官邸前に集結し、抗議の声をあげました。この時、集まった群衆の全景を撮るために、IWJやアワープラネットTV、フリー記者らが国会記者会館の屋上へ上がったところ、会館事務局に退去を求められました。

 この時、その場にいたフリーランスやネットメディア一同は、「歴史的に重要なことを伝える意義がある。裁判の判決も出ていない中で、締め出すことは不当だ」と反論しました。このやり取りの様子を、IWJはしっかりカメラにおさめ、現場からぎぎまき記者がレポート取材も行いました。ぜひ、以下の記事で動画をご覧いただき、ご確認いただければと思います!

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・2014/06/30 ネットメディアやフリーランスが初めて国会記者会館屋上へ「歴史的重要性を伝える意義がある」~集団的自衛権の閣議決定に反対する4万人の波
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/149567
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 時事通信によると、今回、「東京地裁は『原告が会館を自由に使える根拠はない。安全管理の面から不許可とした点も妥当だ』と判断し、東京高裁も支持しました」(時事通信、3月23日付:http://bit.ly/1VPbRhT

 国と言い分が違っていて、明確な基準が存在していないにも関わらず、占有を続ける記者クラブ。これは、国会記者会館の使用にとどまらず、国会内の取材や、大臣会見、他様々な行政機関の会見・取材で、同じように「基準」が定められていないにも関わらず、内部ルールで勝手にクラブ以外のメディアを制限し、情報の可視化を妨げる、日本の記者クラブ制度全体の問題を、浮き彫りにしています。

 「メディアがメディアを規制する」国に、「報道の自由」があると言えるのでしょうか?IWJは、この不当なシステムに風穴をあげるべく、今後も怯むことなく抗議の声をあげていくつもりです。
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 佐々木記者、ありがとうございました!ネットメディアとして、憤慨するしかないような判決です。マスコミ一辺倒だった昔とは、メディアのあり方が変化してきていることに、国会記者会も司法もついてこられていないのですね。

 さて続いては、岩上さんインタビューの予定を、IWJの安道幹(あんみちまさ)記者よりお知らせいたします!

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■岩上さんインタビューと講演のお知らせ

 おはようございます!IWJ記者の安道幹(あんみちまさ)と申します。

 現在、関西へ遠征中の岩上さんは、おととい、昨日と上脇先生への「連日」インタビューを行いました。昨日は「政治とカネ」問題を抱え、刑事告発された8人の自民党議員について、個々のケースに分け入り、7時間もインタビューしたそうです!それでも終わらず、急遽本日、3日目のインタビューがセッティングされました!!

 本日午後には自民党枚方市支部で、佐藤ゆかり議員告発問題の渦中にある出来成元(できしげちか)氏へのインタビューもありますので、豪華特盛りのコンテンツになることは間違いなし!と言いつつ、実はスタッフとしては、岩上さんの体調が心配でハラハラでもあります。帰京後もインタビュー予定が続きますので、スタッフとしては全力で岩上さんをサポートしていきたいと思います!

 今後のインタビューの予定をお知らせします!!

・3月28日(月)上脇博之氏インタビュー 3日目を急遽セッティング!!

 26日、27日の2日間にわたって、岩上さんが神戸学院大学法学部教授の上脇博之氏にインタビューを行いました。ですが、まだまだ話は尽きません。本日、急遽3日目がセッティングされました!上脇先生は「政治資金オンブズマン」共同代表として、現在8人もの自民党議員を相手に、政治資金規正法違反等の疑いで刑事告発されています。さらに今後、2名の大物自民党議員を相手に、刑事告発を予定しているとのこと。「政治資金」をめぐる自民党議員たちの汚い所業について、生々しいお話をたっぷりとうかがいます。近々、録画配信しますので、どうぞご期待ください!

・3月28日(月)自民党枚方市支部長・出来成元氏インタビュー

 上脇先生へのインタビューのあと、岩上さんは大阪へ移動し、自民党枚方市支部長・出来成元氏へ直撃インタビューを行います!自民党・佐藤ゆかり衆議院議員を政治資金規正法違反で告発する予定の出来氏。IWJとしても、すでに佐藤議員と出来氏の両者に取材を敢行し、まとめた記事がありますので、予習ついでにこちらもどうぞご覧ください。インタビューの模様は、録画配信で後日お届けします!

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※2016/03/22 「政治資金」で自民党に内紛勃発!佐藤ゆかり議員を自民・枚方市支部長が3月22日に民事提訴へ!刑事告発も準備中!IWJが双方に直接取材、浮かび上がった佐藤議員の「杜撰な政治姿勢」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/289612
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・3月30日(水)14時~  宮里邦雄弁護士インタビュー

 自民党議員らの「政治資金」問題。IWJはどのメディアよりも、とことんこだわります。30日には弁護士団体「社会文化法律センター」の代表理事である宮里邦雄氏に岩上さんがインタビューします。3月16日、同団体は甘利明元大臣の現金授受問題で、甘利氏本人と元公設秘書をあっせん利得処罰法違反の疑いで、東京地検に告発しました。「睡眠障害」などと、トボけた理由で姿をくらまし、ほとぼりが冷めるまでだんまりをきめ込もうとする甘利氏ですが、そうはさせません。真相追及の手を緩めない宮里弁護士のお話を、岩上さんががっちりとうかがいます!

・4月4日(月)15時~ 内田樹氏インタビュー

 4月4日には再び岩上さんが関西へと向かいます。思想家で神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏に岩上さんがインタビュー。「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼びかけ人として、SEALDs関西や関西市民連合を支える内田氏に、「緊急事態条項」の危険性や今後の日本について岩上さんがお話をおうかがいします!

・4月9日(土) 「ロックの会」IWJがオーガナイザーを務めます!詳細はまた後日お知らせいたします!

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■わとはぷ~What happened today?

 冒頭は、「卒業式」の話題で始めました。せっかくなので、今日は最後も「卒業式」で締めくくりたいと思います!

 1968年の3月28日、この日は東京大学で卒業式が行われるはずでした。

 しかし式は中止。ちょうどこの時期、全国で高まりつつあった学園紛争の波の中、東大では「全共闘」を中心とした学生たちが安田講堂を封鎖し、立てこもりました。「東大安田講堂事件」です。卒業式の前日のことでした。

 1965年から始まったベトナム戦争や、1970年に更新年を迎える予定であった新安保条約に対する学生たちの激しい反対運動が活発化、さらに旧態依然として権威的な大学教授や大学に対する学生たちの反発感情が極限的に大きくなっていたのです。

 1968年1月、東大医学部生たちがインターン制度への異議申し立てをしてストライキへ突入すると、医学部生らと医局員らが衝突。大学は衝突に関与したとみられる17名の学生を処分しました。

 ところが、この17名の中に、衝突に関係していない学生が含まれていたことが分かり、学生が抗議するも大学側は応じず、運動は激化。3月27日に安田講堂を一時占拠した学生たちによって、28日に予定されていた卒業式は阻止されてしまいました。

 医学部学生のストライキはその後も続き、6月15日には再び安田講堂を占拠、学生たちが立てこもりました。大学側は、機動隊を投入し、学生たちを強制排除しました。

 戦後、大学は「自治」の保障された場所でした。機動隊を投入することは、大学の中に行政権が入り込むことに他なりません。大学の自治を揺るがす機動隊の投入は、学生たちの反発をさらに大きなものにし、7月には安田講堂がバリケード封鎖されるにいたりました。

 機動隊の投入をとりわけ求めたのは、東大の名誉教授たちでした。戦後知識人の代表格でもあり、元東大総長だった南原繁も、機動隊の投入を求めた一人だったと言います。

 教授陣や大学執行部は、なんとか学生運動を排除して、大学に秩序を取り戻したいと考え、機動隊の投入の道筋を周到に準備していました。つまり、大学側は自ら自治を手放してしまったのです。

 機動隊が投入されたこの年、文部省から「入試を行うな」と通達を受け、東大は入試を行いませんでした。結果として大学側は、文部省に抗うことなく、政府の意向を忖度して、大学入試を見送ることにしたわけです。

 他方、ゲバ棒にヘルメット、強硬に、過激に大学闘争を貫いた全共闘にも機動隊を呼び込んだ責任がある、という見方もあるでしょう。日本だけではなく、世界的に、新左翼の過激化は、リベラルな中道から左派までの運動を自滅させ、70年代の新自由主義(ネオリベ)、新保守主義(ネオコン)の台頭を招いたとの批判もあります。

 ひるがえって現在、大学に「自治」はあるのでしょうか?大学の自治は、憲法に定められた「学問の自由」を保障するための大前提です。

 今、深刻な、暗い影が、日本の大学を覆いつつあります。

 2016年6月、文部科学省は国立大学に文系学部の廃止検討を求める通達を出すこととなります。4月から始まる2016年度には、安全保障分野での「産官学の連携」を強化するため、防衛装備への応用が可能な技術研究に対し、防衛省が6億円の予算を使って大学の研究チームを助成すると言います。

 「産業発展に直接貢献しそうな学問だけを学べ」と国が上から「要請」したり、研究費不足の大学の実情に漬け込むようにしてカネをちらつかせ、お国をお守りするための武器製造に従事させたりすることは、間違いなく、「学問の自由」の対局にある考え方です。

 私が大学で学んだのは、「政治学」や「社会学」「哲学」など、いかにも産業発展に貢献しなさそうな学問でした。卒論のテーマに選んだのはドイツの社会学者エーリッヒ・フロムです。資本主義の発展とともに画一化が進む社会にあって、どうしたら人は孤独と向き合って生きていけるかなあなどと、卒論を書く過程で、延々考えていました。馳浩文科相や中谷元防衛相が聞いたら、苦笑されるか、失笑されるか、どちらにしても一笑に付されそうなテーマですね。

 それでも私は、今日明日の儲けに即、役立たなくても、知というものは、知らぬ間に自分の血となり肉となっているものだ信じています。その血肉をもってどのように社会の役に立っていけるかは、もはや大学で何の科目を勉強をしたかの問題ではないと思います。あらゆる事象への、強い好奇心とか、批判的ではあっても決して破壊的ではない目線とか、自分自身と、近い他者、遠い他者への責任感といった、生きる姿勢そのものが大事になってくるのではないのかな、と思っています。

 「まだまだ大学時代の学びのありがたさなんてちっとも分かってないね」と皆さまには言われてしまうかもしれません。やっとスタート地点に立ったばかりの私ですが、これから100キロハイク完歩(歩いてる場合か、走れ!と気合を入れられそうですが)を目指す勢いで、IWJの新入社員として頑張っていきますので、辛抱強くお見守りいただければと思います!

 本日も、IWJをどうぞよろしくお願いいたします!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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