日刊IWJガイド「憲法違反の安保法制が衆院で強行採決! 国会前では10万人が怒りの声、全国でも抗議行動」2015.7.16日号~No.1037号~


■■■ 日刊IWJガイド「憲法違反の安保法制が衆院で強行採決! 国会前では10万人が怒りの声、全国でも抗議行動」2015.7.16日号~No.1037号~ ■■■
(2015.7.16 8時00分)

 おはようございます。IWJの安斎です。

 昨日7月15日、衆院平和安全特別委員会では、予告通り安保関連法案が強行採決されました。

 独自案を提出していた維新の党は、独自案の採決時までは出席し、政府案の採決時は退席という格好を取りました。

 審議後、採決に反対する民主党、共産党の野党議員らは、それぞれ「アベ政治を許さない」「強行採決反対!!」「自民党感じ悪いよね」と大きくプリントされた紙を頭上に掲げ、与党議員らが退出するまで「反対」コールを叫び続け、議場は騒然となりました。

 この様子をNHKはどう報じたか。この日の番組表には、テレビ中継もラジオ中継の予定もありませんでした。これ以上に報じなければならないことが、他におありになるというのでしょうか。通常編成を決定したNHKには、その理由を説明していただきたいと思います。

 お昼のニュースの際に、突如テレビ中継でその様子を解説付きで報じ出したNHKですが、採決の様子を伝えただけで、審議の中身が伝わるものではありませんでした。当然のことながら、NHKには抗議の電話が殺到したと、ネット上では話題が沸騰しました。

 時を同じくして、国会前や議員会館では、炎天下の中、抗議行動、集会が行なわれ、IWJはスタッフ総動員体制で取材・中継しました。抗議は夜にも行なわれ、10万人(主催者発表)の人々が集結。アベ政治を受け入れないという明確な姿勢を示しました。

・安倍政権の終わりの始まりか――「戦争法案」の強行採決に10万人が怒り「国会を包囲した55年前を思い出し、岸信介の孫を退陣に追い込もう」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/252921

・「まさか、人生で2度ここに来ることになるとは」60年安保闘争で国会を包囲した男性が参加――市民1000人が強行採決に反対の声「アベ政治を許さない」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/253104

 抗議行動は本日も、そしてこれからも続きます。IWJも市民の方々が声を上げ続ける限り、報じる体制を崩さずに参りたいと思います。「絶対に止める!」というのが、学生有志らのキャッチコピーですが、IWJは「絶対に伝える!」を貫きます! NHKのように日和ません。伝えて、伝えて、伝え続けます! そのためにもぜひ、IWJの応援をよろしくお願い申し上げます。

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 また、IWJでは、ご寄付・カンパをお願いしております。国民を窮乏化して、干上がらそうとする悪政が続き、厳しいという方は少なくないと思いますが、現在の会員数では、運営が厳しく、皆様のカンパが頼りです。フル出動が続いているIWJを、どうぞ、応援してください! 「皆様のNHKです」というコピーには、虚偽があるように思えてなりませんので、我々が「皆様のIWJです」と名乗らせていただきたいと思います。どうぞ、皆様、お支えください。

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■岩上さんが、維新・小野次郎議員、民主・辻本清美議員に緊急インタビューを敢行!

 昨日は急遽、岩上さんが採決直後に維新・小野次郎議員、民主・辻本清美議員にそれぞれ緊急インタビューを敢行しました。

 自民党・公明党の議員から口汚い野次を受け続け、総理自身からも下品な野次を受け、それでも臆せず安保法制、そして安倍総理自身の嘘や矛盾を明快に暴いてきた辻元議員。安倍総理は最後の最後まで、そんな辻元議員の質問に、どれひとつとしてまともな答弁、反論ができませんでした。

 にも関わらず強行された採決。辻元議員は浜田委員長に詰め寄り、「お願いだからやめて!」と手を合わせて懇願し、採決後は記者団に涙を流して悔しさを噛み締めていました。

 辻元議員の祖父は戦争で命を落としました。「子どものころ、なぜ戦争になったの? と祖母に聞いたら、分からないうちにそうなったと言われた」「戦争だけはアカン。立法府の人間として、絶対そんな時代をつくってはいけない。戦争に進むちょっとした芽を摘まないと、歴史は繰り返す」と、声を震わせました。

 そんな辻元議員は、その足で国会前の抗議に向かい、スピーチをし、そして岩上さんのインタビューに応えました。インタビューでは、これまでの安倍総理の馬鹿馬鹿しいほどの嘘と矛盾を振り返りました。時間の都合で20分のショートインタビューとなりましたが、ぜひ、動画記事をご覧ください!

近いうち、論点も整理し直して、もっと時間をたっぷりいただいて、インタビューを再度行う約束を、岩上さん自身がその場でしてきたそうですので、ぜひ、ご期待ください!

・岩上安身による民主党・辻元清美衆院議員インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/253113

 また、維新の党で、この安保法制を担当して取り組んでいる小野次郎議員にも、岩上さんは緊急インタビューをしました。維新案については、水島朝穂・早稲田大学教授が「違憲だ」と厳しく批判しています。小野議員は「それは読みが浅い」とし、「個別的自衛権か集団的自衛権かは国際法上の問題。維新案は、集団的自衛権と言う国際法学者もいるかも知れないが、大事なのはそれが憲法に適合しているかどうかだ」と強調しました。

 維新案は、「日本が攻撃を受けていなくても」日本を守るために日本の周辺で活動している米艦船を守るために、武力行使が可能となります。明らかに個別的自衛権は拡大していますが、しかし小野議員は「徹頭徹尾これは自国防衛であり合憲だ」としています。この問題は、憲法9条をどう解釈するか、という問題であり、今後も様々な専門家に話を聞き、議論するべきテーマです。

 同様に、というか維新案よりもしっかり議論しなければならないほど問題含みの政府案が、誰がどう見ても議論が尽くされず、国民の理解がまったく得られないまま、こうした強行採決をしてしまったことは、やはりおかしいと思います。小野議員も、維新の党として、そこは厳しく批判していました。

・2015/07/15 岩上安身による維新の党・小野次郎安全保障調査会長インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/253110

 IWJでは、この問題を今後も引き続き、議論していきますし、議論の様子を取材し続け、政府に議論をするよう促していきます。

 ということで、本日12時からはCh1で小林節・慶応大学名誉教授に岩上さんがインタビューします。政府案を「違憲」と断じ、連日抗議集会、会見などで安倍政権を批判し続けている小林氏ですが、維新案に「合憲」の評価をした理由などについても、その真意をうかがう予定です。ぜひ、ご注目ください!

 IWJでは、安倍政権の「安保法制」に反対するたくさんの人からのメッセージを、サイトに掲載しております。こちらもぜひ、ご覧いただければと思います。

・安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ
http://iwj.co.jp/wj/open/%E5%AE%89%E4%BF%9D%E6%B3%95%E5%88%B6%E5%8F%8D%E5%AF%BE

…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.7.16 Thu.**

【Ch4】11:15~「新国立競技場基本構想国際デザイン競技審査委員長 安藤忠雄氏による記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※新国立競技場基本構想国際デザイン競技審査委員長で建築家の安藤忠雄氏による記者会見を中継する予定です。

【Ch1】12:00~「岩上安身による小林節・慶應義塾大学名誉教授インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※慶應義塾大学名誉教授の小林節氏に、岩上安身がインタビューします。

~関連記事はこちら~
・2015/07/09 「採決欠席の可能性は大いに秘めている」――松野代表らが“維新案”を海外プレスに説明 小林節氏「政府案と議論をしたら負けない自信がある」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/252407

・2014/11/28 【大義なき解散総選挙12】「これでは北朝鮮と同じ」 自民党改憲案と集団的自衛権行使容認を徹底批判~岩上安身による小林節・慶応大学名誉教授インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/209456

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見の模様を中継します。

【Ch4】18:30~「戦争法案反対 強行採決反対 国会正門前大集会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」主催の国会正門前大集会の模様を中継します。

【Ch5】18:30~「SEALDs主催『戦争法案強行採決に反対する国会前緊急抗議行動』~遊軍カメラ1」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※国会前で行われる、「戦争法案強行採決に反対する国会前緊急抗議行動」の模様を中継します。こちらのチャンネルは、遊軍チャンネルです。

【Ch6】18:30~「SEALDs主催『戦争法案強行採決に反対する国会前緊急抗議行動』~遊軍カメラ2」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※国会前で行われる、「戦争法案強行採決に反対する国会前緊急抗議行動」の模様を中継します。こちらのチャンネルは、遊軍チャンネルです。

【Ch4】19:30~「SEALDs主催『戦争法案強行採決に反対する国会前緊急抗議行動』~固定カメラ」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※国会前で行われる、「戦争法案強行採決に反対する国会前緊急抗議行動」の模様を中継します。こちらのチャンネルは、カメラ固定チャンネルです。

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(前半の続き)…

■イラン核協議でアメリカなど関係6カ国と「歴史的合意」

 イランの核開発問題をめぐり、「核なき世界」へ向けた歴史的一歩が踏み出されました。

 イランと欧米6カ国(米英仏中露独)は、14日、協議が最終合意に達したことを正式に発表。「歴史的な日だが、これが共同作業の終わりではない。合意内容が確実に履行されるよう取り組みを続ける」との共同声明を、同日会見したEUのモゲリーニ外交安全保障上級代表とイランのザリーフ外相が表明しました。

 今回の合意で、イランの核開発は大幅に制限されることになりますが、それと同時に、アメリカをはじめ欧米各国が、イランによる核の平和利用を事実上、認めたということを意味します。

 これに猛反発しているのがイスラエルで、今回の合意についてネタニヤフ首相は、「歴史的な過ち」と抗議声明を発表。アメリカは、来週にカーター国防長官をイスラエルへ送り、関係悪化を食い止めるよう、理解を求める予定だと、伝えられています。

 オバマ大統領は、合意に懐疑的なイスラエル、サウジアラビアと電話協議し、理解を求めたほか、国内でも合意を認めない立場を示している共和党に対して、議会対策に力を入れ、合意を実行に移していく姿勢を明らかにしています。

 今回の合意は、日本の安全保障の議論にも大きく関係します。イランが核開発を制限する代わりに、国連安保理や欧米が科している経済制裁が段階的に解除されていきます。

 それによって、イラン産原油の輸出増や企業のイラン進出が進んでいくことが見込まれており、中東の安定につながるのではないかという期待も聞かれています。

 イランからの原油輸入を減らしてきた日本も、今後、取引を正常化させていくことにつながります。

 そして、それよりも何よりも、現在進行形で進んでいる集団的自衛権の行使の例として、筆頭に掲げられてきた「ホルムズ海峡での機雷掃海」など、必要性がまったくなくなります。

 このイランの核協議問題は、今、まさに国会で焦点となっている安保法案の国会論議にも大きな影響を与えるのではないかと、考えられますので、要注目です。

 今後、合意が実行に移され、イランが国際社会に復帰し、アメリカとも関係改善をしていくことになれば、「日本を取り巻く安全保障環境の変化」を挙げて解釈改憲による集団的自衛権の行使を容認しようとする政府の論理は、その根拠を失います。

 より詳しく政府の答弁を振り返ると、他国での武力行使は、ホルムズ海峡の機雷掃海以外に「念頭にない」と、安倍総理は明言しているのです。つまり、関係改善によってイランのホルムズ海峡封鎖の可能性がなくなれば、他国で武力行使をする事例はなくなり、自国での武力行使は個別的自衛権で済むわけですから、そもそも、集団的自衛権も、安保法案も必要ないわけです。

 アメリカの悪いところばかりを真似して付き従っているような安倍政権ですが、こうした外交努力による実績を残して、平和を構築していくことに力を注いでもらいたいところです。

■中継・動画編集スタッフ緊急大募集のお知らせ!

 ここで、事務にカメラマンにとフル回転中のトリプルアクセル状態の谷口から、スタッフ募集のお知らせです。

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 IWJのカメラマン兼事務スタッフの谷口です。

 現在IWJでは、中継・動画編集を担当していただくスタッフを募集中です。IWJの記者や中継市民の皆さんが、日々取材してきた映像を動画編集ソフト(adobe Premiere)で編集したり、サーバーへアップロードする作業をメインに担当していただきます。

 動画編集の経験や知識をお持ちの方はもちろん大歓迎ですが、そうした経験がなくても、映像やIWJのコンテンツに興味がある方なら大丈夫です!

 経験豊富なIWJスタッフが親切にレクチャーいたします。自主性と向上心を持って、学び成長できる方をお持ちしております。

 また、動画編集だけでなくカメラを持って、記者会見やシンポジウム、デモの現場などに取材に行っていただくこともあります。こちらも、ビデオ撮影の経験や知識をお持ちの方は大歓迎ですが、「ホームビデオぐらいしか使ったことないなぁ…」という方でも心配いりません!

 映画やドキュメンタリーに興味があって、ビデオ撮影に挑戦したいという情熱をお持ちの方を募集します。あとは、体力と運転免許があれば、云うことなしです。

 経験や知識を持っているに越したことはありませんが、何よりもまず第一に、映像とIWJに対する情熱を重視します。

 フリーランスの方などで兼業も可能ですので、ふるってご応募ください。また、ご紹介をくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。

<スタッフ募集フォーム>
http://bit.ly/1ALJypQ

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■Web班からも人材募集のお知らせ!

 さらに、日夜、事務所に泊まりこんで記事の更新作業を行い、最近腰を痛めつつあるWeb班チーフの伊藤からも、スタッフ募集のお知らせです。

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 IWJでWeb関連の仕事を担当している伊藤です。

 ただ今、Web班では、個別記事のデザイン統一化や、カレンダーページのシステム構築にとりかかっておりますが、まだまだ発展途上、課題山積のため、Web班の人材を緊急補強したいと思います。

 日々の記事コンテンツのアップロード・更新・管理などWordPressによる作業を行いつつ、HTMLやCSS言語によるページデザイン変更、記事検索システムのさらなるバージョンアップ、また、中途となってしまっているスマホ対応などのWeb構築作業に当たっていただきます。Web作成の経験のある方でしたら、WordPressはあまり扱ったことがない方でも大丈夫です。

 週2日以上の出社が可能でしたら、フリーランスの方などで兼業も可能です。また、今のスキルに多少自信がなくても意欲の強い方でしたらOKですので、ぜひぜひ奮ってご応募ください。

<スタッフ募集フォーム>
http://bit.ly/1ALJypQ

■わとはぷ! のコーナー

 本日は新盆の最終日、7月13日にお迎えしたご先祖様の霊を送り出す「盆送り火」の日です。

 ご先祖様を供養し、家族の健康を祈りながら、今年は日本が平和であり続けられることを願う方が増えるのではないでしょうか。

 安保法案を衆院で強行採決した安倍政権ですが、この法案によって、多くの日本人を、そして世界の人々を不安にさせ、平和を願う人々の心を踏みにじっているのだということを、自覚してもらいたいと思います。

 もう一つ、2007年のこの日には、マグニチュード6.8、最大震度6強の新潟県中越沖地震が発生しました。死者10名、重軽傷者1700名以上という大きな被害が出るとともに、柏崎刈羽原発では地震の影響でホットラインがつながらなくなるなど、危機的状況に見舞われました。

 この震災を受けて、柏崎刈羽には免震重要棟が作られ、3.11の半年前には福島にも免震重要棟が設置されます。

 その当時のことを、新潟県の泉田裕彦知事は、周囲に止められながらも、「ここで黙ったら人類に対する犯罪だと思った」として免震重要棟を作り、福島にもできたことで、最悪の事態を免れたことを吐露。「もしその時に作っていなかったら、東京には人が住めなくなっていたかもしれない」と、2013年の岩上さんによるインタビューで答えています。

・2013/09/07 「福島ではどこが問題だったのか、社会的な意思決定、制度の問題も明らかにした上で改善しないと、我々人類の子孫は生存の危機に直面する」
~岩上安身による泉田裕彦新潟県知事インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/100574

 一方、川内原発では、ずさんな避難計画・被曝対策が明らかになり、高経年化審査も終了していないにも関わらず、近いうちに再稼働されるのではないかと言われています。

 戦争で犠牲になられた方、震災で犠牲なられた方々は、今の現状を見て、どのようにお感じになられるでしょうか。歴史から学ぶという意味を、送り盆の今日、改めて真剣に考えたいと思います。

 それでは本日も一日、よろしくお願いいたします。

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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