■■■ 日刊IWJガイド 2014.7.2日号 ~No.658号~ ■■■
(2014.7.2 8時00分)
中継担当の原佑介と申します。
七月になりました。寒がりの僕としては、夏到来、大歓迎、なのですが、なぜか、寒くて仕方ありません。鳥肌が立つほど、寒気を覚える夏を迎えたのは、あの方のおかげではないかと思います。
昨日、安倍内閣は臨時閣議を開き、これまでの憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認することを閣議決定しました。
閣議決定の直後に開いた会見で、安倍総理は、「集団的自衛権が現行憲法の下で認められるのかという抽象的・観念的な議論ではない。現実に起こりえる事態に現行憲法の下で何をなすべきかという議論だ」などと閣議決定を正当化しました。
その上で、あろうことか、またしても「邦人保護中の米艦の護衛」のためにも集団的自衛権の行使が必要だ、などと嘘八百の主張をしました。「現実的に起こりえない事態」のために、憲法解釈がねじ曲げられたのです。
海外の邦人を守ることはもちろん政府の重要な課題です。そうであれば、米艦に輸送してもらうのをあてにするのではなく、日本の政府が飛行機や船をチャーターし、邦人の退避に責任をもつ。それを自衛隊が護衛すればいいだけの話です。
そもそも有事の際に米艦で邦人が救出されるということは「ありえないケース」どころか、政府としては「あってはならないケース」でしょう。日本政府の失態なんですから。
さらに民主党・辻元清美議員は、米国政府はそもそも、日本だけでなく外国のどの政府に対しても民間人の退避の協力をしないことを明確にしていると、岩上安身によるインタビューの中で、そして国会の中で明らかにしています。つまり邦人を米艦に載せることは「やらない」と米国政府ははっきり断言しているわけです。「やらない」と米国がいっていることを前提にして安倍総理は、憲法をねじ曲げる口実にしているわけです。白昼堂々、何度も嘘をつく人間を見れば、鳥肌も立ちます。
※2014/06/20 集団的自衛権行使容認をめぐる安倍総理の「嘘」 米艦による邦人輸送を米国は想定せず ~岩上安身による辻元清美・衆院議員インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/147618
また、ほとんどありえない想定ですが、それでも万が一、米艦に乗った邦人を救出するという事態になったとすれば、その艦船の護衛は、個別的自衛権によって行うべきことです。このことはこの間、繰り返し多くの識者が指摘してきたことです。
元防衛官僚で現・新潟県加茂市長の小池清彦氏は、これについて「日本が米艦を守るのは『米艦に乗っている日本人』であって、米艦は『ついでに守る』だけ。日本国民に対する侵害は、日本の主権への侵害。したがって、日本への侵害だから、個別的自衛権を発動することになる」と冷静な分析をされています。考えてみれば当然の話です。このアーカイブも、オススメです。ぜひ、ご覧になってください。
※2014/06/18 集団的自衛権行使で日本は「赤紙で招集される時代に」元防衛官僚で現役の加茂市長が警鐘
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/147380
閣議決定に先立って行われた自民党の総務会では、村上誠一郎元行革担当大臣が「憲法改正が筋。解釈変更は認められない」と反対を表明したそうです。全員一致が原則の自民党総務会。にも関わらず、野田聖子総務会長は「賛成が圧倒的多数だ」として、了承を取り付けました。
外国特派員協会で行われた村上氏記者会見のIWJ記事は、facebookで17000件以上のシェアされ、twitterでは2500回以上つぶやかれています。僕が取材に行き、書いた記事なので拙いものではありますが、村上氏がどのような思いで集団的自衛権の閣議決定に反対したのか、ぜひ、今一度読み返してみてください。
※2014/06/27 集団的自衛権、「最終的には、徴兵制も視野に」 自民党・村上誠一郎議員が解釈改憲を真っ向批判
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/148766
官邸前では連日、閣議決定に反対する抗議行動が展開されました。官邸前だけでなく、全国で同様の抗議活動が行われました。特にこの二日間は大規模なもので、IWJはマルチチャンネルで全国から抗議の模様を中継しました。
僕も現場に行ってきましたが、4人のお孫さんを持つ女性が、集団的自衛権の行使によって若者たちが戦場に行くことになるのではないか、と危惧していたのが印象的でした。女性のお兄さんは、先の大戦のニューギニアの戦いで亡くなったそうです。
是非、抗議行動の模様も、ご覧になってみてください。安倍総理らは憲法を私物化しようとしていますが、多くの国民がそれを許していない、ということがとてもよくわかります。
※2014/06/30 「戦争反対」「憲法守れ」「安倍はやめろ」 7月1日閣議決定直前、官邸前で集団的自衛権反対の抗議
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/149563
※2014/07/01 「集団的自衛権行使容認反対!」 首相官邸前、閣議決定後も抗議の声やまず
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/149714
(後半へ続く)…
◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。
**2014.7.2 Wed.**
※7月から、東電会見は、月曜日と木曜日の週2回になります
【Ch3】10:30~「第15回原子力規制委員会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※「九州電力株式会社『川内原子力発電所保安規定変更認可申請』(1号炉の高経年化技術評価等)の審査状況について」など3議題が予定されている
※関連記事はこちら
→ 2014/06/25 適合審査に関する事業者側の姿勢に規制委が苦言~2014年度 第14回原子力規制委員会
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/148477
【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会の田中俊一委員長による定例会見
【IWJ_KYOTO1】16:30~「7.2安倍内閣による集団的自衛権行使容認を許さない緊急行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※公明党京都府本部へ申し入れ行動を行なう予定。主催は、「<戦争する国>への閣議決定 絶対あかん!市民デモ」
【録画配信・Ch1】20:00~「岩上安身による名古屋大・小川克郎名誉教授インタビュー 前半」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※6月14日に行なわれた小川克郎・名古屋大名誉教授へのインタビュー前半を、録画配信いたします。岩上さんが八ヶ岳の山荘まで足を運んで取材。「地球寒冷化」についてお聞きしました
…(前半の続き)
また、今日は「岩上安身による名古屋大・小川克郎名誉教授インタビュー」の前半を録画配信します。小川さんはもともと通産省(現・経産省)の官僚(技官)で、石油公団にいたこともある方。資源探索の現場に臨み、地熱エネルギーの専門家でもあります。
なんとこの小川先生は、地球温暖化議論を検証し、本当に温暖化しているのか、前提となる事実を検証する研究をチームを率いて三年間行った方なんですね。
そうしたらなんと、2003年から地球の気温は下がっていることが判明した、というのです! ビックリです! 僕が寒気がして鳥肌が立つのは、安倍総理のせいだろうけど、それだけでもなかったわけですね。本当に寒くなっているんだ。岩上さん、またすごい研究している先生を見つけて来てしまいました。
それだけではありません。小川先生は、「石油は必ず遠くない将来、枯渇する」とし、「それよりも早く枯渇するのはウランで、原発にも未来はない」と断言します。そして、数々の自分の体験から、「米国がいざ資源がなくなるという時に、日本に石油を回してくれるかというと、まったく当てにならない」と言い切ります。軍事だけでなく、資源エネルギー面でも、米国は依存してはいけない相手なのです。
その上で、安倍政権が米国にひたすら追従して、「集団的自衛権行使容認」に踏み切る理由について、「米国についていく限り、石油をもらえると思っているからだ」と喝破されました。
資源外交の裏表の現実を肌身で知る小川氏。「米国がいざとなったら助けてくれる」などという期待は「おとぎ話」だということがわかります。是非、ご視聴ください。
※ 7月2日18:00~岩上安身による名古屋大・小川克郎名誉教授インタビュー 前半
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※【岩上安身のツイ録】資源外交の現実 不良鉱区をつかまされていた日本~小川克郎・名古屋大学名誉教授の取材を終えて
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/146930
閣議決定はされましたが、さらに自衛隊法などを細かく変えなければ、集団的自衛権の行使などできません。秋の臨時国会では、戦争関連法の改正が大きな焦点となるでしょう。IWJは、今日からまた、全力でこうした重要情報を発信し続けます。
何が閣議決定だ! 身内だけで行われた「安倍劇場」には何ひとつ正当性などない、ということを突きつけていく所存です。超全力で。
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