【岩上安身のツイ録】資源外交の現実 不良鉱区をつかまされていた日本~小川克郎・名古屋大学名誉教授のインタビューを本日20時から2夜連続配信! 2014.7.1

記事公開日:2014.7.2 テキスト
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※ 本日20時から、岩上安身による小川克郎名古屋大学名誉教授インタビューを2夜連続で配信します!
小川教授は、地表の気温の観測データを正確にとらえ直す研究をし、「地球は2003年から寒冷化している」と指摘!その真実をインタビューで詳しく解説しています!
※ 以下、6月14日の岩上安身の連投ツイートを加筆修正して再掲します。

 小川克郎名古屋大学名誉教授の取材、終了。地球温暖化の話をメインに聞きに行ったのだが、もともと通産省(現・経産省)の官僚(技官)で、石油公団にいたこともある方。資源探索の現場に臨み、地熱エネルギーの専門家でもある。そちらの話も非常に興味深かったが、収録しきれなかった。

▲小川克郎氏

 小川氏が明かしてくれた、資源外交の現実。石油公団にいた頃の話。日本が莫大な金額を払い、某中東の石油鉱区を買ったというニュースが、新聞各紙の一面トップに載ったことがあった。有料鉱区を買い付けた、これで日本も資源一流国の仲間入りだと万々歳の論調。ところが、、、

 あるドイツ人から「日本はあの鉱区の鉱区評価をしているのか?」と聞かれた。「していない。そもそも石油公団は鉱区評価をしたことがない」と答えると、驚かれて、「日本は、不良鉱区をつかまされたな」と言われたという。その鉱区の価値は日本が払った金額の3分の1の価値もないのだ、という。

 ドイツは鉱区を買うなら自前で鉱区評価を徹底的にやる。その鉱区が空鉱区であることは、某国政府だけでなく、第三国の国々にも知られていた。日本だけが知らなかった」と小川氏は語る。日本はカモにされたのだ。それにしても、なぜ日本は自ら鉱区評価をやらなかったのだろうか?

 「日本には技術力がないからです」と、小川氏は当たり前のように言う。「日本は技術がないので、外国に頼っていた。だが、外国は本当のことは言わない。フランスなど、どこにあるかわかっていても違うところを指し、本当にある場所は言わない」。

 日本はコロコロ騙されていた。技術力だけでなく外交力も欠いていた、というわけだ。その鉱区評価を自分がやると引き受け、小川氏はその中東の某国に行き、一年かけて調べた。わかったことは、鉱区の中に石油がないわけではない、ということ。だが、鉱区の南側にあり、それは鉱区外に流れていた。

 地中で傾斜がある場合、上方に向かって流れていくことがあるのだという。ピンチアウトという現象だという。日本が買った鉱区の内側にあった石油は隣接した鉱区に流れ、吸い上げられていた。その隣接鉱区を所有していたのは米国。もちろん、米国も某国も、この事実をわかっていたという。

 わかっていて、日本に不良鉱区をつかませ、相場の数倍の値段をふっかけていたのだという。米国も産油国も、日本をカモにして高値で売りさばくのに成功し、笑いをこらえるのに必死だったろう。

 これが、資源外交の現実である、という。日本が不良鉱区をつかまされたのは一度や二度ではない。「莫大な税金がただただ無駄に流れていった」と小川氏は言う。

 小川氏は、「石油は必ず遠くない将来、枯渇する」と言い切る。「それよりも早く枯渇するのはウランで、原発にも未来はない」とも。そして、数々の自分の体験から、「米国がいざ資源がなくなるという時に、日本に石油を回してくれるかというと、まったく当てにならない」と断言する。

 「日本がやらなくてはならないことは、徹底した省エネと、農業を大切にして、食料自給率を高めること」と、小川氏は、自分自身が八ヶ岳に山荘と畑を購入して農業を営んでいる理由を説明した。

▲小川氏のご自宅

 安倍政権が米国にひたすら追従して、集団的自衛権行使容認に踏み切る理由のひとつは、米国についていく限り、石油をもらえると思っているからだ、という。だが、資源外交の現実を肌身で知る小川氏の話を聞いて、「米国がいざとなったら助けてくれる」などというおとぎ話を信じる人間は、よほどのお人よしか、頭の中が「お花畑」の人だけだろう。

 日本は足元を見すかされている。先日、インタビューした経産省の藤和彦氏は、「日本の業者は米国内でシェールガスの不良鉱区をつかまされて、大金を失い、撤退している」と語った。同じことがずっと繰り返されているのだ。

 LNGは世界一の高値で買わされている。米国の原子力産業の儲けにつながる原発は「やめるな」と米国から圧力がかかる。あげく石油を運ぶ海上の海・シーレーンの防衛のためにも、自衛隊を出せ、集団的自衛権の行使をしろ、そのためにも最新鋭の兵器を買え、と、米軍需産業のいいカモにもされている。

 だが、米国はいざという時に日本を守らないし、日本の民間人を輸送することなぞ絶対にないし、石油を分かち合うこともない。高値で不良鉱区を売りつけてボロ儲けをするのが、米国なのである。

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「【岩上安身のツイ録】資源外交の現実 不良鉱区をつかまされていた日本~小川克郎・名古屋大学名誉教授のインタビューを本日20時から2夜連続配信!」への2件のフィードバック

  1. 清沢満之 より:

    どうしようもない国だな、日本は。
    不良鉱区をつかまされない技術とやらは、今の日本ではどうなっているのか。その辺りを知りたい。                                   

  2. @bouchukanさん(ツイッターのご意見より) より:

    石油公団は日本以外の全ての国が「無価値」と知っている鉱区を自前で調査もせず、クズに莫大なカネを支払い騙され続ける(笑いを堪える外国)。
    石油よりも早く枯渇するのはウランで、原発にも未来はない

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