2010年9月14日(火)14時より、東京都港区のザ・プリンス パークタワー東京にて、民主党臨時党大会が開かれ、党代表選挙が行われた。小沢一郎候補、菅直人候補がそれぞれ決意表明演説を行った。そして、全議員が投票を行い、その場で開票、集計され、菅総理が、代表に選出された。
(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)
2010年9月14日(火)14時より、東京都港区のザ・プリンス パークタワー東京にて、民主党臨時党大会が開かれ、党代表選挙が行われた。小沢一郎候補、菅直人候補がそれぞれ決意表明演説を行った。そして、全議員が投票を行い、その場で開票、集計され、菅総理が、代表に選出された。
■ハイライト
冒頭、奥村大会実行委員会事務局長が、党大会の議長に、高木義明衆議院議員を推挙。大会を宣言し、大会実行委員長の小平忠正中央代表選挙管理委員長が登壇、代表選の流れを説明した。なお、最終の党員・サポーター有権者数は、34万2,493名。地方自治体議員党員有権者は2,382名、国会議員有権者は411名と、報告。次に、進行を、大石尚子中央選管委員に任され、小沢議員、菅議員のスピーチに移った。
小沢議員が、代表選出馬のスピーチをした。冒頭、これまでの自分の騒動を陳謝した。そして、最後まで、出馬へいたる迷いがあり、国民の生活を守るため、また、この混乱したときに、今、政治を変えなければ間に合わない、という強い想いが、出馬へ決心させた。また27歳で、政治家になり、自民党での閣僚経験をえて、官僚政治から政治主導にしなければならない。官僚無用論ではなく、政治家が最後に責任をとる政治をする、などと述べた。
続いて「政権交代が実現したのも、こんな日本を変えてくれ、という国民の付託で、政権交代を成し遂げた。自分には、地方が活力を取り戻し、和を尊び、自立した豊かな国家を再建したい、という夢を持っている。そのためには、地域経済の独立、日米関係の平等な協力関係、漁業、農業の個別所得保障制度、外交でもEPA、FTAでの経済協力体制、東アジア共同体の推進など」と政策を語った。最後に「同志の皆さんとともに、日本を『官僚の国』から『国民の国』へと立て直し、次の世代にたいまつを引き継ぎたい」と語り、スピーチを終えた。
次に、菅代表候補が登壇した。「経済情勢厳しいなかの、代表選に批判もあった。しかし、たくさんの声や意見を聞き、国会議員が、国民の声を反映させることこそ、議員制民主主義だと改めて確信を持つことができた。また、志半ばで、命を落とした、石井紘基さん、山本孝史さんなど、政権交代を目にすることなくこの世を去っていった仲間のことを思うと、この民主党の原点とも言うべき、世の不条理に立ち向かう精神、を忘れてはならない」と話した。
「新人議員でかかわった丸山ワクチン。それから土地問題、薬害エイズ訴訟。それは、自民党一党独裁への挑戦も、一部の者のために多くの人が、不利益を受けることは決して許されない、という思いが自分の原動力になっていた。また、民主党の原点は、すべての国民が参加できる参加型民主主義であり、これを支える自由闊達な議論だと確信している。また、民主党議員全員で政治主導を実現する、412人内閣をつくり上げたい。デフレ脱却、雇用を立て直しなど、経済復興のためには、新成長戦略の実行が重要だ。20年におよぶ閉塞状況を打ち破り、日本の「国のかたち」を指し示し、元気な日本を復活させる」と抱負を語り、スピーチを終えた。
次に投票の準備の後、投票方法を津島中央選管委員が説明した。衆議院議員305名、参議院議員106名順で、氏名五十音順で投票する。投票の後、小平中央選管委員長が投票結果を発表。「全国300小選挙区における獲得ポイントを集計した結果、小沢一郎候補 51ポイント、菅直人候補 249ポイント。地方自治体議員有権者の投票結果は、小沢一郎候補 40ポイント、菅直人候補 60ポイント。国会議員有権者による直接投票の結果、小沢一郎候補 400ポイント、菅直人候補 412ポイント。小沢一郎候補 491ポイント、菅直人候補 721ポイントで、菅候補者が代表に決定」と開票報告がされ、菅代表が決定した。「約束したように、ノーサイド」と菅新代表が挨拶し、党大会は閉幕した。