「漏洩の可能性がないか何度も事前に確認しなかったのは、本当に反省している」~汚染水が漏洩する可能性の事前認識について東京電力廣瀬社長が謝罪 2013.4.17

記事公開日:2013.4.17取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部)

 福島第一原発での汚染水漏えいについて、東京電力の廣瀬社長が改めて謝罪した。

 2013年4月17日(水)13時より福島第一原子力発電所の対応拠点となっているJヴィレッジにて、東京電力廣瀬社長による記者会見が行なわれ、会見の冒頭で頻発する汚染水漏洩問題について謝罪。処理状況の現状と今後の対応策を報告した。先日報道された地下貯水槽シートの信頼度に関する事前認識の有無について改めて問われると「漏洩の可能性がないか何度も事前に確認しなかったのは、本当に反省している」と述べた。

■Ustream録画※Ustream動画サービスは終了しました。現在、他の配信方法に変更中です。今しばらくお待ち下さい。
・1/2(12:28~ 45分間) 31分50秒~記者会見開始

・2/2(13:15~ 51分間)

  • 内容 汚染水処理の進捗状況および電気設備対策について
  • 会見者
    廣瀬直己 福島第一信頼度向上緊急対策本部 本部長
    山口博 福島第一信頼度向上緊急対策本部 副本部長
    石崎芳行 福島第一信頼度向上緊急対策本部 副本部長

福島県のJヴィレッジで行なわれた会見において東京電力の廣瀬社長は「事故から2年が経って、大変なご迷惑、ご心配、ご不便をおかけしている中でトラブルが続いていることを本当に申し訳なく思っております。申し訳ございませんでした」と挨拶し、深々と頭を下げた。

 注目されている地下貯水槽からの汚染水移送状況は、移送が始まっているNo2は来週で完了する予定。No1はゴールデンウィーク中に移送を目指し、No3とNo6に関しては6月はじめには移送を完了させる計画であると発表した。廣瀬氏は移送作業を慎重に進めつつも、少しでも計画を前倒しにしたいという考えも明らかにした。

 汚染水の移送に加え東電は、新たな環境への影響を出さないためにボーリング調査を行い海側にある井戸の水をモニタリングしている。現在までに7か所の井戸で調査を行い、すべて検出限界値以下という結果が出ている。今後は地下貯水槽No1、2、3の周囲に22箇所の穴を掘って観測していく方針も示した。

 先日、一部メディアで報道された地下貯水槽シートの信頼性における東電側の事前認識について社長として改めて意見を求められると、廣瀬社長は「漏洩の可能性がないか何度も事前に確認しなかったのは、本当に反省している」と釈明。また費用面において、地上に作るタンクよりも安価であるという理由で地下貯水槽が採用されたのではないかという質問に対しては「地下貯水槽というアイディアは、限られた場所を有効活用するためのもので、費用を抑えられるからという理由で採用されたものではない」と述べ、地下貯水槽を設置した理由はあくまで立地条件によるものであることを強調した。

 今後使用を中止すると発表された地下貯水槽の代用案として、東電は地上タンクを設立することで汚染水の移送に対応するとしているほか、5号機や6号機を予備の移送先として検討している。5号機や6号機に使用は優先順位としては低いとのことだが、いざとなった場合には塩分を取り除いた水を注入するとした。これは再稼働や廃炉に影響を与えないための措置であり、塩分によって原子炉が使用不可能になってしまうという意味ではないとの説明も付け加えた。

 また、汚染水漏洩の原因は未だ明らかになっておらず、現時点での最優先事項は地下貯水槽から汚染水を抜き取る作業であるとの考えを示し、今後は汚染水処理対策委員会などと協力して問題解決に邁進していくとの姿勢を明らかにした。

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