いわきの初期被曝を追及するママの会「いわき市長への公開質問状の提出」 2013.2.27

記事公開日:2013.2.27取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部/奥松)

 2013年2月27日(水)13時より、福島県いわき市のいわき市役所で「いわきの初期被曝を追及するママの会『いわき市長への公開質問状の提出』」が行われた。原発事故後、真っ先に安全宣言が出され、安心安全と言われてきたいわき市が、実は放射性ヨウ素131の影響を受けていたということが、1月12日のNHKの番組内で明らかにされた。これを受けて、いわきの初期被曝を追及するママの会の母親たち約10名が市役所を訪れ、市長に対する公開質問状を提出した。

■全編動画

  • 日時 2013年2月27日(水)13:00~
  • 場所 いわき市役所(福島県いわき市)

 今年1月12日に放送された『NHKスペシャル シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく』において、2011年3月14日から15日にかけてと、3月21日に、いわき市上空を高濃度プルーム、ヨウ素131が通過していることが取り上げられた。放送後は、市内の母親たちの間で大変な衝撃があったという。

 この日、公開質問状を市の保健福祉部の担当者に手渡したのは、いわきの初期被曝を追求するママの会代表の山崎初美氏。山崎氏は、市の担当者に握手を求めた後、公開質問状を読み上げた。

 質問状では、「復興のため、風評被害払拭のため、いわき市は安心安全であるとアピールすることによって、子どもたちの健康問題や対策が後回しになっている」と指摘。特に、次の5項目について、3月18日までに、渡辺敬夫いわき市長の回答を求める、という。(以下、5項目の一部を抜粋)

「原発事故後、いわき市は安定ヨウ素剤を備蓄していながら、なぜ、独自の判断で配ることをしなかったのか」

「2011年3月末に行われた小児甲状腺サーベイで、いわきの4歳児の被曝が最高値であったという結果が出ていたにもかかわらず、早くから安全宣言を出し、初期被曝の事実を広く知らせることや、さらなる被曝を避けるための防護を、呼びかけることをしてこなかった理由」

「子どもの未来を守るための対策は保護者の判断に委ねられ、それによって『気にしている家庭の子ども』という特別な立場に立たされ、辛い思いをしている子どもが居る。それは子どもへの人権侵害であり、初期被曝の事実を認め、行政がきちんとしたガイドラインを設け、子どもの未来を守るため、いわき市独自の対策を打ち出すべきではないか」

「いわき市は土壌の調査が進んでおらず、具体的にどこが危険なのか、どんな核種が存在しているのか分からない。早急な土壌調査、継続的な除染を行い、調査結果を広報するべきではないか」

「大人に比べて、放射能に対する感受性が強いと言われる子どもの細胞の修復のため、定期的な保養が必要。学校、学級単位等での、サテライト保養の体制づくりを」

 市の担当者は「この思いをしっかり受け止め、事実確認をして対応する」と述べ、「市長と直接話をすることは可能か」との質問には、「公開質問状への対応については、これまでの例も考慮しながら、また、市長の日程の問題もあるので、検討して後日文書で回答する」と答えた。

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