公職選挙法とインターネット(「IWJ通信」12月9日号 巻頭言より) 2012.12.9

記事公開日:2012.12.9 テキスト
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(岩上安身)

 いつもIWJをご支援いただき、本当にありがとうございます。

 2012年12月9日現在の会員数のご報告です。

 全有効定額会員数4538名(サポート会員1006名、一般会員3532名)

 新たに会員になられた方々、これまで会員を継続されて支えてくださった方々、寄付・カンパをなさってくださった方々、心から感謝いたします。年末まで、あと22日、目標の5000人まで、あと462人。会員登録がまだの方はぜひご登録いただき、ご支援をよろしくお願いいたします。ご登録はこちらからhttp://iwj.co.jp/join/

 2012年12月2日(日)、シネマトークカフェinTOKYO「誰も知らない基地のこと」を開催しました。上映後のトークでは、拡大を続ける米国の軍事費と軍産複合体の実態について、具体的な数値や資料、論文をパワーポイントで紹介しながら、米国の世界戦略を読み解きました。

 なかでも、石原慎太郎「日本維新の会」代表が、東京都知事在任中、尖閣諸島の購入宣言をした場所が、アメリカの保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」であったという事実は重要です。「ヘリテージ財団」は、11月に発表したレポートの中で、石原氏の発言をきっかけに対日ナショナリズムが高揚したこの現状を、米国にとって「致命的かつ重要な政治目的を達成する絶好の機会」と主張しました。石原氏は、米国に利用されたのではないか、との疑いがぬぐえない。先週のIWJ通信でもお伝えしたように、私は自由報道協会の記者会見で、石原氏に、この件について、筋書きがあったのではないかと質問しました。

 この会見については、私がレギュラー出演している文化放送「夕やけ寺ちゃん活動中」とMXテレビ「ニッポン・ダンディ」で取り上げ、解説しました。詳細は、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」で一挙公開します。是非、ご購読ください。お申し込みはこちらから http://www.mag2.com/m/0001334810.html

 これまでシネマトークカフェでは、「シッコ」「モンサントの不自然な食べ物」「フードインク」「コーポレーション」を取り上げてきました。医療の問題、食の問題、安全保障の問題。これらはいずれも、TPP、そして米国の対日戦略と地続きです。今後も、様々な映画作品を取り上げ、隠された米国の思惑を読み解いていきます。ご期待ください。

 2012年12月4日(火)、衆議院選挙が公示をむかえました。IWJは、地方の中継市民の皆さんのご協力のもと、各党の党首クラスの第一声を中継しました。福島からは自民党安倍晋三総裁と日本未来の党嘉田由紀子代表、大阪からは日本維新の会石原慎太郎代表と橋下徹代表代行、兵庫からは新党日本田中康夫代表、千葉からは公明党山口那津男代表、神奈川からは社民党福島みずほ党首、東京から民主党野田佳彦代表の演説を、それぞれ中継しました。配信予定や各選挙区の状況、選挙関連のニュースは、ツイッターのIWJ選挙特報アカウント@iwj_senkyoでお伝えしています。選挙に関する情報も募集しています。iwj_senkyo@gmail.comまでお寄せください。特集ページ「2012.12.16 IWJ選挙完全報道プロジェクト」も近々オープン予定です。そちらもご期待ください。

 日本維新の会の橋下徹代表代行が公示以降もツイッターの更新を行うなど、公職選挙法とネットの関係が注目を集めています。そこで2012年12月6日(木)、緊急企画として、梓澤和幸弁護士と田中隆弁護士に、「ネットの自由と公選法」をテーマにお話をうかがいました。両弁護士の見解は、選挙期間中だからこそ、市民は政治と政策についておおいに議論すべし、というものでした。

 ポイントは4つにまとめられます。

  1. 特定の候補、特定の政党に投票しようとか、投票しないようにとか、具体名を挙げて呼びかけないこと。
  2. 政治理念や思想、政策や公約については、大いに議論するのも、批判するのも、ネットで発信するのも、ビラやチラシを配布するのも、演説や講演やデモや街頭抗議も問題無し。談論風発、大いにやるべき。ただし、特定政党を名指し、投票に行くよう同時に呼びかけないこと。
  3. 投票に行こう、という呼びかけや、呼びかけのチラシの配布は、大いにやってよし。
  4. 一枚のチラシに、「脱原発」とか「改憲反対」といった政策テーマと投票への呼びかけを併記するのは微妙。だが、政策テーマのチラシとは別に投票に行くよう呼びかける別のチラシを同時に配るのは構わない。

 以上の4点について、IWJでは分かりやすくまとめたハイライト動画を作りました。是非、ご覧下さい。http://iwj.co.jp/wj/open/archives/43610

 公職選挙法に対して、市民の議論や活動、そして報道は萎縮すべきではありません。公示以降も、首相官邸前では、首都圏反原発連合による抗議行動が行われています。抗議行動は確かに政治活動です。しかし、梓澤弁護士と田中弁護士が示したポイントに照らすと、この抗議行動は公職選挙法違反にはあたりません。その観点から、IWJは、全国各地の候補者の選挙活動を中継すると同時に、市民の抗議行動も、引き続き中継していきます。

 2012年12月7日(金)17時18分頃、三陸沖、深さ約10kmを震源とするマグニチュード7.5、最大震源5弱の地震が発生しました。東京のIWJ事務所でも大きな揺れを感じました。3.11以降、最大の余震です。原発の状況に関しては、東京電力が福島第一・第二原子力発電所の異常がないこと確認、けが人もなく、海側で作業している作業員を高台に一時退避させたと発表しました。懸念されるのは、福島第一原子力発電所4号機の状況です。4号機の使用済み燃料プールには、広島に落とされた原爆の5000発ぶんのウランが沈んでいます。建屋が地震により崩落すれば、決定的な被害が出ます。原発の状況は、引き続き注視していく必要があります。

 2012年12月8日(土)は、茨城で今年最後のトークカフェ。前日の地震は、茨城でも大きな揺れを感じたとのこと。茨城は、かつて臨界事故が起こった東海村を抱える地。参加してくださった方から、口々に不安だとの声を聞きました。この日は、トーク後の懇親会も含めて、終了したのはなんと午前四時。大変な盛り上がりとなりました。トークカフェ、シネマトークカフェは、来年も引き続き行います。是非、ご参加ください。

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 2012年12月16日の、東京都知事選と衆院選のダブル投開票、そして、23日の響宴IIIに向け、私とIWJスタッフは、日々、全力投球しています。IWJはこれからも、市民に直接支えられるメディアとして、市民が必要とする情報をお伝えしていきたいと思います。今後ともご支援をお願いいたします。

岩上安身 拝

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