「憲法はこの国の在り方。何を大切にするか、どこを目指すのか、在前提が一致していなければ議論にならない」――。
2017年10月18日午後2時から、立憲民主党公認候補・池田真紀氏(北海道5区)が新札幌駅前で街宣し、支持を訴えた。池田氏は2016年4月の衆院補選で、無所属の「野党統一候補」として激戦を演じたものの、惜敗。しかし、全国に先駆けて「野党共闘のシンボルとして、全国から大きな注目を集めた。今回も補選同様、自民党・和田義明候補との事実上の一騎打ちで、かなりの接戦が伝えられている。
選挙戦も終盤。新札幌駅前で多くの支援者に迎えられた池田氏は、声を枯らしながら、安倍政権下で進められた社会保障の切り下げや農家への戸別所得補償制度の廃止、年金カット法の強行可決などを批判。「着実に自己責任社会に向かっている」と警鐘を鳴らし、「これは財源論ではなく、自民党が『自己責任社会』を進めているということだ。私は、誰ひとり置いてけぼりにしない、すべての人が安心して暮らせる社会の仕組みを作りたい。今の政治に届いていない声を政治に届けることが私の役割だ」と力強く訴えた。
また、安倍総理が、憲法改正で自衛隊の存在を明記すると提唱していることについて、「9条を変えるというが、憲法は1条ずるぶつ切りで議論できるものではない」と主張。「憲法はこの国の在り方。平和を目指すのは、戦争する可能性がある国に向かうのかで大きく違う。国の在り方の前提が一致していなければ議論にならない」と批判した。
街宣後はIWJのインタビューに応え、選挙の焦点となっている憲法改正について、「今の憲法の下でさえ人権損害があるのも確か。そんな状況の中で、憲法改正の議論はできない」と強調。「自民党改憲草案は、憲法を国民が守らなければいけなくなる。憲法は国民を守るために権力者を縛るものだが、それが逆転する。非常に恐ろしい」と指摘した。
立憲民主党の支持率が伸びていると報じられているが、池田氏によると、「立憲民主党はできたばかりで、まだ名前は全然知られていない」という。
支援者のひとりはIWJの取材に、「昨年の衆院補選と違い、今回は無所属ではないが、立憲民主党の公認候補であることで知名度アップにつながっているかといえば、そんな実感はない」と厳しい見方を示し、「補選から変わったことと言えば、池田候補が補選後も地道に団地などをまわったことで、『池田真紀』の名前が前回の補選よりも広く知られていることだ」と話した。