横浜市長選で林文子氏の応援に駆けつけた民進・山尾志桜里議員の「山尾ショック!」について伊藤大貴候補選対本部長・真山勇一参議院議員を直撃!~「こんな党じゃ政権なんて取れない」 2017.7.30

記事公開日:2017.7.31 テキスト
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(取材:城石裕幸、文:ぎぎまき)

 「山尾ショック」とでも言うべきか――。

 横浜市長選が終盤にさしかかった2017年7月27日、「カジノ推進」、「育鵬社教科書採択」、「公立中学の給食なし」を進めてきた現市長・林文子候補の選挙カーの上に立つ弁士、民進党・山尾志桜里衆議院議員の写真がSNS上を駆け巡った。

 山尾議員といえば元検事としての手腕を発揮し、「共謀罪」法の国会審議で法務大臣や安倍総理を厳しく追及。法律の抜け穴をつき、杜撰な立法事実を浮き彫りにしたことは記憶に新しい。4月10日の岩上安身によるインタビューでも法律の問題点を詳しく解説し、一般人も処罰の対象になる危険性を訴えた。

 4月6日の審議入り以降、切れ味するどい質疑者として世間の注目を集めてきた山尾議員だが、同じ時期に、その陰で「民進党待機児童対策プロジェクトチーム」の事務局長をつとめ、政府が今年3月に示した緊急的施策に目を光らせながら、省庁から随時ヒアリング、保育や子育ての識者を呼んで意見聴取するなど地道な活動を続けていた。

 国会で「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログを取り上げて以来、保育園に子供を預けることができない子育て中の親からは特に高い期待を寄せられていた山尾議員なだけに、今回、学校給食を後回しにしながら、カジノ推進には熱心に取り組む林候補の応援に回ったことは、子育てで苦労を重ねているママたちの中には「裏切り」として受け止める声もある。

 党のプロジェクトチームで山尾議員はかねがね、「隠れ」待機児童数を含めた実態把握に務めるため、全国統一の基準で集計するべきだと政府に訴えてきた。待機児童数の算出方法が自治体によって異なれば、保護者を大きく惑わせることになるからだ。事実、待機児童「ゼロ」をうたう自治体にわざわざ引っ越した世帯が、希望した保育施設すべてに断られるという最悪のケースも起きた。

 その自治体とはどこか? 横浜市である。

 横浜市の待機児童数は2010年、全国最多の1552人だったが、林氏が市長に就任してから、2013年4月1日には待機児童数「ゼロ」を達成したと発表。しかし、この数にはカラクリがあり、横浜市が従来の「待機児童」の定義を変更したからにすぎず、「ゼロ」は幻の成果なのだ。今年、2017年4月も横浜市は待機児童数「2人」と公表しているが、「育休中」や「求職活動休止中」などの「隠れ」待機児童数を含めるとその数は3259人にまで膨れ上がることがわかっている。

 だから山尾議員は保護者たちが困らないよう、「全国統一の基準」を訴えてきたのだ。しかし、その山尾議員が、今回の市長選挙では、カラクリの数字をはじき出した張本人である林氏の応援に回った。

 待機児童の問題だけではない、林市政は、学校給食法第4条で義務教育では「給食が実施されるように努めなければならない」と定められているにも関わらず、いまだに公立中学校の給食導入を「家庭弁当が基本」などとし、後回しにしている。お隣り川崎市では、アンケートを実施し、約8割の保護者が給食の導入を希望。給食の試行を開始し、来年1月からは段階を踏んで、完全給食に移行することになっている。

 それだけではない、民進党は党としてカジノ誘致に反対しているが、林候補は積極的なカジノ推進派だ。また、林市政のもと、「愛国心」を育てる内容の記述に傾き、歴史修正主義的と批判されている育鵬社の教科書が、全国最多校数で採択されているという。横浜は歴史修正主義教育の最大の巣なのだ。それを主導しているのが、林市長なのである。

 そんな林候補を自民党が応援する理由は十分に理解できる。横浜市はカジノ誘致に前向きな菅義偉官房長官の地元でもある。加計学園問題疑惑で信頼を失い、支持率が急落している中、菅氏本人は林候補の応援でマイクを握ることができなかったが、そこまで追い込まれている与党に対して、山尾議員はわざわざ助け舟を出すかのように、応援演説に駆けつけたのである。

 7月29日、IWJは横浜駅で伊藤大貴候補の選対部長をつとめる、民進党・真山勇一議員に「山尾ショック」について聞いてみた。真山議員は、一週間前に山尾事務所から伊藤候補の応援要請を断られた経緯を明かし、民進党の党としてのガバナンスを批判。「こんな党は絶対、政権なんて取れない」と駄目出しもした。

 9月に行われる予定の代表選で、民進党は再起が図れるのか、はなはだ疑問である。

 以下、真山勇一議員のインタビュー内容を掲載する。

▲横浜市長選 伊藤大貴候補選対本部長・真山勇一 参議院議員(民進党)(2017年7月29日)

記事目次

愛知出身の山尾議員は「トヨタとか労働組合の関係で連合との関係が強い」

——今回の山尾さんのショックというのは…

真山氏「ショックです、ショックです」

▲山尾志桜里 衆議院議員(2017年4月10日)

——今回、民進党は自主投票でしたよね?

真山氏「民進党は、今回自主投票」

——山尾さんは連合との関係で林さんを応援されたんですか?

真山氏「たぶんね。言われてるのは、山尾さんって愛知でしょ。トヨタとか、そういう労働組合の関係で連合との関係が強いのが一つと、それからやっぱり牧山さん(牧山弘恵参議院議員・民進党神奈川県連副代表)が、今回林さんについた。ということで、女性っていうことで、たぶん、頼まれて断りきれなかったのかな、とは思いますけど。ただ連合の神奈川がね、林さん(の応援)についちゃってるから、たぶんもう、そういうことで来いって言われて来ちゃったんじゃないかなぁと思うんですよ」

▲林文子 横浜市長選候補(現職)(2017年7月29日)

「自主投票」としながら林市長だけを応援…山尾議員は真山議員からの伊藤候補の応援要請を断っていた!

真山氏「で、来てみたら、終わったら、あまりの反応の凄さ(山尾氏に対する批判の大きさ)に、たぶん彼女(山尾氏)びっくりしちゃってるんじゃないかと思うんですよね。だってそりゃあそうですよ、やっぱり。自主投票なのに、あれだけの地位の、かつてのね、政調会長までやった方だったら、『自主投票』っていった場合は、普通両方に行くんですよ、平等に。そうすれば問題ないわけですよ。

 僕がなんで頭にきてカンカンになったかっていうと、僕は一週間以上前に、山尾事務所に電話して、『伊藤大貴、応援に来てくれないか?』って申し込んだんですよ。そうしたら、『今回は申し訳ないけど応援に行かれない』って断られた。断られたから、しょうがないなって思ったら、そしたらその途端に林さんの応援してるわけでしょう。だからたぶん、片一方(林候補)はもう予定、立ってたと思う」

▲伊藤大貴 横浜市長選候補(2017年7月29日)

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