やはり「負担軽減」などまやかしに過ぎなかったのか。辺野古新基地建設をめぐり、政府がついに馬脚をあらわした。
共謀罪の強行成立や加計学園文書の再調査結果の公表と重なり、ほとんど注目されなかったが、6月15日の参院外交防衛委員会で稲田朋美防衛相が、辺野古新基地建設後も普天間飛行場が返還されない可能性があると認めた。民進党・藤田幸久氏の質問にこたえての答弁である。
(記事・原佑介 文責・岩上安身)
やはり「負担軽減」などまやかしに過ぎなかったのか。辺野古新基地建設をめぐり、政府がついに馬脚をあらわした。
共謀罪の強行成立や加計学園文書の再調査結果の公表と重なり、ほとんど注目されなかったが、6月15日の参院外交防衛委員会で稲田朋美防衛相が、辺野古新基地建設後も普天間飛行場が返還されない可能性があると認めた。民進党・藤田幸久氏の質問にこたえての答弁である。
記事目次
2013年に日米が合意した「普天間飛行場の返還条件」には、普天間飛行場機能のキャンプ・ シュワブへの移設の他に、交通渋滞の発生を回避するためのインフラ整備や、KC120空中給油機の岩国飛行場の本拠地化、そして、民間空港の使用を想定した「緊急時の民間施設の使用」などが含まれている。
民進・藤田議員は、「緊急時の民間施設の使用」について、「現時点で具体的な内容が決まっていないため米国側と調整していくというが、米国側との調整が整わなければ普天間基地は返還されないということで間違いないか」と質問。稲田防衛相は「このようなことがあれば返還条件が整わず、返還がなされないということになる」と断じ、米国との調整次第では、辺野古新基地の建設後も普天間飛行場は返還されないと明言した。歴代の防衛相の中で、このように明言したのは稲田大臣が初めてである。
もともと普天間飛行場の返還計画は95年の「沖縄米兵少女暴行事件」に端を発しており、日本側の強い抗議に米軍が応える内容だったはずだ。それがいつの間にか、普天間飛行場を返還するもしないも、事実上、米国のさじ加減ひとつになっていたのである。
「返還条件」は全部で8つあり、現在満たしているのはわずかにひとつだけ。政府はこれまで「5年以内の返還」「危険除去」「負担軽減」といった説明で辺野古新基地建設を正当化しようとしてきたが、すべては県民を騙すための虚言だったのだ。
翁長雄志知事は一昨日5日の県議会で、返還条件に「緊急時の民間施設を使用」が含まれていることについて、「(米軍には)絶対に那覇空港を使わせない」と釘を刺した。
(…会員ページにつづく)