【国会ハイライト】籠池夫妻が政治家に口利きを求めていたと共産党・小池晃議員が暴露! 直後に鴻池祥肇元防災相「紙封筒を差し出されたが突き返した」と緊急会見で弁明~「極右学校法人の闇」第24弾! 2017.3.3

記事公開日:2017.3.3 テキスト
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(文:城石エマ)

 国有地の破格値での払い下げをめぐる森友学園問題で、ついに政治家の関与をうかがわせる決定的ともいえる証拠が出てきた。

 2017年3月1日の参院予算委員会で、日本共産党の小池晃議員は、「ある自民党国会議員事務所の面談記録」を手に、財務省や安倍総理を追及した。小池議員の手に入れた面談記録には、「8年間は借地にてその後購入とできないか」「上から政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい」「土地価格の評価額を低くしてもらいたい」などといった、森友学園理事長の籠池泰典氏と近畿財務局との生々しいやり取りが記されていた。

▲小池晃議員

▲小池晃議員

 価格交渉をめぐっては、2月24日の衆院予算委で日本共産党の宮本岳志議員が質疑に立ち、2015年9月4日の午前10時から12時の間に、近畿財務局9階の会議室で、近畿財務局と森友学園側が売買価格の交渉を行なったという具体的事実を突きつけ、追及を行っていた。それに対し小池議員は、官僚と森友学園側との接点とは別に、森友学園と名前は伏せつつも政治家との接点を明るみにし、しかも具体的な交渉記録を突きつけた。

 小池議員が文書を読み上げると、安倍総理や佐川宣寿理財局長は、文書の出所がわからないなどという理由をつけて、内容に踏み込んだ答弁をしようとはしなかった。しかし、安倍総理の答弁はといえば、ひどく動揺したものだった。

 「ある事務所と、確かに小池さんは、ある事務所と言われたんですが、何か雰囲気としてですね、まるで私の事務所が関わっているかのごときのですね、イメージを与えている」

 国会質疑が終わったのが17時30分頃。それからわずか30分後の18時過ぎ、めまぐるしいことに、今度は日テレがスクープを報道した。自民党・鴻池祥肇元防災担当相の公設秘書が、2013年8月から2016年3月にかけて、籠池氏から少なくとも15回にわたって陳情を受けていたとする記録を「独自入手」したというのだ。

 そして19時過ぎ、東京都麹町の議員宿舎にて、鴻池元防災相が急遽、記者会見を開いた。

▲記者会見する鴻池祥肇元防災相

▲記者会見する鴻池祥肇元防災相

 会見で鴻池元防災相は、約9年前に知り合いを通じて講演会を依頼された際に籠池理事長と知り合ったといい、3年前に面会した際に封筒のようなものを籠池氏から手渡されそうになったという。報道によると、この時のことを鴻池氏は、次のように述べている。

 「財務省か大蔵省かわからないが、お願いの儀があるようなことをちらっと聞いた。同時に、紙に入ったものを差し出され、『これでお願いします』と言われた。一瞬で、カネだとわかった。だからそれを取って『無礼者』と言ったんだ。男の面を銭ではたく、政治家の面を銭ではたくような、そういうのは教育者と違う、『帰れ』と言った」

 鴻池元防災相の暴露により、小池議員がこの日、国会質疑で提示した「ある自民党国会議員事務所の面談記録」が、鴻池事務所のものであることが、明らかになった。

 鴻池氏は実質的に籠池氏からの「口利き」の依頼を断った。しかし、国有地の価格は9割引きにされた。それではいったい、誰が、便宜を図ったのだろうか――?

 小池議員の追及は、翌2日に引き続き行われることになる。ここでは、1日の小池議員の追及と、安倍総理側の露骨な動揺の様子をお伝えする。

 IWJはこれまでに、森友学園問題を追って、「極右学校法人の闇」シリーズとして記事を連続掲載している。ぜひ、以下の特集ページもご参照いただきたい。

記事目次

「上から政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい」――生々しいやりとりの記された面談記録を自民党議員事務所から入手!

日本共産党・小池晃議員(以下、小池議員と略す)「私どもは、ある自民党国会議員事務所の面談記録を入手いたしました。そこでは、森友学園側と近畿財務局や大阪航空局とのやり取りが克明に記録をされております。記録は2013年8月5日から始まります。その一部、紹介します。

 8月5日、籠池泰典氏が来訪。塚本幼稚園が小学校設立希望の件。豊中市の国有地借地を希望。『近畿財務局より、学校の場合は購入のみと回答あり。ついては、8年間は借地にてその後購入とできないか』これが籠池側の要望であります。

 その後、8月21日、27日、30日、9月9日と籠池氏からの報告が続いて、9月13日、籠池氏から相談あり。9月12日、大阪府庁に近畿財務局の国有財産管理官が来て、小学校設立認可のお墨付きが必要と。大阪府は、土地貸借の決定が必要と。『鶏と卵の話』『何とかしてや』『どこが教育者か』という書き込みがされています。そして、その日の午後、近畿財務局からの回答。『ある意味、鶏、卵の話ですが、前向きにやっていきますから』と。これ、かなり生々しい話ですよ。

 10月12日には籠池理事長夫妻が来訪しています。小学校用地の件、近畿財務局と大阪航空局職員数名とともに現地視察。その際、事務方の判断できることではないというニュアンスを感じたので、『上から政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい』『土地価格の評価額を低くしてもらいたい』。10月24日には、籠池理事長が、大阪府への小学校設立申請書類に月額賃料を月100万円とする、これは希望額で、低く見積もっておけばそこをベースに賃料交渉ができると思っている、と書いてあります。

 その後、何度も籠池氏や近畿財務局、国交省大阪航空局からの報告が続いて、2014年1月31日には籠池氏が来訪してこう言います。『小学校用地の件、近畿財務局と前向きに交渉中。賃料及び購入額で予算オーバー。賃料年間3500万円を2500万円に、売却予定額15億を7から8億円に希望』。2015年の1月9日の記録では、籠池理事長からの報告で、『国有財産貸借の件、本日、財務省担当者より、土地評価額10億、10年間の定期借地として賃料年4%、約4000万円の提示あり。高過ぎる、2から2.3%を想定。何とか働きかけしてほしい』。

 財務省に聞きます。2015年1月9日、近畿財務局管財課の統括官が籠池理事長に会って、土地評価額10億円、10年間の定期借地で賃料年4%、籠池氏に提示したのは事実ですか?」

佐川宣寿理財局長(以下、佐川理財局長と略す)「お答え申し上げます今。委員がお読みになった資料については、承知してございません。ただ、あの、森友学園と近畿財務局との関係について、どういう接触状況があったかというお問合せが委員からございましたので、そこはお答えさせていただきます。

 本件財産につきましては、平成25年の6月3日に我々、公用・公共用の取得要望の受付を開始してございます。それ以降、27年には国有財産地方審議会での議論、27年5月、有償貸付契約の締結、その後に森友学園による埋設物撤去工事等の実施、新たな埋設物の発見、売買契約というふうにずっと経緯がございますので、そういう意味ではその間、近畿財務局と森友学園との間では、これはもう、様々なその時々でのやり取りはあったものというふうに考えてございます。

 ただ、いずれにしましても、先日から申し上げてございますが、28年6月の売買契約の締結をもちまして事案は終了しているところでございますので、そうしたその詳細な面会の記録等につきましては、残っていないということでございます」

▲佐川宣寿理財局長

▲佐川宣寿理財局長

小池議員「答えてないじゃん。具体的に聞いてんだからそれに答えてよ」

議場騒然

佐川理財局長「お答え申し上げます。今、御答弁申し上げましたとおりでございまして、取得要望の受付から売買契約の締結まで、様々な場面で森友学園と近畿財務局においては、様々な打合せをしているということでございまして、その意味では、様々なその場面場面でのやり取りはあったと思います。

 ただ、今委員が御紹介になりましたようなものにつきましては、記録も残っておりませんし、ここで私どもがそれについて何か言うということはできないことでございます」

議場騒然

1月9日の面談で「政治的力」が動いた? 直後に不可思議な「条件つき認可適当」判断

小池議員「これ、結果じゃないんですよ、プロセスが大事なんですよ。このプロセスの中で…笑い事じゃないでしょう、菅官房長官、ねえ。笑い事じゃありませんよ、これ。国民の財産ですよ。それがどう処理されたのかは重大な問題じゃありませんか。

 しかも、この時期は一般的には重要な時期なんです、これは。森友学園が小学校開設申請したのは、その直前の10月なんです。12月18日の大阪府私立学校審議会で、疑問の声が出されたわけですよ。で、継続審議になったわけですよ。保留になったんですよ。ところが、翌年1月27日の臨時私学審で、『条件つきの認可適当』になったわけですよ。その1月9日に財務省が森友学園側と会って、条件提示して交渉していたとすれば、これはこの認可にも重大な影響を与えた可能性もあるわけですよ。決定的な話なんですよ。だから、様々あったというようなことじゃ駄目なんですよ。この1月9日のこの面談、あったのかということをちゃんと調べてください、じゃ。調べてください」

佐川理財局長「あの、先ほどから御答弁申し上げておりますが、25年の9月に先方、公的取得要望が出ております。したがいまして、私ども、そういう公的取得要望が学校法人から出ていることを近畿財務局のホームページに公開して、そういう上で先方と様々な場面で、貸付契約等も含めて、工事の場面も含めていろんな協議をしているわけでございまして、今委員がおっしゃいました、その一点についてあるかないかと言われましても、そうした面会の記録については残っておらないというところでございます」

小池議員「残っていないのがおかしいんですけど。担当者の名前、後で私言いますから。明日、私質問しますので、明日回答してください、じゃ、それがあったのかどうか。担当者に聞けば分かるはずですから。

 1月9日に2000万円から2300万円という賃貸料を籠池氏は要望しているわけですよ。実際に5月29日の契約では、貸付料年額2730万円になったんですよ。結果として籠池さんの要望に沿う金額になっているわけですね。非常に重要な経過だと私は思いますよ、これ」

近畿財務局に不満を持った籠池氏が議員事務所にアポ依頼をするも、議員事務所は「お断り」

小池議員「さらに事態はその後、進展します。翌年2016年の3月に、杭打ちの工事で地下埋設物が発見されるわけです。で、森友側から近畿財務局に連絡が入って、現地調査を近畿財務局と大阪航空局がやっている。その日に籠池理事長がこの事務所に相談に来ています。記録ではこう書いてある。『小学校用地の件、近畿財務局の対応に不満、3月15日に本省に行くアポをお願いしたい』。そして、この議員事務所はお断りしますと答えています。昨日のこの委員会で、理財局長は、昨年3月の半ばに財務省の担当者が森友学園の理事長と面会したことは事実だ、と答弁されましたね。3月15日に審理室長に会ったということですね?」

(…会員ページにつづく)

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