「最敬礼」に裸で授業・・・これが「愛国教育」の理想のかたち!? 戦前・戦中の教育現場の実態とは? 岩上安身による早川タダノリ氏インタビューより〜「極右学校法人の闇」第9弾 2017.2.22

記事公開日:2017.2.22 テキスト
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(文:平山茂樹)

 大阪府豊中市の国有地を、周辺土地価格の「9割引」で払い下げられていたことが問題視されている「学校法人 森友(もりとも)学園」(籠池泰典理事長)。IWJではこの「森友学園問題」について、国有地払い下げの件だけでなく、その極端に右翼がかった「教育方針」の内容の問題について、これまで集中的に取り上げてきた。

 国有地払い下げの問題にいち早く気づき、情報公開請求を行った市議会議員の木村真(まこと)市議は、2月8日、国有地の売買価格を非開示とした近畿財務局の決定は違法だとして、大阪地裁に提訴している。IWJは木村市議にインタビューしているので、こちらもぜひご覧いただきたい。

 この森友学園が運営する「塚本幼稚園」の園児たちが、教育勅語を暗唱するよう「教育」されていることは既にお伝えした通りだが、塚本幼稚園のホームページには他にも、園児たちが海上自衛隊の艦船に日の丸を振る様子など、戦前の「軍国主義」を連想させる写真が多数掲載されている。

▲塚本幼稚園公式ホームページより
▲塚本幼稚園公式ホームページより
▲塚本幼稚園で行われたこれまでの講演会の一部。百田尚樹氏、曾野綾子氏、青山繁晴氏、竹田恒泰氏など、右派の論客がズラリと並んでいる。どう見ても幼稚園児に聞かせるための講演ではない。
▲塚本幼稚園で行われたこれまでの講演会の一部。百田尚樹氏、曾野綾子氏、青山繁晴氏、竹田恒泰氏など、右派の論客がズラリと並んでいる。どう見ても幼稚園児に聞かせるための講演ではない。

 森友学園の戦前回帰志向は、それだけにとどまらない。現在建設中の「瑞穂の國記念小學院」は「日本で唯一の神道の学校」をうたい、敷地内に「瑞穂神社」という神社を造営するのだという。

▲「瑞穂の國記念小學院」公式ホームページより
▲「瑞穂の國記念小學院」公式ホームページより

 しかし、教育勅語や軍人勅諭が国民生活上の規範とされ、「国家神道」が猛威をふるった戦前の教育現場は、戦後の民主主義的な教育を受けてきた大多数の日本国民にとっては想像を絶する、実にグロテスクなものであった。戦前・戦中に皇民化教育を受けた世代も高齢化し、「お国のために死ね」と幼い子どもに徹底的に叩き込む教育の過酷さがどのようなものであったか、若い人々が実態を聞く機会も少なくなっている。また、私たちがその実相を知るのは、年々困難になっていく。

 沖縄へのヘイトデマをたれ流した「ニュース女子」問題と、そのスポンサーであるDHCの吉田嘉明会長の、中国・韓国に対するおぞましいほどのヘイト思想。中国人ヘイトだけでなくユダヤ陰謀論まで持ち出したアパグループの元谷外志雄会長。そして塚本幼稚園を経営し、問題の小学校を開設しようとしている学校法人・森友学園の籠池泰典理事長のような「極右」がことあるごとに台頭するのには、私たちに戦前・戦中に関する情報、特に生々しく訴えかける視覚的な情報が欠けているためではないだろうか。

 そうした問題意識のもと、戦前・戦中の広告やチラシ、書籍、雑誌などを大量に収集し、『「愛国」の技法』『神国日本のトンデモ決戦生活』『「日本スゴイ」のディストピア』といった著作を立て続けに刊行しているのが、編集者の早川タダノリ氏である。

▲早川タダノリ著『神国日本のトンデモ決戦生活』(合同出版)
早川タダノリ著『神国日本のトンデモ決戦生活』(合同出版)

 岩上安身は、2016年10月18日、11月5日、12月9日の3回にわたり単独インタビューを行い、「国家神道」とそれにもとづく教育勅語が猛威をふるった戦前・戦中の教育現場の様子について詳しく話を聞いていた。以下、インタビューからの抄録というかたちで、早川氏が教育勅語に言及した箇所を掲載する(下記の図版は、早川氏からの許可を得たうえで掲載している)。

記事目次

「最敬礼」は45度!? 「臣民」形成のため礼儀作法まで統一化!

▲岩上安身のインタビューに応じる早川タダノリ氏——2016年10月18日
▲岩上安身のインタビューに応じる早川タダノリ氏——2016年10月18日

岩上「次のパワポを見てみましょう。1941年の『昭和国民礼法』で最敬礼の仕方まで決められたんですね。文部省はこんなことまでしていたんですね」

早川「いやー、暇ですね(笑)」

岩上「そして、『国民学校児童用 礼法要項』には『国体の精華を発揮し、無窮の皇運を扶翼し奉るべき』と書かれていたと。これは、教育勅語に出てくる文言(※)ですが」

(※)教育勅語には、「一旦緩急(かんきゅう)アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運ヲ扶翼(ふよく)スヘシ」(そしてもし危急の事態が生じたら、正義心から勇気を持って公のために奉仕し、それによって永遠に続く皇室の運命を助けるようにしなさい)というくだりがある。

▲インタビューで使用したパワーポイント資料
▲インタビューで使用したパワーポイント資料
▲最敬礼の仕方(出典:中上川義一郎『昭和の国民礼法』帝国書籍協会、昭和16年)
▲最敬礼の仕方(出典:中上川義一郎『昭和の国民礼法』帝国書籍協会、昭和16年)

早川「ここは、超重要です。『上下の秩序』というのは要するに、上司と部下であったり、教師と生徒だったりします。その秩序を維持することが、『皇運を扶翼する』のだと。つまり、日本国として生きながらえていく、国家を作っていくということを訴えている。

 ですからこれは、単に礼儀作法やマナーの問題ではない。“秩序のための作法”ということなんですよ。だからここは、決定的に重要なんです」

(会員限定ページへつづく)

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