カギは「違いを認め合うこと」! リベラル勢力の復権に向け、激戦を制した森ゆうこ参議院議員が「野党共闘」実現の秘訣を紹介! 2016.10.30

記事公開日:2016.11.3取材地: テキスト動画
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(文:西原良太)

 民進党が「野党共闘」に参加せず、「自主投票」を決め込んだ栃木県知事選挙は、2016年11月20日、投開票日を迎えた。共産党・社民党は、無所属新人の共産党県委員長小林年治氏を立て、公明党・自民党県連推薦の現職・福田富一氏に対抗したものの、福田氏が4選を果たした。

 同日行われた、新潟県柏崎市長選挙でも、自民党が支援した桜井雅浩氏が勝利。柏崎市長選挙でも民進党は、共産・社民の推薦した候補の応援に回ることなく、「原発条件付き容認派」の桜井氏を自民党とともに支援した。

 衆院東京10区・福岡6区補選と続き、野党共闘の失敗の原因を作り続けているのは、民進党、そしてその最大支持母体である「連合」だ。

 民進党の応援団を自認する連合は、野党共闘を批判し、選挙協力に反対するだけにとどまらず、最近では、はっきりと自民党との距離を縮めはじめている。

 連合の神津里季生会長は10月26日、自民・二階俊博幹事長と会談し、今後、政策面で意見交換していくことで一致。連合の逢見直人事務局長は11月30日、自民・茂木敏充政調会長らと会談し、雇用対策や社会保障財源の確保など、2017年度予算編成や経済運営への要望書を手渡した。

 逢見事務局長はこのとき、記者団に対し、「社会保障財源が非常に厳しくなっているといった問題意識は自民党の皆さんも同じだ」と語ったうえで、野党共闘について、「われわれは共産主義社会を作ろうという運動をやっているわけではない。そういった政党との関係は応援できない」と強調した。

 市民らは、安倍政権に歯止めをかけるべく野党共闘を求めているが、連合の行動は、そうした市民らの思いと真逆の方向に向かっている。

 この「ねじれ」をどう解消すればよいのか。

 10月30日(日)、茨城県つくば市のイーアスホールにて、茨城県市民連合、筑波山地域市民連合の主催により、「平和のための市民活動をどう進めるか―新潟の経験から」と題する講演会が開催された。

 この講演会は、衆議院選挙茨城県第6区・筑波山地域市民連合の結成を記念して開かれた。

 茨城県にはすでに「茨城県市民連合」が設立され、活動している。「筑波山地域市民連合」の結成は、より地域に密着した形で市民運動を展開させるために、衆議院の各小選挙区に「地域市民連合」を設立させる、という茨城県市民連合の意欲的な方針によるものだ。

 講演の中で森ゆうこ参議院議員は、野党共闘を実現するための秘訣として、「いろいろな違いを認めて、それでも一つの目標のために一緒にやるんだと。心を広く持っていただく。それを一番大切なこととして、考えて行動していただきたいと思います」と述べ、幅広い市民の連携を訴えた。

 民進党が野党共闘の足を引っ張っている事実については、IWJがたびたび報じてきた。ぜひ、以下の記事もご一読いただきたい。

記事目次

■ハイライト

  • 講演 森裕子氏(参議院議員)
  • タイトル 新潟選出参議院議員 森裕子氏 講演会 平和のための市民活動をどう進めるか ―新潟の経験から―
  • 日時 2016年10月30日(日)18:00〜20:00
  • 場所 イーアス・ホール(茨城県つくば市)
  • 主催 茨城県市民連合/筑波山地域市民連合 (Facebook)

リベラル勢力復権のためには、「違いを認め合い、心を広く持って連携すること」が必要!

 はじめに、筑波山地域市民連合共同代表の川口玉留(たまる)氏があいさつした。川口氏は、「安倍政権が誕生して3年有余、私どもにとっては暗い、戦争への逆戻りをするような動きが日増しに活発になっていることに憂慮している」と述べた上で、「この茨城6区における市民連合という、安倍と戦う体制が着々と整うことに、勇気と誇りを持っております」「次期衆議院選挙に向け、今後、政党関係や候補者と協議をし、市民連合の基本目標に同意を確認した上で、(推薦する)候補者の決定を進めてまいりたい」と述べた。

 続けて、森参議院議員の講演が行われた。

 森参議院議員は、10月16日に行われた新潟県知事選挙について、「野党共闘という意味では、完全な形ではありませんでしたけれども、世界最大の原発、柏崎刈羽原発を擁する新潟県で、初めて原発を争点とした大きな選挙を行い、そして、私たちが勝利をし、新しいリーダーとして、米山隆一知事を誕生させることができました」と振り返った。米山新知事の誕生は「新潟ショック」と呼ばれ、安倍総理の解散戦略にも大きな影響を与えたと言われる。

 森参議院議員は、「参院新潟県選挙区は、今年の選挙から定数が1減り、1人区になった。それを受けて、野党の間で『結集して戦わなければ自民党に議席がいってしまう』という危機感が共有され、同時に、新潟県の市民連合を中心に、野党共闘を呼びかけるシンポジウムが開かれた。さらに、シンポジウムの中で、野党が公開討論会をするという場面が何回かあった。そういうこともあり、何とか野党共闘が成立した」と紹介した。そして次のように述べた。

▲森裕子参議院議員

▲森裕子参議院議員

「(都知事選で小池百合子氏を応援した議員に対し、結局処分をしなかったように)とにかく仲間を増やそうというのが自民党なんです。

 一方の野党(リベラル)勢力は、ともすれば相手について、『自分たちとここは違うから認められない』ということを言い募って、いつまでたってもバラバラです。

 だから、国民の皆さんから、『安倍政権なんてもうやめてもらいたい、安倍政治でいいことはない』そう思っている人たちから、『そうはいっても、野党は頼りないな』(と思われる)そういうことで、なかなか選挙で勝つことはできない。

(皆さんは)ぜひ、相手と違うところ、相手の気に入らないところを指摘して、批判するのではなく、いろいろな違いを認めて、それでも一つの目標のために一緒にやるんだと。心を広く持っていただく。それを一番大切なこととして、考えて行動していただきたいと思います」

(…会員ページにつづく)

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