松井一郎・大阪府知事定例記者会見 2012.2.1

記事公開日:2012.2.1取材地: テキスト動画
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 2012年2月1日(水)、松井一郎・大阪府知事の定例会見が大阪府庁記者会見室で行われた。瓦礫受入れの健康リスク等に関してIWJ中継市民が質問、知事は「受入れには賛成」との立場から、指針の見直し等はしない意向を示した。

■全編動画

  • 日時 2012年2月1日(水)
  • 場所 大阪府庁記者会見室(大阪府大阪市)

 東日本大震災の災害廃棄物の広域処理について、汚染された瓦礫を焼却処理した場合、焼却施設にまで汚染が及び、施設の稼働・廃棄も難しくなるとの質問に対して、災害廃棄物の受け入れは被災地復興を後押しするとして、従来通り進める意向を示した。また適正・安全な廃棄物処理の指針を策定する検討会議については、慎重派の識者を交えて検討しなおす考えはないかとの問いに、「検討会議は賛否を問うものではなく、安全な処理方法を策定するもの。専門家が導きだした答えを信用し実施していく」とした。また処理に関わる作業員の健康についても明らかな被害が生じた場合は取り止めも検討するが、それらが認められない限り、指針通りに進めていく意向を強調した。

 大阪府市統合本部会議の議論について、本部が選任した特別顧問と府教委や府市の対立構図となっており、第三者的な立場の識者を会議に入れる意向はないかとの問いに、「議論はフルオープンであり、参加者間での意見の相違がある環境」と、予定調和の会議ではないかとする見方を否定した。

 大阪都構想などを検討する協議会への参加に、竹山修身・堺市長が慎重姿勢を示している点について「残念だ。メッセージを送り続けるし、約束は守ってほしい」と引き続き参加を呼びかける考えを示した。

 また冒頭の発表で、府内でインフルエンザが蔓延しているとして、うがいや手洗いの徹底など感染拡大の防止を呼びかけた。

【以下、IWJ中継市民による質疑の文字起こし】

(01:09:00~)

 昨年から行われている瓦礫の広域処理の検討会議において、大阪府が選出した4人の大学教授の中で、「あまく見積もっても10万人に1人の死亡リスクがある」と京大の藤川准教が指摘していたが、先日のマスコミ向けの指針の中には一切記載されていなかった。これは、健康への影響リスクが、府民や周辺住民に隠匿されていると批判されかねないのではと思うが、これについて知事はどうお考えでしょうか?

●知事

 検討会議は全6回全て、ずっとフルオープンにしている。なので、「隠す」というつもりは一切ないし、隠していない」という認識です。

 では、「10万人に1人の死亡リスク」という指摘については、知事はどうお考えでしょうか?

●知事(職員に「これはどういう経緯で出てきた発言なのか」と確認を求める)

職員「検討会の資料が今手元にないので、資料を確認して、お答え致します」

(01:27:20~)

 瓦礫の広域処理の指針に関して、瓦礫を焼却場で焼却した場合、その焼却場自体が汚染されてしまって1~2年で使えなくなってしまう、と指摘している専門の大学の先生がいる。検討会の4名の大学の先生は、広域処理に賛成のスタンスで参加されていたと思うが、「反対」とは言わないまでも、「慎重」のスタンスを持った専門家を入れて検討すべきではないか?

 また、そういった専門家を入れて指針を考え直すそいう事はお考えでしょうか?

●知事

 まず私は、東北の震災被害に見舞われた、同じ日本人の同胞として広域処理には賛成の立場です。ですから、「賛成」にあたって、府民の健康をどう守れるか、ということについて専門家の皆さんにご意見を伺った。

 「焼却施設が2~3年で使えなくなるから」との指摘ですが、2~3年で使えなくなっても良いじゃないですか。それが事実であっても、施設はまた造りかえれば良いじゃないですか。

●知事
 国民の生活をどう守るか、という点に関して、広域処理を「やる」「やらない」「賛成」「反対」という観点ではなく、科学的に証明してくださいませんか?と前知事がお願いをした。その上で、根拠をもって専門家の皆さんが判断した指針ですから、私はそれを信用して、事業を実施したい。

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