矢ケ崎克馬氏講演会「信州は大丈夫? ─ 放射能と内部被曝」 2012.9.23

記事公開日:2012.9.23取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・佐藤)

 2012年9月23日(日)、長野県松本市の松本市総合社会福祉センターに於いて矢ケ崎克馬氏講演会『信州は大丈夫? ─ 放射能と内部被曝』が行われた。

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  • 日時 2012年9月23日(日)
  • 場所 松本市総合社会福祉センター(長野県松本市)
  • 主催 矢ケ崎克馬講演会実行委員会

 矢ケ崎氏は内部被曝の具体的な取りかかりについて、1995年・1996年、沖縄の鳥島にアメリカ軍が劣化ウラン弾をれっきとした放射能なのに「放射能ではない」と言い運んだ。誰か抗議しないかとみていたら、誰もしない。私が文句をいうしかないとなった。そして、一度噛みついたらその場を離れるわけにはいかなくなったと説明。のちに熊本の弁護団から内部被曝のことを頼まれ、そのときに初めて被曝の書物を読んだ。放射線や被曝のことは専門外だったからタッチしても役に立てないだろうと思っていたが、大変な思い違いをしていたと気がついたという。

 原爆と原発の被害について、広島長崎で米軍も認めている被害を与えた放射線は、爆心地から2キロのものだけの放射性は影響があると書いてある。実はそのほかに原子爆弾で核分裂が起こると大量の放射性物質を作る。放射性物質は福島第一原発で出た放射能の埃。地上に出たものだけで広島の456倍と言われている。アメリカは原爆の情報を虚偽した、と語った。さらに「原爆の42日目に台風が長崎がきた。広島はデルタ地帯の堤防が決壊し、爆心地が濁流の影響を受けた。放射能は埃だから、水に流れた。米軍は台風が過ぎてから研究をし、放射能の被害を与えるような被害ではなかったとした」と発言をした。

 矢ケ崎氏はアメリカで原発から100マイルの中と外との健康被害を比較したというデータを取り上げ、外は2000分中は1000分と十分調査出来るもので、女性の乳がんの死亡率がわかる。原発が稼働する前からの調査では、一般的な状況はマイナス4パーセント。この中はプラス2パーセント。つまり原子炉に近いと死亡率が高いという。また、50マイルは80キロ。アメリカ政府は爆発した直後80キロより外に逃げろと指示した。それはこのデータで50マイルは特に危ないと周知しているからだと思うと説明した。

 ドイツが国の事業として原子力発電の健康被害を1980年以来調査している。子どもたちの白血病やがんの項目に対して、5キロメートルは1.6倍と出している。原子炉の近くは病気が多いと出している。ドイツは原子力発電を国として撤廃しようとしているから日本と大違いと指摘。さらに「ここでいってるのは2ミリシーベルトなどの非常に低線量。ICRPは100ミリシーベルト以下はデータがないというが、まるきり嘘」と断言した。

 文科省が昨年の五月に発表したデータを出し、岩手は2992。長野は2496。長野県は岩手についで放射能が強い。チェルノブイリより単位面積は日本のほうが高い。海に出たのはチェルノブイリの全部に匹敵するくらいとした。また、長野の西半分は1ミリシーベルト以上になる。一時期軽井沢の汚染がひどいと言われていた。ところが白馬あたりなど、木曽山脈近くも汚染がひどいと、長野県の汚染について解説した。

 「子孫がこの土地で生きながらえていくのにどうするか。市民が政治の主人公になって、正確な知識と判断力を身につけるしかない。もっと勉強しなくちゃいけない。自分の健康は自分で守る。放射能の汚染がない食材を選ぶ。よく噛んで楽しく食べて免疫力を高める」と矢ケ崎氏は強く主張する。家庭で出来る方法とし、野菜などはまず洗う。茹でる。これで2/3は取りこぼすことが出来る。魚はえらと内臓に汚染されたものが集まるので料理に使わないと述べた。学校は給食を作る現場に測定器を置く。1ベクレルを測定出来るものでないといけない。食べて応援しようはやめるようにと、現在の社会を批判。チェルノブイリ事故の後、新生児への影響などが言われていたが男性の寿命が15年短くなったり、女性も5年から8年短命になっている。チェルノブイリのことを甘く見ないと、教示した。

 質疑応答では「池田香代子さんが乳幼児は新陳代謝がいいので内部被曝を心配しなくていいと書いていたが、どうなのか」という問いに「新陳代謝がいいのはあっているがそのあとは全然違う」と反論。さらに、体の中に放射性物質を取り入れて排出することは難しい。とにかく入れないことを第一にと付け加えた。自身が居住している沖縄に関して、一般的に沖縄は汚染度が低い。沖縄の人が気をつけないといけないのは、本土からの野菜など食べ物を通じて内部被曝してしまうことと、食に関しての注意を再度行った。

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