「だれの 子どもも ころさせない」世の中を 母親ら2000人が「安保法案反対」で渋谷をジャック!「私は米国と一緒に人を殺しに行くために子どもを育ててはいない」 2015.7.26

記事公開日:2015.7.27取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根)

 千葉県から参加した女性は、「最近、20代の若者たちが『どうせ、自分たちは生きていてもしかたない。だったら、国のために死んでやろう』と話すのを聞いて、悲しくなった」と、若者に絶望感を抱かせるような今の社会状況に触れ、このように続けた。

 「私の尊敬する経営者が、『どうせ無理、という言葉は、誰かの自信と可能性を奪う最悪の言葉だ』と言っていた。人生は一度きり。大事な人と喜怒哀楽を共有していきたい。子どもたちと一緒に、平和な戦後80年、90年を迎えたい。そのために、小さな心を育み、殺し殺されない世界を拡げていきたい」

 母親たちが主催する安保法案の反対行動「7・26 戦争立法反対!ママの渋谷ジャック!」が2015年7月26日、東京・渋谷で行なわれた。この活動の発起人は3児の母である大学院生、西郷南海子(みなこ)氏。2015年7月5日、「安保関連法案に反対するママの会」のサイトをFacebookで立ち上げ、7月25日深夜までに1万7249人の賛同人を集めている。

 この日の街宣とデモの参加者は、主催者発表で合計2000人に上った。

 反対行動はまず、渋谷ハチ公前で街宣から始まった。西郷氏と全国から集まった6名の女性が、安保法案への不安、強引に法案を押し進める安倍政権に対する批判、子を持つ親としての思いなどを訴えた。

 この会への賛同者は1万7000人を超えたと報告した西郷氏は、「どんな嵐にも引き抜かれない草の根になって、横に拡げて、法案を廃案にしていきましょう」と力強くスピーチした。

 その後、宮下公園からデモがスタート。「希望・常に前進」が花言葉のガーベラの花を手にした参加者たちのシュプレヒコールが、若者でにぎわう渋谷の街に響き渡った。

 戦争させない 子どもを守る 戦争させない 大人も守る
 ママは戦争しないと決めた パパも戦争しないと決めた
 みんなも戦争しないと決めた 70年間決めてきた
 戦争の道具 作るのやめよう 戦争の理由 作るのやめよう
 だれの 子どもも ころさせない

■ハイライト

  • 街頭宣伝(渋谷駅前)
  • デモ行進 宮下公園 → ファイヤー通り → スクランブル交差点 → 宮益坂下 → 明治通り → 神宮通公園

「だれの 子どもも ころさせない」世の中を

 炎天下の中、東京・渋谷のハチ公前に横付けしたミニバスのルーフに上がった発足人の西郷南海子(みなこ)氏ら、安保関連法案に反対するママの会のメンバーたちは、この会の合言葉「だれの 子どもも ころさせない」とコール。「7・26 戦争立法反対!ママの渋谷ジャック!」集会がスタートした。

 「私たちには、お金も権力もありません。しかし、私たちの声と身体がある。これを使って『だれの 子どもも ころさせない』世の中を作っていきたい。人間は、命令されて人を殺すために生まれてきたわけではない。誰かの利益のために利用されたあげく、ボロボロにされる世の中は、もう、終わりにしましょう」

 西郷氏は、2015年7月26日の朝までに、29の都道府県で同様の「ママの会」が立ち上がり、賛同者は1万7000人を超えたと報告。「自分にとって、何が一番ゆずることができないか。それを、言葉にしていきましょう。どんな嵐にも引き抜かれない草の根になって、横に拡げて、安保法案を廃案にしていきましょう」と言葉を結んだ。

「どうせ無理」は誰かの自信と可能性を奪う最悪ワード

 続いて、全国から駆けつけたママたちのスピーチに移った。

 新潟県から来た4歳の子を持つ女性は、「安倍政権は、憲法学者の9割が、この安保法案を憲法違反と指摘しているにもかかわらず、勝手な解釈で合憲とこじつけ、11本の法案を1本にまとめ、それを100時間審議したから十分だと言って強行採決をした」と、衆議院での法案可決に怒りをにじませた。

 その上で、「安倍首相は、徴兵制度はあり得ないと言うが、集団的自衛権を合憲にする安倍政権が言うことを、信用できるでしょうか。武力ではなく、外交努力で世界平和に貢献できる国を望みます」と力を込めた。

 千葉県から参加した女性は、「最近、20代の若者たちが『どうせ、自分たちは生きていてもしかたない。だったら、国のために死んでやろう』と話すのを聞いて、悲しくなった」と、若者に絶望感を抱かせるような今の社会状況に触れ、このように続けた。

 「私の尊敬する経営者が、『どうせ無理、という言葉は、誰かの自信と可能性を奪う最悪の言葉だ』と言っていた。人生は一度きり。大事な人と喜怒哀楽を共有していきたい。子どもたちと一緒に、平和な戦後80年、90年を迎えたい。そのために、小さな心を育み、殺し殺されない世界を拡げていきたい」

やがて米国の経済徴兵制の可能性も

 「安保法案が成立したら、どうなるのか」と切り出したのは、足立区の2人の子どもの母親だ。自衛隊員は海外派兵され、そこで武力行使に至ったら自衛隊員の数が激減すると懸念し、「そうなると、アメリカのような経済的徴兵制になり、(普通の若者も)戦場に行かされる。その前に、安保法案を廃案にしましょう」と声を振り絞った。また、「厚木基地の近くに住み、米軍機の爆音の被害に悩まされている」という、2人の子を持つ神奈川県の女性もスピーチした。

8歳のメッセージ「戦争のコマになるために生まれてきたんじゃない」

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