【東京都知事選】「脱原発の活動に改めて火を灯す役割を果たせた」~細川護熙氏、都知事選を振り返る 2014.2.9

記事公開日:2014.2.9取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

 2月9日(日)、投開票された東京都知事選。IWJ Ch7は、開票状況を見守る細川護熙氏の選対事務所を取材。20時ちょうど、テレビモニターから舛添要一氏当確の速報が流れると、細川護熙氏の選挙事務所では、待機していた支持者から一斉にため息が漏れ、支持者の表情を捉えるシャッター音が鳴り響いた。

 20時30分頃、真剣な面持ちで細川氏が選挙事務所に到着、記者会見を開き、選挙結果に対する受け止めを語った。

■全編動画

  • 日時 2014年2月9日(日)20:00~
  • 場所 細川護熙選挙事務所(東京都千代田区)

「脱原発の活動に改めて火を灯した」

 「力が及ばず、残念な結果になった。(出馬するかどうか)逡巡があったために、準備期間が足りなかった。そして、脱原発が争点として取り上げられなかったこと、そうさせまいとした力が働いた」と、自身の敗因を分析。一方で、「脱原発の活動に改めて火を灯す役割を果たしたと自負している」と、17日間の選挙戦から得た手応えを語った。

 会見の中で細川氏は、小泉純一郎元総理からFAXが届いたことを紹介。直筆で書かれたメッセージをその場で読み上げた。

 「残念な結果ですが、細川さんの奮闘に敬意を表します。これからも原発ゼロの国造りを目指して、微力ですが、努力を続けてまいります。御支援賜わりました皆様に、心より厚く御礼申し上げます」

マスメディアの『論点隠し』

 連日、細川、小泉両氏の街頭演説には、千人単位の聴衆が詰めかけていた。その数は日を追うごとに増し、8日の最終演説では20年ぶりの大雪の中、新宿アルタ前の広場は雪を被った傘で一杯になり、W総理の演説は、最後の盛り上がりを見せた。しかし、選挙期間中、大手メディアはこの現象をほとんど報じてこなかったに等しい。細川氏も演説の中で度々、原発が恣意的に争点にされていないとメディア批判を展開してきたが、会見後の質疑応答の中でも、この点が話題に上がった。

 フリーランス田中龍作記者「海外のメディアはこぞって、今回の都知事選は原発がメインイシュ―だと言っていた。しかし日本はそうではなかった。原発を争点にしなかった力は何だと思いますか」

 細川氏「原発推進の原子力村、とにかく『論点隠し』が、日本のマスメディアによって露骨に行なわれてきたと思う。半分はしっかり報じていたと思うが…」

 大手マスコミを目の前に「半分はしっかり報じていたと思う」と気遣いを見せた細川氏だが、選挙期間中、マスメディアが原発を争点にしてこなかった報道姿勢を会見の中で、はっきりと批判した。

細川氏の今後

 宇都宮健児候補と脱原発票が二分したことについて細川氏は、「残念だが、反原発とオリンピック以外の点で、両候補者の間には違いがあった。優先順位も。両者足して1位の候補者に迫る数が示せたことは、政府の再稼働の政策に、それなりに影響力を与えることができるのでは」と、脱原発の民意に期待を寄せた。

 他方、政党や組織に頼らなかったことが敗因かと聞かれると、「初めから、政党や組織に頼らずに選挙戦を闘うと表明してきた。しかし投票率の低さを見て、厳しいなと思った」と回答。「脱原発を目指すために、今後国政を目指すことは」との問いには、「それは考えてない」と明言。今後も脱原発の活動を続けていくと話した細川氏だが、「支援していただいたグループもある。2、3日して小泉さんとも相談し、これからどういう形で反原発の運動を続けていくか考えたい」と付け加えた。

 最後にIWJは、当選した舛添氏にすでに「政治とカネ」の騒動があることに触れ、都知事選が改めて行なわれた場合、再出馬の可能性はあるかと問うと、細川氏は、「それは、私は事実関係が分かりませんので、何ともお答えできません」と回答。細川氏の記者会見は15分弱で終了した。

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「【東京都知事選】「脱原発の活動に改めて火を灯す役割を果たせた」~細川護熙氏、都知事選を振り返る」への2件のフィードバック

  1. うみぼたる より:

    ぎぎさんはとても大切な質問をされたと思います。広報の対応がお粗末です。
    細川氏はぎぎさんの質問に返答した後も、まだ質問を受けようとしていたのに広報が遮って退散。周囲のスタッフの狭量と細川氏の器の違いが鮮明です。
    今回の一本化の話について、2012年の都知事選挙に立候補を考えていたものの、衆議院が解散になったために立候補をとりやめた白洲信哉氏のツィッターに興味深い指摘があります。
    2月6日
    反原発ということで候補を一本化というのなら、降りる降りないなんということじゃなく、「自然エネルギー連合」のような新党をつくるくらいのことをやってもらいたい。代表は細川候補、副代表に宇都宮候補、小泉さんは自民党員だから難しいかな。国政に影響を与えるというなら正道をいくべきだ。

    白洲氏の平成24年11月23日のブログには、都知事に立候補するための公約が掲載されています。

  2. 竹本淳一 より:

    人柄はよさそうだったのだ。

    討論からは逃げまくり、頼りない雰囲気。熱意が全く伝わってこなかった。

    このため宇都宮さんに負けたのでは?

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