今日(1月28日)、東京都知事選に立候補している細川護熙氏が外国特派員協会で記者会見を行い、「脱原発」の主張で共通する宇都宮健児氏との一本化の意志について、改めて否定した。
これまでにもたびたびお伝えしてきた通り、もともと細川氏本人にも細川陣営にも、「一本化」の意志はない。その点がよりクリアになったと思われる。
細川氏はその理由について、「私と宇都宮氏とでは、政策の優先順位が違うと考えています」と語り、「宇都宮氏にとって脱原発はいくつかある政策のうちの一つですが、私は何よりもまず優先して脱原発を掲げています」と、その違いを強調した。
※以下、「1月28日 日本外国特派員協会主催 細川護熙氏記者会見」の実況ツイートを再掲します。
冒頭発言「再生可能エネルギーを成長の活力に」
細川護熙氏「引退後、田舎に引っ込んで静かな暮らしをしてきましたが、ここにきて、政府の考えがおかしいのではないかと思うようになりました。エネルギー基本計画で政府は原発を基幹エネルギーとして位置づけると言い出した。さらに、再稼働もするといいます。
東京都には、直下型地震、福祉、医療など様々なテーマがあります。中でも重要なのは、少子高齢化の問題です。江戸時代には隣組という助け合いのシステムがありましたが、行政が支援するかたちでそういう仕組を作れないかと考えています。
待機児童も大きな問題です。8000人と言われていますが、実際にはその3,4倍はいるでしょう。横浜は先見的な取り組みをしているので、そうした事例を参考にしつつ、保育士の就労支援や待遇の改善などに取り組んでいきたいと思っています。
オリンピック・パラリンピックについては、当初は震災のことを考え、気が重く感じていました。多くの被災者が、家を奪われ生活を奪われてしまいました。しかし開催が决まった以上、2020年を目標期限として原発ゼロを目指したいと思うようになりました。
IOCと協議する必要もあるでしょうが、東京・東北オリンピックというかたちにして、東北とオリンピックの恩恵を分かち合うようなかたちにしたいと思っています。再生可能エネルギーを駆使し、それをアピールできる場所にしたいと思います。
選手村などで自然エネルギーを活用することは、十分可能であると考えます。懸念しているのは、喧嘩腰の外交で平和の祭典が成功できるのかどうか、ということです。オリンピックには、善隣友好が欠かせないと考えています。
今度の都知事選で原発は争点ではない、という方がいます。しかし、震災で東京のインフラは止まりましたし、都内の浄水場では今でもセシウムが検出されている所があります。福島原発事故後、私は沿岸部に苗木を植えるプロジェクトに取り組んできました。
原発や核のゴミを地方に押しつけ、大消費地だけ利益を享受するという虫のいい話が、いつまで通用するでしょうか。都知事の第一の任務は、都民の生命と暮らしを守るということ。原発の問題はまさに東京都の問題であり、争点でないというのはとんでもない話です。
原発は、過去の産業と言ってもいい。ヨーロッパの多くの国々では、原発から撤退した企業もあります。ヨーロッパでは再生可能エネルギーが40%を占めている所があります。自然エネルギーこそが、これからの成長の切り札です。
核という過去のエネルギーではなく、自然エネルギーがもたらす成長の果実によって、福祉や雇用を充実させていかなければならないと思います。これから日本の人口はどんどん減っていく。だから、従来の大量生産・大量消費の経済では無理だと思います。
従って今回の選挙は、日本の文明史的な転換を問う選挙だと思います。道元禅師に『春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり』という言葉がありますが、日本人は四季を愛でる豊かな情感を育んできました。
日本人が愛してきた自然を活かし、それをエネルギーに変えて、成長のための活力に変えていく。こんなにロマンのある、やりがいのある仕事は他にない。そう考えながら、現在の選挙戦に臨んでいます。ありがとうございました」
質疑応答 「宇都宮氏とは政策の優先順位が違う」
フリー・田中龍作記者「先ほど『喧嘩腰の外交』とおっしゃいました。ダボス会議で安倍総理は日中関係の緊張を強調する発言しました。現在の安倍政権の外交姿勢についてどのようにお考えでしょうか」
細川氏「外交は国の専権事項ではありますが、どうも危うい感じがいたします。奥さんの昭恵さんのほうが私の考えに近いと思います(笑)。近い国とも遠い国とも友好的な関係を保つことが重要です」
海外プレス「オリンピックについて、宇都宮健児候補はスタジアムの縮小など具体案を出しています。細川候補の具体案とは」
細川氏「できるだけコンパクトに、環境に配慮したかたちにして、施設に自然エネルギーを活用することを考えています」
フランステレビ・オイカワ記者「ダンス規制や有害図書への表現規制についてのお考えは」
細川氏「私は保守的で古い人間ですから、有害図書の氾濫についてはいい気持ちはしません。発行ではなく、閲覧できる場所について規制すべきではないでしょうか」
細川氏「カジノについて申し上げておきたい。カジノは公序良俗に反するという観点から、私は反対の立場です。船の上でやればいいじゃないか、とか色々と議論がありますが、いずれにしろ反対です」
海外プレス「オリンピックについて。コンパクトにしたいということだが、そのための財源を東北の復興に回すということか。それから、原発は、再稼働を認めないというだけでなく、『即ゼロ』ということなのか」
細川氏「いま、原発をゼロにするということを決めなければ、40年、50年経っても、原発をなくすことはできません。トップがゼロにするという決断をすれば、日本の産業は一気に自然エネルギー・再生可能エネルギーのほうへ向かっていくでしょう。
オリンピックについては、やはり東北の被災状況を考えれば、必要以上に大規模なものは控えなければならない、そういう考えです。
フリー記者「東京都が保有している東電の株式は必ずしも多くない。どうやって脱原発をするのか」。
細川氏「確かに東京都は、東電の株式保有率は第4位。しかし、東京都としてできることは多い。エネルギー戦略会議を立ち上げ提言をしていきたい」
マイケル・ペン記者「宇都宮健児候補も脱原発を主張しているが、これでは票を割って舛添候補の当選につながるのではないか」
細川氏「ご本人ではなく、宇都宮氏の周囲の方から、一緒にやれないかというお話しは確かにありました。しかし、私と宇都宮氏とでは、政策の優先順位が違うと考えています。宇都宮氏にとって脱原発はいくつかある政策のうちの一つですが、私は何よりもまず優先して脱原発を掲げています。こうした違いがあるのです」
※実況ツイートここまで
細川氏と宇都宮氏に関しては、同じ「脱原発」を掲げる候補として、共通点が強調されてきたが、「一本化」の話し合いの余地すらない、まったく妥協できないほど立ち位置が異なると当事者が自認しているのであれば、有権者も、違う公約を掲げる、それぞれ独自の立場に立つ候補であると見なすのが自然ではないだろうか。
では、宇都宮氏と細川氏の公約の中で、最も異なる点はどこだろうか。濃淡はあるが、「平和主義」「近隣諸国との友好」という点では共通している。一番違いが際立つのは、細川氏が東京都において国家戦略特区を活用し、規制緩和を押し進める、ということである。
この点では細川氏と自民党が推す舛添氏とでは大差がない。細川氏が掲げる、国家戦略特区とTPPの関係については、昨日掲載した高士太郎氏の緊急寄稿「都知事選の隠れた争点―国家戦略特区とTPPについて」が詳しいので、ぜひ一読されたい。
細川さんは、国家戦略特区についての詳しい内容などは理解していないと思います。また、東京都の政策で良いものは良しととすると言ってる訳で・・・価値観の問題ですから・・・、反原発と国家戦略特区やTPPや竹中平蔵などと同列に語るものではない・・・とその問題です。脱原発ではないのです。反原発なのです。再稼働反対・原発ゼロなのです。私などは、茶碗1個200万円で売れるという細川さんが、それを捨ててまで立候補する人間性を見て(単純?)本気度を判断します。
デモクラTV(無料でみれます)
http://dmcr.tv/index.html
をご覧下さい。(ついでに、デモクラTVすらWEBマネーでの入金ができるので、岩上さんのところも早くしてください)
私のささやかな願いですが・・・2月9日の投票日前の2月7日金曜日に、国会前の恒例の「反原発」集会で
宇都宮さんと細川さん(無理と思うが)小泉さん が何も言わないで握手する・・・
いつも中継ありがとうございます。最近は、音声が良くなりました。(いくら画像が良くても音声が悪いと見るの止めてしまいます)風邪などかかりませんように・・・抵抗力には、植物性乳酸菌「ラブレ」が良いです。
追記 本日(1月28日細川さん・小泉さんの演説を三軒茶屋で聞きました。15分ぐらい前にチョコっと舛添が来て、5分ぐらい演説しに来ました。勿論みんなからはヒンシュクを買っていました。なんて姑息な魚を盗む泥棒ネコみたいで舛添らしさが出ていました。街頭演説をやっても人が集まらないのだろうと思いました。だって警備の人がいないですからネ
>一番違いは際立つのは、細川氏が東京都において国家戦略特区を活用し、規制緩和を押し進める、ということである。
これはちょっと酷い意見誘導では無いですか。
細川元総理が違うと言ってるのは、そこではなく、
「宇都宮氏にとって脱原発はいくつかある政策のうちの一つですが、
私は何よりもまず優先して脱原発を掲げています。」
ここですよ。