東京電力 社長記者会見 18:30 2013.8.26

記事公開日:2013.8.26取材地: テキスト動画
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 2013年8月26日18時30分から廣瀬社長による記者会見が行われた。社長直轄の「汚染水・タンク対策本部」を設置、タンク管理の緊急かつ抜本的な強化、海洋流出に対する中長期を含めた対策を加速することを発表した。

※掲載期間終了後は、会員限定記事となります。

 会見はJヴィレッジ内「アルパインローズ」にて行われ、TV会議システムを介して本店にも中継、質疑応答が行われた。会見者は下記4名です。

■全編動画

  • テーマ:「汚染水・タンク対策本部」の設置 など
  • 会見者
    代表執行役社長 廣瀬 直己
    代表執行役副社長 相澤 善吾
    代表執行役副社長 石崎 芳行
    執行役員福島第一安定化センター所長 高橋 毅
  • 日時 2013年8月26日(月) 18:30〜
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

「汚染水・タンク対策本部」の設置

 東京電力廣瀬社長は、タンクからの高濃度汚染水の漏洩、汚染水の海洋流出は緊急かつ最大の経営過大として、その対策のため社長直轄の「汚染水・タンク対策本部」を設置したことを発表した。廣瀬社長が本部長、副本部長3名の内一人となる相澤善吾副社長が福島第一安定化センターに常駐する。新組織として、あらゆるトラブルに対応する「機動力強化チーム」、タンク対策・運用を強化する4チームを新設した。更に、海外向け情報発信・広報を強化する広報チーム、解析・リスク管理チーム、対策立案・検証チームを設置し、汚染水・タンクの対策を加速するという。

 新本部の規模、人員数はまだ決まっていないが、業務量からみて本店・1Fそれぞれ80名、合計160名ぐらいの規模になるという。

 新しい組織という入れ物の名前は決めたが、中身はこれから検討するという段階だ。東京電力は1Fの事故対策について、トラブルが発生する度に新組織を作ることを行なっている。今度もまた新しい組織を設置した。
 組織乱立であり、日々のオペレーションの混乱、業務負担増加の弊害といったリスクにどう対処するのか、記者が質問した。廣瀬社長は、安定化センターの組織は普段の業務の組織と異なり、そういったところで問題が発生しているが躊躇していられない。弊害が生じるリスクは認識しており、しっかり対策していくと回答した。

 新組織がうまく機能し、有効な対策が打てているか、その検証のためにも透明な情報公開が必要。

汚染水タンクからの漏洩に関するリスク低減対策

 次いで現在発生しているフランジ型タンクからの汚染水漏洩対策として、(1)全数点検、(2)別のタンクへ水の移送、(3)汚染土壌の回収、(4)堰の点検・補強、(5)モニタリングの強化という五つの対策を実施していることを説明した。
 同時に緊急対策として(1)パトロール強化、(2)ドレン弁の常時閉運用、(3)水位管理方法を打ち出した。
 ドレン弁の常時「開」運用は間違った考え方だということが今更ながらに判明したということである。また水位管理には、サーモグラフィを用い、タンク側面の温度差から水面を検知するという。

 本来個々のタンクに水位計を設置してたら、不要。

 汚染水の減容処理ができないとなると、汚染水タンクを今後も増設し続けることになる。タンク増設をどこにするのか、増設する場所があるのか記者が質問すると、80万トンぐらいまで増設し、構内に今作れる部分に設置することで時間を稼げる、その間に対策すると回答。

 汚染水漏洩、流出ということから見ても、1Fは収束からほど遠いところにあり、東電はその対処に手こずっている。この状況で柏崎刈羽原子力発電所の再稼働するのか、記者が質問すると廣瀬社長は「福島原発は福島原発の問題としてしっかりやっていきたい。柏崎刈羽原子力発電所の再稼働は原子炉の運転で(福島原発の事故対策とは)別の技術、これはこれでしっかりやっていきたい」と回答した。

 茂木経産大臣が「国が全面にたつ」と発言したことで国との関係はどうなるのか、記者が質問すると、「国が全面に立つのは大変ありがたい話だ。ご支援いただき一緒にやらせていただく。先ずは、とにかく我々でできることは我々で責任をもってやる」と回答した

 新組織を作り、自らの責任でやる、と決意表明したわけだ。通常の業務ならばそれでも構わないだろう。しかし、2年半に渡る対策が上手く機能していないのは明らかだ。事故対策にかけたサンクコストを考えると、簡単に撤退できないのは解るが、もはや一民間企業の問題ではなくなっている。早く国家的、国際的な支援を要請して、有効な事故対策に取り組んでほしい。


以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

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