2013年08月02日(金)17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が行われた。地下水からのトリチウムの海洋への流出量は2011年5月以降2~4×10の13乗ベクレル(20~40兆ベクレル)だという評価試算結果を発表した。
2013年08月02日(金)17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が行われた。地下水からのトリチウムの海洋への流出量は2011年5月以降2~4×10の13乗ベクレル(20~40兆ベクレル)だという評価試算結果を発表した。
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冒頭のプラント状況の説明では、主に次の三点を発表した。
先ず、2号機格納容器内部の調査のため、X53ペネからCDR交換レールを利用してCCDカメラをペデスタル内部へ移送することを何度か試みている。今までの試行はいずれも途中で失敗している。今回も、途中の操作で想定以上の時間を要したため、調査を中断、8月6日以降に再調査実施予定だと発表した。今回の調査で得られた内部画像が公開された。
次いで、4号機の使用済燃料の取り出しに先立ち、原子炉ウェル、圧力容器、使用済燃料プールの内部調査をすることを発表した。8月5日から水中カメラを利用し、がれきの散乱状況、残存機器状況の確認をする予定。
月例となっている原子炉格納容器内温度計の信頼性評価が公表され、2号機圧力容器ヘッド部の温度計1個が、監視から参考に変更された。監視に使用できる2号機の温度計は、現在10個になった。
本日18時30から原子力規制庁にて、特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ(以下、汚染水対策WG)が開催されたことから、同WGへの資料準備のため、途中で行ったん休憩が入った。
汚染水対策WGの資料を配布、定例会見を再開した。
汚染水の漏洩に関し、地下水から海洋へ流出したトリチウムは、暫定試算で2011年5月以降2~4×10の13乗ベクレル(20~40兆ベクレル)だと発表した。流出の開始時期や、規模が不明なため、非常に大まかな仮定をもとに試算したため暫定だと強調。同時に、平常運転時の福島第一原子力発電所のトリチウム年間放出基準値は2.2×10の13乗ベクレルという法的規準値も発表した。
即ち、平常時の年間放出上限値相当を、2年間に掛けて流出したことに相当する。明言はしていないが、たいしたことはないとも読み取れる発表だ。
ストロンチウムやセシウムは、評価試算が難しいため、今後行う予定と発表。
海洋流出の直接的な防止策として、護岸地盤改良工事として、薬液注入遮水壁を構築している。その効果が現れ、敷地内の地下水位が上昇し、薬液注入遮水壁を乗り越える可能性があることが解っている。その対策として、敷地内の山側にも、同様の遮水壁を構築すること、地面をアスファルト等で覆い雨水の侵入を防止すること、集水桝からポンプで組み上げること、などが対策として考案されている。いずれもこれからの施行対策、完了は来年H26年以降になる予定。
当初の想定では、地下水バイパスと海側遮水壁はセットで効果を発揮するよう考案されていた。ところが、地下水バイパスが想定通りに稼働していない結果が、今回の海洋流出だとも言える。
東電は、より詳細な汚染源の特定、汚染拡大の防止策のため、先ずはより詳細にボーリング調査、モニタリングを行うと発表している。
即効性のある流出対策が施されるのは、まだ先のことに思える。
以下、東京電力ホームページより、リンクを表示