東電の隠蔽体質は、事故後、一向に改まる様子がない——。
東京電力の株主で構成される反原発団体の「脱原発・東電株主運動」(以下、東電株主)は7月30日、先日の株主総会における東電の対応と、新たに発覚した汚染水の海洋流出に対する抗議文を東電に提出した。
東電は、参院選開票日の翌22日、汚染水の海洋流出を突如、認めた。しかし、東電の作成した「海側地下水及び海水中放射性物質濃度上昇問題の現状と対策」と題された資料をみると、数ヶ月前から東電が異常に気づいていたことがうかがえると東電株主は指摘。事前に情報を掴んでいながら報告をしなかった東電の姿勢を強く批判した。
今回の公表遅れについて、「(東電の体質は)原発事故を起こした時点から何も変わっていない」と強く批判。「東電は原発を持つ資格がない」と訴え、「柏崎刈羽原発と福島県内の原発を直ちに廃炉とし、可能な限りの資金と人材を投入して福島第一原発の収束に専念すべきである」と申し入れた。
また、東電株主は、6月26日に行われた「89回定時株主総会」での株主に対する東電の対応についても「誠意あるものでは無かった」と批判。
「下河辺議長は株主から動議を受ける際、そのつど『頭出しだけお願いします』と発言者に注意して、言論統制を行った」とし、さらに、多くの議案事項で、東電が株主の質問を無視して進行を進めていたと指摘。次回株主総会では、株主に対して誠意ある対応をすることを強く求めた。