「被災者医療・介護の免除制度打ち切りが、市長選出馬への決定打に。被災者の命を守り、市民を生かす市政を目指す」 ~角野達也と語り合う市民大集会 2013.7.25

記事公開日:2013.7.25取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 小池晃参議院議員(日本共産党)は「現仙台市長は、原発事故対応も、放射能の判断も国の言いなり。市長は、市民の立場で国にもの申す存在でなくてはいけない。でなければ、市民がわざわざ市長を選ぶ意味はない」と述べ、角野達也候補に大きな期待を寄せた──。

 2013年7月25日(木)18時30分より、宮城県仙台市の仙台市福祉プラザで、「角野達也と語り合う市民大集会」が開かれた。任期満了にともなう仙台市長選挙(7月28日告示、8月11日投票)は、箱もの主義、弱者切り捨て市政と言われてきた奥山恵美子現市長と、被災者支援、医療介護費の見直し、女川原発再稼働中止を訴える、角野達也候補(日本共産党推薦)の一騎打ちとなった。

■全編動画

  • 日時 2013年7月25日(木)18:30~
  • 場所 仙台市福祉プラザ(宮城県仙台市)
  • 主催 いのち、緑、平和を守るみんなの会

 主催者代表の三戸部尚一氏のスピーチで集会が始まった。三戸部氏は「たのんだよっ!」との応援の合言葉で、角野達也立氏にエールを送った。続けて、共産党仙台市議団の嵯峨サダ子市議が登壇し、箱ものつくりに邁進し、福祉サービスを削減、住民負担を増やす奥山現市長の市政に苦言を呈し、角野氏に期待を寄せた。

 続いて、8人の応援者が激励スピーチを行なった。最初は、あすと長町仮設住宅自治会長の飯塚正広氏が、仮設住宅に住む被災者たちへの仙台市の冷たい対応を、次のように話した。「当初、仮設住宅の住民は、あらゆる地域から避難してきた人たちで、トラブルも多く、傷害事件、殺人未遂事件まで起きてしまった。それを防ぐためにコミュニティを作って、復興公営住宅を造る提案を仙台市に出したが、否定された」。

 国連NGO 新日本婦人の会宮城県本部の石井氏は、ワンコイン医療費(今まで無料だった未就学児童の医療費を、子ども医療費助成制度に改訂。入院:小学生以上1日500円。通院:3歳以上初診・初検時500円負担)の廃止、公立保育所の増設、教育予算の増額などを訴えた。

 続けて、宮城高齢者の会の本郷氏、建設労働組合関連の鈴木氏、民主医療機関連合会の藤沢氏、日本民主青年同盟から菊池氏、脱原発金曜デモに参加している土井氏、京都からわざわざ応援にかけつけた上原氏などが、それぞれの立場から奥山市政を糾弾し、角野氏を盛り立てた。

 そして、角野氏の東北大学時代の後輩でもある、小池晃参議院議員が、スピーチに立った。小池氏は仙台市長選の争点について、「福祉、被災者切り捨ての、冷たい市政の継続か、市民と被災者の生活再建を最優先する市政への変換か」と呼びかけた。その上で、「アベノミクスで暮らしが良くなったか。株価の電光掲示板を気にする政治は、株式市場からも見放されている。景気回復の決め手は、雇用と賃上げ。しかし、政府は、限定正社員の導入で首切り容認、若者の使い捨てを勧める。大企業の内部留保は260兆円。その1%で、毎月1万円の賃上げができる。また、今、絶対やってはならないのが、消費税の増税だ」と語った。

 さらに「今の仙台市政は、地下鉄東西線や関連事業、箱ものづくりに熱中し、福祉・医療援助などの面で、弱者を切り捨てている。仙台市の福祉予算は、20ある政令指定都市の中でも最低だ。国連防災会議を開催すると言うが、自然災害のみで原発事故は扱わない」と批判。続けて、「かたや、仙台市は政令都市の中ではトップの、2940億円の基金を持っている。医療・介護の負担減免措置、国保料ひとり1万円値下げも25億円で実現するし、敬老パスも6億円で復活できる」と、具体的なデータを挙げて、市政のいびつさを指摘した。

 小池議員は「角野氏の掲げる、被災者の生活再建、市民の暮らしと命を守る、医療介護の減免復活、復興公営住宅の整備の実現、子育て支援の充実、公契約条例の実現などで、希望の持てる仙台市を復活させることは明白だ」と述べ、現市長の国頼みの市政を批判。「奥山市長は、原発事故対応も、放射能の判断も国の言いなり。市長は、市民の立場で国にもの申す存在でなくてはいけない。でなければ、市民がわざわざ市長を選ぶ意味はない」と訴えた。

 また、小池議員は、まったく先の見えない福島第一原発の現状を懸念し、女川原発をはじめとする、各地の原発の再稼働中止と廃炉を訴えた。さらに、TPPにおける政府の言い分と、そこに潜む危険性、沖縄の米軍基地問題などを例に挙げ、安倍政権も俎上に乗せて、「憲法9条を生かした平和外交が、日本が取るべき進路」と言及。「角野市長を実現させ、ここ仙台市から新しい政治を始めよう!」とスピーチを締めくくった。

 最後に、候補者の角野氏が登壇し、「仙台市長選に出馬を決めた一番のきっかけは、被災者医療・介護の免除制度の打ち切りだった。福祉の打ち切りで、困っている市民の声をたくさん聞いた。私のツイッターのコメントには、『自分は反日共だが、角野さんは応援する』というものもある。私は、被災者の命を守り、市民を生かす市政を目指す」と決意を語った。そして、復興公営住宅の実現、中小企業振興、公契約条例施行(公共事業受注事業者に雇用される労働者の最低賃金を、地方自治体が確保させる条例)、公立認可保育所の増設、中学3年までの子ども医療費無料化、敬老乗車証の上限撤廃、脱原発都市宣言といった公約を、力強く訴えた。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です