原子力規制庁が、テレビ会議システムを備えた「緊急時対応センター(ERC)」を公開した。ERCは4月23日まで旧原子力安全・保安院が入っていた経済産業省に残っていたが、4月10日から原子力規制庁が入る港区六本木のビルに機能移転を開始。5月末に準備が整い、本格的な運用が始まった。
このテレビ会議システムでは、48の電力事業者、42のオフサイトセンター、273の自治体との連絡が可能。スクリーンには一度に16分割までされる。また、官邸の原子力災害対策本部ともつながっている。ビル全体が停電した際のバックアップとして、30時間ぶんのバッテリーが確保されているという。
- 内容
1.ERC概要説明/2.TV会議システム接続試験/3.質疑応答/4.自由撮影
- 日時 2013年6月20日(木)
- 場所 原子力規制庁(東京都港区)
なお、福島第一原発事故の対応に関しては、今回公開されたERCとは別に、併設されている事故対処室にテレビシステムが設置されているという。このシステムは、24時間365日、常時接続の状態になっている。今年になってからたて続けに発生している、使用済み燃料プール冷却システムの停止、地下貯水槽からの汚染水漏れといった福島第一原発でのトラブルに関しても、規制庁の広報担当者は「(ERCを移転していないことで)特に連絡に不都合はなかった」と説明した。