オスプレイ誘致発言「どうってことない」、参院選「隠し玉選挙」と自民を批判 ~橋下徹大阪市長定例記者会見 2013.6.13

記事公開日:2013.6.13取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

 2013年6月13日(木)14時、大阪市北区の大阪市役所において、橋下徹大阪市長による定例記者会見が開かれた。会見は、市政に関する「第一部」と、市政以外の質疑を受け付ける「第二部」で行われた。

 このうち、第二部では、橋下市長や松井一郎大阪府知事による八尾空港(大阪府八尾市)へのオスプレイ誘致発言に対して、大阪府下の市長会が「発言で不安を煽られた」と抗議していることについて、「沖縄で実際に基地負担しているリスクを考えたら、こんな抽象的な不安なんて、どうってことない」と発言した。また、参議院選挙に向けて、自民党が選挙に不利になるような政策のPRをトーンダウンしていることについて、「このままでは、選挙後に大混乱が起きる。『隠し玉選挙』だ」と批判した。

■全編動画 ※10分20秒あたりから始まります。

  • 日時 2013年6月13日(木) 14:00〜
  • 場所 大阪市役所(大阪府大阪市)

会見第一部(大阪市政について)

 冒頭に橋下市長が、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)の先行開発地区(約40ヘクタール)のうち、物流用地(約ヘクタール)への進出事業者を募集する計画を発表した。7月下旬に公募を開始し、10月に実施する入札を経て、年内の契約締結を見込む。進出事業者には地方税を5年間免税し、続く5年間は半額減税の優遇措置を実施する意向も明らかにした。

 続いて質疑応答が行われた。市立幼稚園の民営化に関する意見交換会において、慎重論があることについて問われた橋下市長は、「各区の協議会で情報収集をしているが、幼児教育専門家に話を聞く限り、経営形態が選択基準になっているとは思わない」と述べた。また、「公募区長からも慎重意見があるようだが」との問いには、「一部の人が反対しているというような理由ではダメ。学校選択制や幼稚園民営化で慎重論を唱える区長は、僕に論破されるような理由説明ではダメだ」と釘を刺す意見を述べた。

 記者から、「(これまで無料だった)敬老パスの3000円自己負担が始まり、多いところでは区役所に100人位が苦情に訪れているが」と問われた橋下市長は、「窓口で丁寧に説明してご理解いただく。ただ、費用を一部負担してでも受益すべきかどうかは、住民側の判断。これこそ、住民自治の最たるものだ」と述べた。

 天下り防止のガイドラインに反し、外郭団体の役員37人のうち11人が、民間公募を経ずにそのまま続投した問題については、「もう少し理由を確認してから記事にしてほしい。公募手続きを取らなかった理由は、株式売却までの期間がわずか1年と短かったためである。任期1年で公募しても、人は集まらない」と橋下市長は述べた。

 橋下市長による、一連の「慰安婦発言」や「風俗活用発言」に関連し、訪問を予定していたサンフランシスコ市側から、訪問を見送るように忠告するメールが5月22日に届いていたことが明らかになった件について、「なぜ、これまで公にしなかったのか」と問われた橋下市長は、「あれは、内々で非公式に送られてきた、内密な情報。表に出たほうが大問題だ」と反論した。

会見第二部(大阪市政以外について)

 オスプレイを八尾空港に誘致する発言に対し、大阪府下の市長会から抗議が出ていることについて見解を求められた橋下市長は、「市長会が『不安を煽られた』というが、いま沖縄で実際に基地負担しているリスクを考えたら、こんな抽象的な不安なんて、どうってことない」と斬り捨てた。また、「検討前の段階から反対反対と言うのはおかしい。(一部メディアが提案していたような)水面下で検討するほうが問題ではないのか」と持論を述べた。

 日本維新の会が、6月7日に単独でカジノ法案を国会に提出したことについて、「なぜこの時期なのか」と問われた橋下市長は、「他党は、選挙前に不利になることを言わない。実際、憲法改正論もパタっと止まった。維新は、猛反対を食らうようなことでも参議院選挙の争点にする」と述べた。さらに、「自民党は選挙前に不都合なことを出さない。このままでは、国民は株価など、経済状況だけを見て投票し、選挙が終わってから『こんなはずじゃなかった』と混乱が起きる『隠し玉選挙』になってしまう」と批判した。これに関連し、橋下市長は、日本維新の会の選挙公約に、96条などの憲法改正、統治機構改革、混合診療推進、農業改革推進、沖縄基地負担の軽減、カジノ解禁などを盛り込む方針を明らかにした。 

 松井知事の訪米中に、「慰安婦問題」がアメリカ側から出ていないとされる点について、記者から、「松井知事が『国内の反応が過剰だったのでは』とコメントしていたが」と問われた橋下市長は、「アジアの中の、一人の大阪市長が言ったことが、いつまでもアメリカ全土で話題になることはないのではないか」とコメントした。

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