青森・函館・道南5団体による大間町役場申し入れ 2013.4.19

記事公開日:2013.4.19取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2013年4月19日(金)21時より、青森県下北郡大間町の大間町役場で、「青森・函館・道南5団体による大間町役場申し入れ」が行われた。行政側からは、企画経営課長、原発担当係長が臨席し、申し入れサイドは、大間原発反対現地集会実行委員会、大間原発に反対する会、弘前核に反対する会、大間原発訴訟の会、函館下北から核を考える会の各代表者が、申し入れ書を携えて、大間原発建設中止を訴えた。

■全編動画

  • 日時 2013年4月19日(金)21:00~
  • 場所 大間町役場(青森県大間町)

 大間町役場において、青森・函館・道南5団体が、大間原発反対を訴えた。行政側で対応したのは、4月に着任したばかりだという企画経営課長と、原発担当係長各1名。以前は、大間町役場にも原子力担当課があったが、企画統制課と原子力安全対策室が統合された、との説明があった。申し入れ側は、大間原発反対現地集会実行委員会、大間原発に反対する会、弘前核に反対する会、大間原発訴訟の会、函館下北から核を考える会の各代表が臨席し、まず、申し入れ書を読み上げた。

 「大間町は、大間原発建設を断念すべき。2010年10月1日、電源開発は、地元の市町村に事前相談もなく、工事を再開した。大間町佐井村と風間浦村には当日の朝、函館市には当日午後に、事後報告で済ませた。これによって住民は、電源開発への不信と、原発への不安を増長させた。福島第一原発の過酷事故も検証されていないのに(原発建設に)突き進み、避難道路やオフサイトセンターの建設計画も、過酷事故を前提としている。金澤満春大間町長の使命は、町民の生活を守ることを優先とし、原発に頼らない街作りを考えるべきである」などと訴えた。

 それに対して、担当課長からは「避難道路に関しては、県や市など、行政が要望している。事故については、7月に原子力規制委員会の新しい規制基準が決まれば、電源開発は『それに基づく』と言い、自治体や町長も、そう理解している。街作りに関しては、原発建設の財源で進めている。各関係自治体は、安全第一を最優先を考えている」との回答があり、最後に、担当課長は、着任したばかりでの勉強不足を陳謝した。また、申し入れ団体は、他の質問に対しては後日、文書での回答を要請した。

 次に、質疑応答に移った。「新基準について考慮していると言ったが、新基準の中身を理解しているのか」と問われて、担当課長は「新基準はまだわからない。現在、新基準にかかる部分、影響のある箇所の工事は行っていない。7月の新基準が出たら、それにあわせた形で工事を進める」と答えた。

 陳情者の1人は、続けて「事業者の言っていることを、オウム返しに言ってもらっても、誠意を感じないし、納得できない。新任といえども、それをいいわけにしても通用しない」と担当課長を非難したが、担当課長は頷くばかりで答えなかった。ほかの陳情者が「街作りも、原発建設が中止になったらすぐに頓挫する。そういう行政は、よくない。東通や六ヶ所村などは、弘前市、青森市と避難地域を策定しているが、大間原発はどうなのか」と訴えたが、担当課長はあいまいに答え続け、「私が決めることではないが、上には進言する」とだけ回答した。

 3人目の陳情者は「函館と大間間に、就航したフェリーに乗ってきた。大間と函館は、経済圏が一緒だ。今、函館は、大間原発建設差し止め訴訟をしている。大間町はどう考えているのか」と訊いた。担当課長は、それに対して、「函館市のことに、何も言うことはない。しかし、観光事業などは連携していく」と答え、陳情者の1人が「函館市の訴状内容や骨子について把握しているか」と訊くと、担当課長は「内容については知らない。訴訟を起こすことは、大間町としてはできない」と答えた。

 ほかの陳情者は「今回、就航した大函丸フェリーは、防災航路でもある。自治体が訴訟を起こしたことは、とても画期的なこと。それをノーコメントでは誠意がない」と指摘し、「今までは、国も、自治体も、住民もいい加減だった。しかし、これからは、それではいけない。大間町に限らず、貧しくても生きていける、子々孫々つないでいける町にしないといけない」と語った。また、別の陳情者は「すでに配送電設備ができている。汚染する核ではなく、ほかの火力や、研究所などに計画変更して、予算を取ればいい」と提案し、行政側とのかみ合わない討論が繰り広げられた。

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