2013年4月24日(水)、神奈川県横浜市中区の神奈川県庁で「黒岩祐治神奈川県知事 定例記者会見」が開かれた。
黒岩知事は、神奈川県内でも風しんが流行しているため、予防接種の機会がなかった年齢層などへ必要な措置を講じるように、国へ要望を行うことに言及した。
また、安倍政権が強い意欲を示す道州制の導入については「一気に進めていくのは時期尚早」としながらも、「道州制を目指していく」と明言した。
(IWJテキストスタッフ・中川/澤邉)
2013年4月24日(水)、神奈川県横浜市中区の神奈川県庁で「黒岩祐治神奈川県知事 定例記者会見」が開かれた。
黒岩知事は、神奈川県内でも風しんが流行しているため、予防接種の機会がなかった年齢層などへ必要な措置を講じるように、国へ要望を行うことに言及した。
また、安倍政権が強い意欲を示す道州制の導入については「一気に進めていくのは時期尚早」としながらも、「道州制を目指していく」と明言した。
■全編動画
最初に黒岩知事は、足柄茶の一番茶の放射性物質検査を小田原市、秦野市、真鶴町、湯河原町の2市2町で実施した結果、食品衛生法上の基準値(1キロあたり10ベクレル)を下回ったと発表し、「大丈夫だろうと思っていたが、ほっとしたところである」と語った。
次に、16日の定例会見で神奈川県が「風しん非常事態」を宣言し、予防接種費用の助成を行う市町村に対して、総額で約1億円の支援を行う方針を表明したことに関して、「県の呼びかけに早急に対応する動きが広がり、翌17日には厚木市が助成を表明するなど、現時点で把握した中では、17市町村が実施を発表して、その他もすべて実施に向けて検討をしている」と報告した。
質疑応答では、22日に開かれた全国知事会議で、与党が国会提出を目指す道州制推進基本法案について意見が交わされたことで、道州制への考えを問われると、「基本的に、神奈川県は道州制を目指していく。神奈川は907万人も人口がいる一つの国のような規模だから、まずは、一つの道州という形で進めていく大きな方針を出している」と返答。また、与党が法案提出の構えを見せていることには「一定の評価をしたい」と話した。
その一方で、「今回の法案では、道州制のもとにおける国の出先機関について、『廃止』ではなく、『整理合理化』としている。また、国民会議での検討期間や答申を受けてから法整備までの期間が、短く拙速であるとの意見もある」と述べた。さらに、「全国知事会議の議論を聞いても、知事の間でも道州制に対するイメージそのものが、意見を集約するような段階にきていない感じがした」と語り、「いろいろな形で議論を進めていくことが、これから大事ではないか」と言葉を重ねた。
続けて、7つの政令指定都市(横浜、川崎、相模原、さいたま、千葉、京都、神戸)が、「特別自治市」の実現に向けて共同研究会報告書を公表したことに関して見解を求められると「政令市がそういう考えをまとめていくのは、それはそれで、しっかり受け止めなくてはいけないと思っている。ただ、私が担当している神奈川県からするならば、確かに大きな3つの政令市(横浜市、川崎市、相模原市)があるが、それによって、住民に大変な不便をかけたり、不愉快な思いをさせたりしていることは特にないのでは」とコメントした。
また、「権限の問題など、それぞれ見解が違うところもあるが、いろいろな問題については、今、県とそれぞれの政令市は、きちんと話し合いができる体制になっている。知事とそれぞれの市長同士も、率直にコミュニケーションがとれる環境にある」と強調した上で、「部分的にいろいろな問題が出てきたならば、その都度、話をしながら乗り越えていけると思っている」と口にした。
安倍政権が掲げる「アベノミクス戦略特区」に神奈川が含まれていないことについて質問が及ぶと、黒岩知事は東京・大阪・愛知の三大都市圏を中心に特区を創設するとした報道に触れ、「中身を読んでみると、神奈川が言っていることがずいぶん入っている。いろいろ確認をした」と話し、産業競争力会議で検討された内容は竹中平蔵慶大教授の案であることを「本人に確認をした」という。また、「『別に東京、大阪、愛知と決まったわけではない。例えば、と言っているだけで、全然決まっていない』ということだった。これは竹中さんの、ある種、私案の段階」とも付け加えた。
さらに、「私が今まで(京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区を)説明していたのは菅官房長官のライン。このライフイノベーション国際戦略総合特区は、内閣府の健康・医療戦略室につながっている。私がそこの参与にもなっていて、その参与会議を仕切っているのが菅官房長官である」と明かした上で、「竹中私案の話と菅官房長官の話が、融合されずにしっかりとした案になってなかったことが、プロセスの中で(報道に)出てきてしまったのが現状」とも補足した。
そして、竹中氏にライフイノベーション国際戦略総合特区というのは、「グローバル・コラボレーション・センターも立ち上げて、具体化に向けて加速しているところだ」と伝えたことを明かし、「『我々こそがアベノミクスの成長戦略を担おうという意気に燃えて行っているところだから、そこだけは忘れないでほしい』と言ったら、『それは十分わかった、受け取りました。いま出ている話は決まった話ではないから、そういうことを全部踏まえた上で、必ずその話は伝える』という話だった」と説明した。
最後に、主権回復の日の式典についての対応を問われると、「まだ対応は決めていない」と答えるにとどめた。