2011年9月22日(木)、文部科学省にて行われた、森ゆうこ文科副大臣定例会見の模様。
2011年9月22日(木)、文部科学省にて行われた、森ゆうこ文科副大臣定例会見の模様。
■全編動画
【森ゆうこ文部科学副大臣記者会見テキスト版】
(※文部科学省HPより)
●副大臣
皆さん、こんにちは。大変お疲れ様です。
それでは、まず私の方から、このたびの台風15号の被害状況について、まずお話をさせていただきたいと思います。
まずはじめに、今回の台風で被災された方々にお見舞いを申し上げますとともに、行方不明になられている方の一刻も早い捜索、そして救出活動が進められることをお祈りしたいというふうに思います。
で、今回の台風による文部科学省関係の被害状況は、本日9月22日13時現在までで、人的被害につきましては、岐阜県多治見市の小学生1名、4年生の男の子ですけれども、下校中に水路に流されて安否不明との報告を受けております。
また、物的被害につきましては、屋根の破損、床上・床下浸水、のり面の崩壊など被害を受けた公立学校等の文教施設は、神奈川、愛知など1都15県で85施設との報告を受けております。
文部科学省といたしましては、引き続き関係教育委員会等との連絡を密にいたしまして、的確な被害状況等の把握に努め、被災地への協力・支援に万全を期して参りたいと思います。
特に、下校中に児童が水路に流されたという事故につきましては、本当に大変なことであるというふうに思います。一日も早く見つかることを本当に祈らざるを得ませんが、大臣からもお話がございましたように、先般の東日本大震災、津波によっても、尊い多くの児童の命が失われたということもございまして、防災教育、今、有識者の会議で見直して検討していただいておりますが、この結論というか取りまとめが今月中にも出ますので、それも踏まえまして、防災教育の新しいマニュアル作り等々、国としてしっかり支援をしていくことを来年度の概算要求にしっかりと盛り込んでいきたいというふうに思います。
それから、予算編成のことでございますけれども、まだ調整中でございまして、あまり多くは申し上げられないんですけれども、私、就任のときの会見でも申し上げましたように、所管としては直接ではないんですけれども、大臣、そして奥村副大臣からも御了解をいただきまして、子どもたちを放射能から守るということについて取り組んで参りたいということで、第三次補正予算におきましては、新たな事業といたしまして、安全安心のための学校給食環境整備事業というものを、まずは頭出しをさせていただいているということでございます。
また、昨日、放射性ヨウ素の汚染マップというものが汚染マップの検討会議に示されたところでございまして、皆様もう御存じだというふうに思いますけれども、私といたしましては、これらの、また今後も発表されるというふうに思いますけれども、文科省が作成して参りました汚染マップというものに基づいて、今後、児童等を守るために、子どもたちを放射能被害から守るために、また、様々な専門家から、あるいは市民の、国民の皆さんからのいろんな御提案、御要望があるというふうに思いますし、そのために対応できるように概算要求において、そういう機動的に対応し得る予算というものが考えられないか、今御提案をさせていただき、検討させていただいているところでございます。
私の方からは以上でございます。
○記者
小中学校での35人以下学級についてなんですけれども、来年度は小2で優先して取り組むということが決められたようですけれども、そのほかの学年については、どのような段取りで進めていかれるおつもりなのか。
文科省は、昨年に新しい教職員定数の改善計画を決められましたが、その内容を見直して新しい計画を新たに作り直すというようなこともお考えなのか、お聞かせください。
●副大臣
現時点におきましては、もう既に大臣の方から来年度予算におきまして、本当は全学年といいますか、小・中を通していろんなところでそういうことができればいいんですけれども、予算の制約もございますし、まずは来年度は今年1年生を35人学級ということを受けまして、2年生の方に拡充をするということで方針を打ち出しております。
有識者の会議におきましても、検討を行っていただいているところでございまして、今月中に出るということも踏まえまして、質の高い教育を実現するということで、概算要求に盛り込むというところからのスタートで、今ほどの御質問につきましては、その後の検討というふうになるかと思います。
○記者
2点質問があります。就任のときにも御発言がありましたが、いま一度、学校給食で検査機能の補助を出されるということなんですが、その事業の御趣旨というか、ねらいについてお願いします。
それからもう1点、先ほどの御発言で、「機動的に動けないか」という、汚染マップの放射線対策で機動的に動けるような予算をという御発言があったんですが、もう少し、どんなイメージになるのかというのを教えてください。
●副大臣
後の方の質問でございますけれども、御存じのとおり、低線量の被ばくに関しては、専門家の間でも意見が分かれております。また、しかし一方で、専門家の意見を一方的に押し付けても、これは皆さんが本当に子どもたちは大丈夫なのかということで、不安な中で過ごされているという実態もございます。
そういう意味で、順次汚染マップというのが明らかになっておりまして、引き続き、その分析も行われているところでございますので、その結果を踏まえて、今現時点でどういう対策を具体的にやるかということについては、お答えできる段階ではございません。
様々な形で、こういう対策をやってほしい、やるべきである、そういうお声は頂戴はいたしておりますけれども、現時点において、何か具体的にこういうことをやるというふうなことは、お答えはちょっとできないかなというふうに思います。
それから、三次補正におきまして、本当に滑り出しといいますか、「頭出し」というふうに先ほど申し上げさせていただきましたが、安全安心のための学校給食環境整備事業、一応そういうタイトルでございますけれども、一応、政府の立場としては、市場に出回っている食品は安全であるという立場ではございますが、そして厚生労働省、そして農水省ともに、食品の放射性物質による汚染されたものが出回らないための、様々な対策が強化されつつあるところですが、やはり一応建前はそうなんですが、その検査の状況というのも細かく行われているわけでもございませんし、大変保護者の皆様からも、それは福島県に限らず、多くの学校において、この学校の給食の安全確保策に取り組んでほしいという御要望もございます。
また、先行して幾つかの自治体で既にそのような取組も行われているところでございまして、私は文部科学省の予算、政策として、これをスタートすることが、文部科学省としての、この給食の安全確保策を行うのだという、そういう姿勢を示すことにつながる。それも一つ大きな意義でありますし、あといろいろやり方については、いろんな専門家の先生方から御提案もあるところでございまして、できるだけとにかく、やはりこれ以上というか、子どもたちに放射性物質、内部被ばくさせないということが、何よりも私は重要であるというふうに考えております。
○記者
もう1点だけ。これまで食材の安全基準に関しては、いろいろ議論があります。学校でも検査をして、例えば暫定基準値以下でも、放射性物質が、セシウムとかヨウ素が検出されるということもあり得ると思います。
で、副大臣の考えとしては、学校給食の食材で基準値以下でも出たという場合、これは食べさせない方がいいのかしら、それとも暫定基準値以内だから食べてくださいということになるんでしょうか。それは御方針というか、副大臣としてそういうことはお考えになっておられますでしょうか。
●副大臣
学校給食……、今ちょっと事務方からメモが入ったんですけれども、建前としては、この学校給食の実施者というのは各自治体、そして学校管理者ということで、そこで御判断されるべきであるというのが建前なんでしょうけれども、今、暫定基準値を見直すという作業も一方で行われているわけでございまして、予算に関しては先ほど申し上げたとおり、頭出しということで御提案をさせていただいて、最後、調整をさせていただいているところでございますが、これはこの事業をするということについて、じゃあ学校給食の基準というもの、この暫定基準値を下回ればいいのかということについて、やはり今後きちんとそういうものも検討をして、少し問題点を整理すべきであるというふうに思っておりますので、まだそこまで準備は進んでおりませんが、私としては、そういうことも部内で提案をさせていただきたいと思っております。
別途基準値を作るということではございませんが、子どもの、それは我々が一方的に押し付けて、もう暫定基準値以下なんだから大丈夫ということであっても、保護者の理解が必ずしも得られるわけではないわけでして、そういうことも含めて、今後少し整理をさせていただきたい、問題点を、というふうに思っています。
○記者
八重山の教科書問題について伺いたいんですけれども、16日に冊数が報告されて、あと文科省としては、この問題解決に向けて具体的にどのような対応を現時点で取ってきているのでしょうか。何か新たな対応等はされているのでしょうか。
●副大臣
先週と、私どもの取っている対応に変わりはございません。9月16日の需要数の報告という期限は既に過ぎておりますが、引き続き、これは地元で、とにかく一本にまとめていただきたいということをお願いしているところでして、それ以上、特に現時点において、この問題についてお答えすることはございません。
○記者
関連で、この採択に当たっては、地方教育行政法と無償措置法の関係というのは、やはり問題となってきていると思うんですけれども、文科省としては、この二つの方、どちらが優先するというふうにお考えなんでしょうか。
●副大臣
どちらが優先するというよりも、無償措置法においては、地区協議会においては一つの教科書にまとめるというのが、その前提と、条件ということになっている。
○記者
今「条件」というふうにおっしゃったということは、教育委員会の採択権が条件付けられているということですよね、無償措置法上で。
●副大臣
どちらがどうというよりは、この条件を満たしていただい……、並立しているわけでして、そういう中で、現時点においては地元の皆さんに、やはり一本化へ向けて最後の御努力をお願いしたいと、そういうことでございます。
○記者
じゃあ、その場合、じゃあ地区内で同一のものを採択するという条件が満たされないままだと、無償措置の対象から外れるということになるのでしょうか。
●副大臣
現時点においては、そういうことは申し上げられません。
○記者
じゃあまだ検討中ということですね。
●副大臣
今は、とにかく皆さんの御努力をお願いしたいという立場でございます。
○記者
法律を読むと、「条件付けられている」というふうな記述はなかったと思うんですけれども、そのように解釈している理由はなぜでしょうか。「条件付ける」というふうな文言は、明記されていないと思うんですが。
●副大臣
別に「条件付けられる」という文言が明記されていないからといって、それが条件ではないと言うこともできないと思いますけれども、その辺の法律の細かい解釈に、現時点で、更に今日はちょっと、この場で御議論をさせていただかない、とにかく地元の皆さんの努力をとにかくお願いするという、それをお待ちするということに尽きます。
○記者
確認ですが、先ほど「並立」ということもちょっとおっしゃったんですが、「条件付けられている」ということでよろしいわけですよね。
●副大臣
この問題は、また、もう少し地元の皆さんの御努力をお待ちして、その上で我々の、とにかく基本は、子どもたちの教育がしっかり確保されると、教育の環境がしっかり確保されるというのが最大の目的ですので、それに向けて、とにかく地元の皆さんの努力もお願いするということに尽きますので、現時点において、私どもがまたあれこれというふうなことは、今日は私は申し上げないつもりです。
(了)