2013年3月20日(水)13時より、岡山県加賀郡の吉備中央町長田ふれあいセンターで、「ルーラルスクール第2弾 ソーラーパネル組み立てワークショップ」が行われた。講師の大塚尚幹氏の指導の下、7組の参加者たちがペンチやドライバーを使い、実際に100ワットパネルを組み立てた。
(IWJテキストスタッフ・阿部玲)
2013年3月20日(水)13時より、岡山県加賀郡の吉備中央町長田ふれあいセンターで、「ルーラルスクール第2弾 ソーラーパネル組み立てワークショップ」が行われた。講師の大塚尚幹氏の指導の下、7組の参加者たちがペンチやドライバーを使い、実際に100ワットパネルを組み立てた。
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講師の大塚氏は、福島県川内村から岡山に避難中で、さらなる避難者の受け入れや、自然エネルギー普及のために、精力的に活動を行っている。福島では7年間、ソーラー発電だけで家の電気をすべてまかなっていたという。自らが被災者でありながら、震災後の20日後には、宮城県の南三陸町にボランティアとして訪れた。ソーラー発電は独立電源のため、災害時停電になったとしても使用できるのが強みである。大塚氏は、発電システムを軽トラックに積んで行き、避難所では42インチのテレビを見せることができたという。大塚氏は「避難者たちは、被害の規模をテレビの映像で見ることで、自分たちがどういう状況なのか理解できて、安心していた。発電機はあちこちの避難所にもあったが、燃料切れで動かせず、ガラクタ同然だった」と話し、現場での経験から、ソーラー発電のメリットを再認識したという。
作業に入る前に、大塚氏は参加者に電気の基礎知識を伝授して、「W(ワット・消費電力=V(ボルト・電圧)×A(アンペア・電流)。算数が好きではなくても、これだけは覚えて欲しい」と念を押した。自分の使うバッテリーで、どれぐらいの時間、照明をはじめとする電化製品を使用できるか、計算するのに必要だからだ。今回使用するバッテリーでは「12~3ワットの蛍光灯なら50時間は照らせる」が、自作システムでは「余った電気は売ることができないので、使い切るしかない」ので注意が必要だという。
また、「赤色と黒色の線の場合は、赤がプラスで黒がマイナスとなるが、黒色と白色の線の場合は、黒がプラスで白がマイナスとなる。混同しやすいので、特に注意」と強調した。これを逆にするとショートして大変危険であり、「自分の家の中だけ、逆につないでも確かに機能はするが、何かトラブルがあって第三者が修理する時など、混乱するのでやめた方がいい」と、色付きのテープで区別することを推奨した。
終了間際、バッテリーがショートして大きな音がし、一同が驚く場面があった。金属製スパナでボルトを回した際、隣の端子に触れてしまったためだ。主催側も予期せぬことであったようだが、電気の素人が扱う以上、スパナの持ち手を絶縁の布やテープで覆うなど、より慎重な対策が必要なことがわかり、次回への教訓となった。
実際の組み立ては、約1時間ほどで完了する。ショートにさえ十分に気をつければ、作業自体は女性や子どもにもできる簡単さで、見学者も含めて総勢30名を超す人々で会場は賑わった。「いきなり屋根設置型のソーラー・システムは不安」という人にとっても、費用は屋根設置型の4分の1程度で済み、「電力の自立」に手軽にチャレンジができる今回のワークショップは、よいきっかけ作りとなっていた。