Big対談 村上達也村長&小森陽一氏/東海村 2013.3.30

記事公開日:2013.3.30取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2013年3月30日(土)13時40分より、茨城県東海村の東海文化センターで「東海村から日本の未来を考える ~いのちを守るために〜 Big対談 村上達也村長&小森陽一氏」が行われた。

 日本の原子力産業の拠点として長い歴史を持つ東海村村長の村上達也氏は、福島第一原発事故を受けて、反原発を表明した。東大大学院教授の小森陽一氏は、文学が専門だが、全国「九条の会」事務局長を務める。

 小森氏と村上氏は、「現在、福島第一原発だけが問題にされ、他の原発の安全検証などは進んでいない。しかし、安倍政権は、住民の声も聞かずに再稼働を推し進めようとする。これは改憲とセットなのだろう」と指摘し、国民不在で原発が推し進められる、日本社会の背景を探った。

■ハイライト

  • 13:40~ オープニングアクト みんなで歌おう 橋本実氏
  • 14:00~ 村上達也氏(東海村村長)×小森陽一氏(東京大学大学院教授)

 800席の会場が満席となり、立ち見も出る盛況の中、実行委員会代表の田村武夫氏(茨城大学名誉教授)の開会挨拶に続いて、小森氏と村上氏が登壇した。小森氏は「この3月18日、福島第一原発内で同時多発的に停電した。原因は、原発事故後に仮設した配電盤を2年以上使っていたところに、ネズミが接触したことだという。このような東京電力の安全対策への姿勢、ここに本質的な問題がある」と話した。

 次に、村上氏が「4号機の使用済み燃料プールの冷却失敗が、もっとも重篤な危機を起こすと、発災当時から言われていた。当時の原子力委員会の近藤駿介委員長と、原子力安全委員会の斑目春樹委員長が、災害シミュレーションをして、(燃料プールの冷却ができなければ)170キロ圏内が居住禁止、250キロ圏内は強制避難、東日本全体が壊滅する、と見立てていた。4号機は、発災数日前から定期点検中で、工事の不手際で水を入れたままだった。これが不幸中の幸いとなり、メルトダウンの危機を間一髪で免れた。まさに天佑(天の助け)だ」と語った。小森氏が「東海第二原発についても、天佑があったと聞いたが」と尋ねると、村上氏は「水中ポンプ室の防潮堤に欠陥があり、発災2日前の3月9日に修復していた。しかも、私はこの事実を、2011年10月に、細野原発担当大臣から初めて聞かされた」と答えた。

 次に村上氏は、斑目前委員長の著作『証言 班目春樹 原子力安全委員会は何を間違えたのか?』(2012年11月新潮社刊)をとりあげ、「この本に書いてあるが、3.11では、東海村から女川原発まで、すべての原発が危機的状況にあった。女川原発では、5つの電気経路のうち4つが壊滅。残った最後のひとつの電源で、かろうじて危機を免れた。東海第二原発も、SR弁を170回、繰り返し開閉して危機を脱していた。今、福島第一原発については、さかんに報道され、分析もされるが、他の原発については一切検証されていない」と語った。

(…会員ページにつづく)

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