2013年3月23日(土)13時30分から、北海道札幌市の市民活動プラザ星園で「広域避難の現状と今後を考えるシンポジウム」が行われた。東日本大震災と福島第一原発事故により、全国各地に広がった避難者の現状と、適切な支援のあり方について、広域避難の当事者団体の代表が話し合いを行なった。
(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)
2013年3月23日(土)13時30分から、北海道札幌市の市民活動プラザ星園で「広域避難の現状と今後を考えるシンポジウム」が行われた。東日本大震災と福島第一原発事故により、全国各地に広がった避難者の現状と、適切な支援のあり方について、広域避難の当事者団体の代表が話し合いを行なった。
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北海道に避難している被災者による自助組織、みちのく会の本間氏は、「北海道では旭川、札幌、空知に支部を持って活動している。避難者1400名の登録があり、避難して来た方が、次の避難者の受け入れを支援するサイクルができつつある。北海道の避難者のうち、放射能による健康被害を心配している人が7〜8割、母子避難が7割、福島県からの避難が7割、残りの3割が宮城県や関東圏からの避難である。避難元各地の特色や出身地の違いも活かして、お互いに情報交換をする場所を大事にして活動している」と話した。
山形県避難者母の会の中村氏は「山形市は、福島県からの避難者が一番多く、約1万人が避難しており、その半数が山形市、4割が米沢市に集中している。山形は福島県の隣の県ということもあり、福島に仕事を持っているお父さんが、通える距離にある。今年の4月を境に、福島へ戻る避難者も増えている」と話した。
村上氏は、ふくしま新潟避難者の会について、「新潟県は5727人の避難者を受け入れており、4割が新潟市、2割が柏崎市に集中している。新潟市は自主避難者が多く、柏崎刈羽原発のある柏崎市には、原発関係の仕事だった人が移って来ており、避難者の状況も他の地域とはかなり違っている」と話した。さらに「避難者の支援にあたっては、医科学的な論争や、社会的な運動へは中立的な立場をとること、それぞれの多様な価値観を認めることが大事だ」と話した。
話し合いの中で、避難している当事者のニーズが地域によって違うことが指摘された。参加者は「実情を把握し、それぞれの避難者の求めるものを、このようなネットワークを通して大きな声にして、原発事故子ども・被災者支援法などに反映させていきたい」と力を込めた。