東京電力 記者会見 18:30 2011.4.10

記事公開日:2011.4.10取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

 2011年04月10日(日)、東京電力本社で、記者会見(18:30~、1:32′)が行われた。
 現在低レベル汚染水の海洋投棄を実施中、今晩中に終わる予定。無人ヘリ(T-Hawk)による建屋上空の観測を行った。また、がれき除去に関するJVは主契約である東電の単独判断により、一切の内容を公開しない考えを示したが、りゆうが不明瞭であり記者から抗議の声があがった。

■全編動画
会見

ぶらさがり

今日のまとめ

 無人ヘリ(T-Hawk)により上空150mからプラントの状況確認を行ったことを発表した。いままで航空写真により状況確認を行っていたが、より建屋に近い位置から詳細な状況確認ができること、赤外線カメラにより温度分布の測定などにより、建屋上空のガレキ散在状況や使用済燃料プールの水面の確認などが期待される。

 トレンチ溜り水の線量が1000mSv/hを越える箇所があり、ホットスポット線量計を確保しているが、現場の雰囲気線量が高く、計測のためだけに現場で行くことはできない状態である。他の作業がある時に同時に計測し、作業環境の測定をしている。
 実際の作業は効率的は作業段取りを整え、多人数で順繰りに作業していく、一人当たりの作業時間を制限してやっていくことになる。

 屋外作業を行なっていた作業者一名が体調不良を訴え、病院へ搬送され、過労と診断された。アノラック上下、全面マスクで作業を行っており、累計被曝線量は16mSv、現場の環境線量は5mSv/hだと発表。また、これから気候が暑くなる時期であり、作業者の熱中症対策や健康管理が重要になってくることを示した。

 震災から一カ月経過するが、安定的な冷却への見通しは困難であるという考えを示した。困難は主に2つあり、先ず、作業環境が良くない、タービン建屋地下の溜まり水等の高線量のものがあり現場に近づけない状態である。もうひとつは、原子炉内・周辺機器の状態がはっきりわからず、循環型のシステムを作るのが難しいことだと述べた。

 ストロンチウムの検出について、実施期間等現在検討している状況であり、計測していないことが明らかになった。

 海外からの協力の申し込みについては、現在集計など全数を把握しきれていないが、無償支援は4/8現在9カ国、21団体から、ロボット、ディーゼル発電機、コンクリートポンプ車、パージ船、防護服、専門家の派遣などの技術支援を受け入れている。

 一方、がれき除去に関するJVについて、発注時期、期間、金額については主契約にかかわることという理由で、一切公開しないという考えを示した。契約云々に関して、今回はこれだけの事故が起きて税金も使われており、契約を理由に明かさないというのはおかしいのではという指摘が記者から出たが、東電の意志で公表しないと明言した。更に、作業員の負傷などでもプライバシーに関係するので公表しない考え、本人の所属している協力企業が言っていても、東電からは言えないが、理由の回答がなく持ち帰りとなった。
 主契約であるというだけで不明瞭な回答に、記者がぶちぎれる場面が見られた。

 塩素38が検出されたことは再臨界ではないか、プラントパラメータで燃料集合体が水面上に露出しているのでなないか、という質問について、詳細は解析中であるとして詳細回答は避けた。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です