野田政権が消費税増税に邁進している。先日まとめられた「社会保障と税の一体改革」の素案によれば、消費税は2014年4月1日から8%、2015年10月1日から10%へと段階的に引き上げられる。しかし、民主党がマニフェストに掲げた最低保障年金の創設には、さらなる増税の上積みが必要とされるという。
岡田克也副総理は、1月22日のフジテレビの番組内で、「年金抜本改革の財源は今回の10%増税に入っていない。さらなる増税は当然必要となる」と述べた。さらに24日の定例会見では、10%を上回る消費税増税について、「10%にめどがついたところで、どうするか決めていかないといけない」と、今後のさらなる増税に含みを残した。(【動画URL】http://iwj.co.jp/wj/open/archives/2801)
野田総理は1月24日の施政方針演説で、「社会保障と税の一体改革」にともなう消費税増税に触れ、「これは、社会に、より多くの『温もり』を届けていくための改革です。消費税引き上げに当たって最も配慮が必要なのは低所得者の方々です」と述べた。しかし、このデフレ化における消費税増税という政策が、果たして本当に、社会に「温もり」を届けることになるのか。
私は、『増税が日本を破壊する』(ダイヤモンド社、2005年)、『消費税は0%に出来る-負担を減らして社会保障を充実させる経済学-』(ダイヤモンド社、2009年)などの著書がある、反増税論者のエコノミスト、菊池英博氏に、2010年2月10日、6月16日、7月4日と、3回にわたりインタビューを行った。
「デフレ不況下で行うべきは、まずは積極財政。その反対に緊縮財政を敷き、増税を行うことは、景気を腰折れさせ、不況の深刻化を招き、かえって税収が下がってしまう。絶対にやってはいけないこと」と、菊池氏は語った。
一昨年の総選挙では、消費税増税は行わないと公約して政権交代を果たした。にもかかわらず、民主党はなぜ、一転して消費税増税路線を突き進むのか。一連のインタビューでは、菊池氏の口から、鳩山政権から菅政権に交代後、民主党が増税に突き進むに至った事情が明らかにされた。
今号では、2010年2月10日に行われたインタビューを一挙公開する。1年7ヶ月前のインタビューではあるが、振り返って古びてはいないと思われる。
(続く)
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