労働者派遣法改正案・修正案の強行可決反対運動 2012.3.26

記事公開日:2012.3.26取材地: テキスト動画
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 2012年3月26日(月)、参議院議員会館前にて行われた、労働者派遣法改正案・修正案の強行可決反対運動の模様。

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  • 日時 2012年3月26日(月)
  • 場所 参議院議員会館前(東京都千代田区)

 日本赤十字社裁判原告の廣瀬明美氏は、強行可決されようとしている労働者派遣法における、国会審議のあり方、国会審議の内容、何よりも修正案の内容と修正案の出所に関して、これを許してはならないと訴えた。そして、派遣法の修正案を民主党が、自民党、公明党と手を結び出してきたことが残念であると語った。さらに非正規の働き方から目をそらし、国民の声を聞かず、経団連、人材派遣業界など財界のみの意見を取り入れる政治を批判した。

 キヤノン裁判原告の阿久津真一氏は、世界最先端の仕事を正社員と同等にこなしながら、職場のリーダーを務め、新入社員の指導をしてきたにもかかわらず、非正規ということで正社員の半分程度の賃金しか得られず、3ヶ月や6ヶ月の有期雇用契約だと話した。また、いつ首を切られるか分からない状態で働いていると話し、不公平な働かせ方だと訴えた。今回の法律の改正に関しては、当事者の声が反映されず、非正規労働者をモノとして扱う企業のためのものとし、国会議員は現状を理解して行動しているのかと疑問を呈した。

 働く女性の全国センター代表者の伊藤みどり氏は、本来労働法は働いている人が自分たちを守るためにあるべきのはずが、現場や派遣問題で裁判をしている原告達の声を無視して決められていると話し、国会議員が密室けで派遣法の修正案を通すことは、労働者のことを考えていない行為と指摘した。派遣については、派遣元の会社が派遣先に人を派遣するだけで中間マージンをとることは、人身売買と同じだと話した。さらに、派遣元の会社は派遣先の会社で派遣社員がケガをしたり病気になったり、解雇されたりしても責任をとらないと話した。今回の法案修正に関して、新しい労働市場を拡大するビジネスチャンスと捉えている人権感覚のない人達が法律をつくると話し、これが国民の政治不信につながると指摘した。

 首都圏なかまユニオン伴氏は、教職員の実態について、非正規労働、非常勤、あるいは1年更新の教員が多くなっていると話した。そして、本来は定数内で正規で働くべきところを臨時的任用教諭という形で働いていると話し、正規と同じ内容で働きながら任期があるので、社会保険など含めて正規の教員とは違う条件になり、不安定な働き方だと指摘した。そのうえで国会議員はこうした実態を見ていないのではないかと話し、調査を行い当事者の話を聞き、法律化するのが本来の議員であり、審議もせずに改正案を強行採決する手法に疑問を呈した。

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