2013年2月21日(木)18時から、新潟市江南区の亀田市民会館で、第6回市民主催説明会「山本節子さん講演会」が行われた。ジャーナリストの山本節子氏が、公害問題や汚染土壌問題に関する世界の事例を紹介し、日本における市民運動のありかたについて講演をした。
※電波不良のため、アーカイブが細切れになっております。何卒ご了承ください。
(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)
2013年2月21日(木)18時から、新潟市江南区の亀田市民会館で、第6回市民主催説明会「山本節子さん講演会」が行われた。ジャーナリストの山本節子氏が、公害問題や汚染土壌問題に関する世界の事例を紹介し、日本における市民運動のありかたについて講演をした。
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山本氏は、福島第一原発の事故後の日本について、「黙っていたら生き残れない世界になってきた。事故のあと、政府は放射能の基準値を大幅に緩和した。がれきの広域処理を放っておいたら、すべての焼却場がミニ原発になってしまう。がれき焼却灰を受け入れる最終処分場は、放射能の最終処分場になってしまう。これを1つでも食い止めなければならない」と話した。
また、「市民が自分の身の回りの社会を守りたいと考えるのに対して、行政や政治家の考えることは、自分の利益の保護である」と述べ、「われわれに必要なことは、まず、現状はどうなのかということを認め、学んでいくこと、行動に結びつけていくことだ」と話した。
山本氏は、アメリカのニューヨーク州にあるラブキャナルという旧運河で発生した公害事件を例に挙げ、「11年間にわたって、フッカー社の化学工場がBHC、DDM、ベンゾクロライドなどの廃棄物を運河に捨て、そこを埋め立てて住宅地や小学校が建設された。その後、住民には流産や先天性異常などが多発することとなった。のちにアメリカの市民運動の母と呼ばれる、ルイス・マリー・ギブスという1人の母親が、自分の子供がてんかんを発症したことを機に立ち上がった。住民に、汚染状況の情報がまったく知らされなかったことは、今の福島の状況とよく似ている」と述べた。
「ラブキャナルの例のように、行政や企業が土壌汚染の事実を隠蔽し、危険な場所に、何も知らない住民を『安全だ』と呼び込んで住まわせていく構造は、福島のエートスにつながる流れと同じだ」と山本氏は警告し、「正しい知識は、人を動かす。憲法12条のように、『国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない』ということを、理解してほしい」と語りかけた。