麻生太郎財務大臣兼金融担当大臣 定例会見 2013.2.5

記事公開日:2013.2.5取材地: 動画
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(八木)

 2013年2月5日(火)10時30分から、東京都千代田区の財務省で、麻生太郎財務大臣兼金融担当大臣の定例会見が開かれた。麻生大臣は、中小企業金融円滑化法の期限切れ問題について、ABL(動産債権担保融資)や資本性借入金の活用促進に言及。また日銀総裁人事については、「組織運営の経験がある人」が望ましいとした。

■全編動画

  • 日時 2013年2月5日(火)10:30~
  • 場所 財務省(東京都千代田区)

 冒頭の発言で、6月に予定されている世界税関機構事務総局長選挙において、御厨邦雄現事務総長の再選を目指して、政府が擁立することを明らかにした。

 借り手側の資金繰りを支援する中小企業金融円滑化法が、今年3月に期限切れを迎えることについては、「(期限切れ後も)検査、監督のスタンスや、不良債権の定義は何ら変わらない」と述べた。さらに、これまで政府が金融機関に対して求めてきた、貸付条件の変更などの円滑な資金供給の実現に向けた対応は、「浸透してきている」と強調。

 「(こうした対応を)規模の小さい事業者を中心に、もう一段の周知徹底をする必要がある」と語った。また大臣は、2月から3月にかけて、寺田副大臣など金融庁幹部らを全県に派遣することを表明。金融機関に対して適正な対応を求めると共に、「借り手企業関係者に対して、改めて丁寧な説明を行いたい」との意向を示し、円滑化法期限切れ後の対応に万全を期する方針を打ち出した。

 また、中小企業の経営改善、資金繰りの支援策として、緊急経済対策に動産担保融資(ABL)(※)の活用を盛り込んだことに関連して、金融庁は動産担保や売掛金について金融検査マニュアル上、一般担保として認められるための条件を明確化することを発表。現行の融資制度では、不動産を担保とした貸付が多く、今回のABLの活用をする動きによって、不動産を所有していない中小企業も資金繰りがしやすくなる。

 日銀総裁人事については、質疑応答で、「行政経験というか、組織運営の経験がない方というのは、日本銀行のような大きな組織を運営していく時に、甚だ問題を抱え込みはしないのか」と話し、次期日銀総裁については、経営経験のある人が望ましい意向を示した。

(※)動産担保融資(ABL:Asset-Based Lending):土地などの不動産ではなく、債権や資産といった動産を担保とした融資手法。米国で発達した。

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