アーティストが政治を語る 第3回『N.A.U.』 2013.1.30

記事公開日:2013.1.30取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2013年1月30日(水)20時から、東京都渋谷区の常世松濤で、7月の参院選への立候補を控えたミュージシャンの三宅洋平氏と、ライターの岡本俊浩氏が「アーティストが政治を語る 第3回『N.A.U.』」を行った。ミュージシャンである三宅氏が、なぜ、7月の参院選に出馬するのかという理由や、政治意識の原点として、学生時代から現在に至るまでの経緯、自身の政治への志、有権者への想いなどを語った。

■全編動画

  • 出演 三宅洋平氏(ミュージシャン)、岡本俊浩氏(ライター)
  • 日時 2013年1月30日(水)20:00~
  • 場所 常世松濤(東京都渋谷区)

 まず始めに、2012年の衆議院選挙において、東京8区(杉並)から立候補した、山本太郎氏を応援してきた三宅氏は、自民党が圧勝した結果について、「得票数そのものとして、国民の意見が大きく偏ったというよりは、選挙システムの中で出た結果だったと思う。自民党がリベンジしてくるのはわかっていたから、やりたいことを横に置いて、選挙に関わった」と話した。

 続けて、参議院選挙に立候補することを決めた動機として、「ほとんどの市民が、意見を差し挟む余地もなく、どんどん国会の中だけで物事が決められている状況がある。なぜ、国民的な議論ができないのかというと、僕たち自身が、誰も国会に候補者を送り出していないから。そのシンプルなところを埋めなければいけないと思った」と語った。また、市民が政治に参加する障壁が多い点を問題として挙げ、「本職を持ちながら、政治に関われる業態など、国会議員の就労形態についても訴えていきたい」と述べた。

 無理に、自分でないものに成りすますことなく、自身に似たセンスの人たちを代表していくことを示した三宅氏は、「皆にも、既存の政治の見方はやめてほしい。政治家が誰よりも賢くて、誰よりも力がある必要はない。代議士は、皆の意志の代表者であるが、すべてを知っているわけではない。自分を窓口にして、皆が成長するためのツールとして使ってほしい。また、皆も俺を成長させてくれたらと思う」と語った。

 参院選に立候補するにあたり、立ち上げた文化党については、「政治団体か党名なのか、まだはっきりしていないが、皆でディスカッションして決めていきたい。この党から第3の意識を示したい」と述べ、権力闘争とは一定の距離を置くスタンスを保ちながら、文化人として一石を投じるポジションを確立する方向性を語った。「今の政治は、アート性が足りない」と指摘する三宅氏は、「政治はユーモアと、とんちが必要であり、その点はアートとまったく一緒。いかに人を楽しませ、心を開いてもらうかが大事であり、その上で、文化人の立場から、今の政治に対して、言わなくてはいけないことを伝えていきたい」と述べた。

 また、「自分の立候補をきっかけに、応援する側ではなく、応援される側に回ってほしい」と訴え、「千年後の未来は自分たち次第である、という問題意識をもってアクションを起す人を、どう増やすかが課題である」とした。

 放射能汚染や被曝などのナイーブな問題に対しては、「皆の知識や判断力が上がるようなガイダンスを、粘り強く続けるしかないと思う。生き残るための判断材料として、知識として知っていこうよ、という呼びかけをしていきたい。これから、いろいろな人に会って、話をさせてもらいたいし、アーティストである以前に、一人の人として、今やらなくてはいけないことがある」と述べ、参院選に向けて、多くの人を巻き込み、政治のあり方と市民の意識を変えるために活動していく決意を表明した。

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