石原伸晃環境大臣兼原子力防災担当大臣 定例記者会見 2013.1.29

記事公開日:2013.1.29取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

 2013年1月29日(火)10時30分、東京都千代田区の環境省において、石原伸晃環境大臣兼原子力防災担当大臣の定例記者会見が開かれた。

■全編動画

  • 日時 2013年1月29日(火)10:30~
  • 場所 環境省(東京都千代田区)

 前日に行われた安倍晋三首相の所信表明演説で、地球温暖化や気候変動の問題に関する言及がなかったことについて、記者から見解を求められた石原大臣は、「経済再生と、東日本大震災への取り組みという2点に絞ったもの」と評した上で、2月下旬もしくは3月に施政方針演説を別途行うことで、「日本の最先端技術を地球温暖化対策に役立て、環境先進国としての日本の立場を世界に示す」ことを安倍首相に要請していく方針を明らかにした。また、「原発の運転再開状況によって大きく変わるが、(国際公約した、二酸化炭素排出量を1990年比で)『25%削減するのは不可能』と大多数の国民が考えている」とし、「これに代わる目標を、(11月にポーランドで開催される)COP19までに示していく」と述べた。

 石原大臣が1月22日と23日に福島を訪問したことに関連し、記者から、「大熊町を取材すると、住民の多くが、中間貯蔵施設の受け入れに理解を示す一方、補償や代替地の説明がないので疑心暗鬼になっているようだが」と問われた石原大臣は、「大熊町は空間線量が高く、大半が帰還困難地域に指定されている。その現状を地元では敏感に感じ、不安を持っている」との所感を述べた。また、福島第一原発を視察したことに関する報告として、4号機で行われている事故収束作業について言及した。この中で石原大臣は、4号機の使用済核燃料プール内に、未使用のものを含め1500本の核燃料が貯蔵されていることや、核燃料取り出しに向けた「やぐら」の建設工事、さらに、燃料を取り出す工程についても説明した。

 そして、「このような作業が行われる中で、住民の気持ちは錯綜している」とし、「町の有力者には移転する考えを持った人々もいるが、それを後押しする枠組みが、残念ながらできていない」と述べた。その上で、「復興推進会議を通じて、まちづくりの専門家や放射線の専門家などの英知を集め、地域の人々とコンセンサスを図り、トータルに議論をしないと住民の理解は得られない」との主旨の見解を述べた。

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