2013年1月11日(金)10時30分、東京都千代田区の環境省において、石原伸晃環境大臣兼原子力防災担当大臣の定例記者会見が開かれた。会見の冒頭、石原大臣は、「原発事故のあと、地球温暖化防止の話題が埋没している気がしてならない」と切り出し、これまで国を挙げて取り組んできたクールビズやエコカーの普及など、低炭素社会を実現していくための政策を、今後も継続していく方針を示した。
(IWJテキストスタッフ・久保元)
2013年1月11日(金)10時30分、東京都千代田区の環境省において、石原伸晃環境大臣兼原子力防災担当大臣の定例記者会見が開かれた。会見の冒頭、石原大臣は、「原発事故のあと、地球温暖化防止の話題が埋没している気がしてならない」と切り出し、これまで国を挙げて取り組んできたクールビズやエコカーの普及など、低炭素社会を実現していくための政策を、今後も継続していく方針を示した。
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特に、低炭素社会を実現するために、ファンドを用いて投資を呼び込む「ファイナンス・イニシアチブ」に新たに取り組んでいく意向を明らかにし、具体的な投資対象の例として、「建物の低炭素化」や「低炭素化を図ったまちづくり」を挙げた。ファンドは数十億円規模からスタートし、将来的には数千億円規模を目指す方針も示した。
加えて、いわゆる「二国間クレジット制度」や、再生可能エネルギーの促進に、重点課題として取り組む姿勢も示した。さらに、再生可能エネルギーは、天候等の要因に左右される不安定さが欠点であることから、「普及の鍵を握るのは蓄電池である」との認識を述べた。また、風力発電で問題となる、立地点の制約を克服するため、メガフロート(大型の浮き)を用いた、洋上型風力発電設備の戦略的展開を検討する必要があるとの考えも示した。
質疑応答では、二酸化炭素排出量の削減目標として、過去にわが国が国際公約した「25%」という数値について、記者から見解を求められた石原大臣は、「25%の目標は(全発電量に占める)原発の割合が5割と仮定した場合の数値だが、原発で5割が可能と思っている人は、もういないだろう」とし、「エネルギーのベストミックス(最適割合)の姿を描くには10年はかかると思う」と述べた。その上で、「今年中に何%というようにダイレクトに示すことは難しい」との見解を示した。