2012年12月19日(水)15時より、東京都千代田区の日本郵政株式会社で、取締役兼代表執行役社長の齋藤次郎氏と、取締役兼代表執行役副社長の坂篤郎氏の記者会見が開かれた。同社では、この日午前10時に臨時取締役会が開かれ、満場一致で齋藤社長の退任が決まった。次期社長には坂氏が就任する。社長交代に関して「安倍総裁からの指示はあったのか」という質問に、齋藤社長は「一切ない」と否定した。
(IWJテキストスタッフ・花山/奥松)
2012年12月19日(水)15時より、東京都千代田区の日本郵政株式会社で、取締役兼代表執行役社長の齋藤次郎氏と、取締役兼代表執行役副社長の坂篤郎氏の記者会見が開かれた。同社では、この日午前10時に臨時取締役会が開かれ、満場一致で齋藤社長の退任が決まった。次期社長には坂氏が就任する。社長交代に関して「安倍総裁からの指示はあったのか」という質問に、齋藤社長は「一切ない」と否定した。
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齋藤社長は、取締役会において自身の退任が決まったことを報告した。就任期間内の印象に残る出来事については、今年4月に、郵政民営化法等の一部を改正する等の法律が、民主党、自民党、公民党の3党合意で成立したことを挙げた。そして、「これにより、政権が交代しても、日本郵政株式会社は安定した基盤で経営できる」と語った。また、融資事業、金融派生商品などの新規事業については、「認可申請を済ませ、グループ企業が監督官庁との折衝を経て、体制整備へと移行している」とし、日本郵政としての役割は終わった、との認識を示した。これらを踏まえて、「ここで坂副社長に託すのが適当だと判断した」と、齋藤社長は語った。
坂副社長は「社長として、過去に国営だったグループの仕事を、民間会社として発展させていくこと。株式の上場を早い段階で果たしていくことが、基本的な仕事である」として、「重い課題だが、精一杯やる」と抱負を語った。
質疑応答で、社長交代のタイミングについて問われた齋藤社長は、「早いとは思っていない」と答え、「経営が順調に推移しており、今後の株式上場は坂副社長を中心に、新しい経営陣が進めていけると判断して、社長交代を決断した」と説明した。
続いて、「今回の人事に、自民党の一部から反発の声がでているが」との問いかけに、齋藤社長は「自民党から反発がでているという話は、今、初めて聞いた」と話し、「取締役会の全会一致で決めたことで、政権交代とは無関係だ」と述べた。「自民党の安倍総裁から、社長交代の指示があったのか」という質問にも、齋藤社長は「まったくない」と答えた。
今後の経営に関して質問を受けた坂副社長は、「中期経営計画の作成は検討中であり、来春の発表を考えている」と話した。また、「上場のタイミングは、3年以内を考えているが、なるべく早くしたい」と回答した。さらに、ユニバーサルサービスに関して、従来、郵便事業だけだったが、法律により保険、貯金も対象となったことから、「顧客ニーズに対応しながら、公益性のある民間企業をつくっていきたい」と述べた。