「安全神話のなか原子力政策を進めてきた、私にも、自由民主党にも大きな責任がある」 ~【衆院選】自民党 安倍晋三総裁街頭演説(福島2区) 2012.12.4

記事公開日:2012.12.4取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

 2012年12月4日(火)、福島県二本松市小浜鳥居町で、自民党 安倍晋三総裁の街頭演説が行われた。

■全編動画

  • 日時 2012年12月4日(火)
  • 場所 小浜鳥居町(福島県二本松市)

【以下、テキスト班による文字起こし】

 私は、日本の未来を決めるこの選挙戦、福島からスタートしました。それは、福島の復興なくして、被災地の復興なくして、日本の未来はないからです。昨年のあの3月11日、東日本大震災は、今を生きる私たちにとって、忘れることの出来ない本当につらい出来事だった。しかし、福島の皆さんは、その中にあって、あの厳しい災害の中で、規律正しく行動し、そしてお互いに助け合った。世界中から賞賛されました。皆さんは、私たち日本人の誇りです。

 しかし、あれから20カ月がたっても、未だに16万人の方々が、被災地全体では32万人の方々が、仮設住宅をはじめ、困難な生活を強いられています。なんでこんなに復興が遅いのか、みなさんもそういうお気持ちだろうと思います。根本さんにとっても、本当につらい日々だったと思う。しかし、根本さんはこの間、毎日のように被災地を回って、皆さんの話を聞き、それを政策に、法律に反映させようと頑張ってきた。我々自由民主党は野党であったが、全面的に政府に協力しました。

 私たちには、阪神淡路大震災復興の経験があります。根本さんが提案した中から、33本の法律が出来た、そして、14本の議員立法が成立した。瓦礫を国が処理するという法律もそう。2重ローンに苦しむ人たち、2重ローンがあるために、工場を再開できない人たちを応援する法律は、自由民主党が、根本さんが作りました。そして、根本さんは、誰よりも多くのあぜ道を歩いて、誰よりも多くの辻に立って、皆さんと話をして、悩みを共にし、本当に頑張ってきたのが根本さんです。みなさん、あの震災後、たくさんの候補者がこの選挙区では出ていますが、誰が地域のために頑張りましたか?誰が復興のために頑張りましたか?根本さんしかいないじゃありませんか!皆さん、その悔しさを、この選挙で勝利をもぎ取ることで、その悔しさを晴らしていただきたいと思います。

 この復興の遅れは、間違った政治主導なんです。そして、復興庁のあり方そのものが間違っています。例えば、風評被害に悩む方が、なんでわざわざ、東京にいちいち陳情に行かなければいけないんですか?おかしいじゃありませんか!復興庁の役人が皆現場に、市町村まで来て、なんとか地域をよくしようと願っている人たちに話を聞きながら、「規制や法律や省庁の壁があるから駄目」なんて言わずに、どうすればこの壁を突破して、皆さんが望むようなかたちに復興を進めることができるかを一緒に考えて、その場で判断する。そういう復興庁に変えていくことを、我々自由民主党はお約束します。

 安全神話の中にあって、原子力政策を進めてきた、私にも、自由民主党にも大きな責任があります。その責任をしっかりと受け止めて申し上げれば、この福島第一原発の事故対策については、全てを東電に覆いかぶせるのではなく、日本の原子力政策の中において、国の政策で進めてきたのだから、国がもっと前面に出て、最終的には私たちが責任を取る。この基本的な姿勢を自由民主党はとっていくことをお約束します。福島県の復興、そして子どもたちの安全を守る。このことは、国でしっかりと実行していくことをお約束します。当たり前のことをちゃんと進めていく。まっとうな政治を進めてまいります。また、健康被害に悩む皆さんがおられます。全国にたくさんの放射線医の皆さんがおられる。その方々をネットワークで結んで、健康診断に対応できるような仕組みを、国としてちゃんと作っていきます。また、健康手帳も子供たちに配っていく。こういうことをしっかりとやっていくこともお約束を申し上げるしだいであります。

 いま日本は長い間、円高、そしてデフレに苦しんでいる。経済は低迷をしている。復興を進めていくためにも、日本は強い経済を取り戻さなければならない。それは、物の値段が下がっていく以上に、収入が下がっていく。円高によって、例えばここ二本松の地域の皆さんも、朝頑張って起きて、ものづくりに一生懸命汗を流しても、円高によって、競争力を失い、工場を閉めざるを得ない。何代も続いた店を閉じざるを得ない。そしてまた、若い人たちにとって、就職先がないということになってきている。これ、みなさん、やはりおかしいじゃありませんか。流した汗が報われる。頑張った努力が報われる。私たちはまっとうな経済を、まっとうな社会を取り戻していくことをお約束申し上げます。

 自由民主党は3年前の自由民主党とは違います。経済政策においても違う。デフレは、自民党時代にもずっと続いていた。ですから、3年前の政策をさらにパワーアップして、次元の違うデフレ脱却政策を行っていきます。そのために、日本銀行と2%の物価上昇目標を取り決めます。この政策協定を結んで、ありとあらゆる政策を、例えば大胆な金融緩和もそうでしょう。しっかりとこの2%のインフレターゲットに向けて、政策を詰めて、集中をしてきます。こんなことを言うと、何も知らない評論家が「どんどんハイパーインフレになるんではないか。物の値段が際限なく上がっていくんじゃないか」という非常識なことを言うが、そんなことは起こらない。この物価上昇目標というのは、2%を超えると、それを抑制する政策をするんです。日本銀行にはちゃんと仕事をしてもらう。ですから、世界中で、物価上昇目標を持っている国で、ハイパーインフレになった国は、世界中には実は1つも無い。ですから大丈夫なんです。まずは、デフレ脱却をして、そして円高を是正しなければ、収入は増えない。どんどん収入は減っていく。これを変えることができるのは、我々、自由民主党と公明党であります。

 さらには、金融政策をすぐにやったとしても、企業の投資や消費や雇用は生まれてこない。2年間、3年間、年月が必要な場合もあります。しかし、それを待っている暇はありません。来年、再来年に新卒を迎える学生の皆さんが、不安の中で冬を過ごすわけにないかない。そして、被災地において、新しい仕事が、新しい職場が出来てくるのを待っている皆さん、これ以上待たせるわけにはいかない。ですから、まずは国が投資をしていくことによって、一般企業の投資を引き出していきます。消費を呼び込んでいきます。正しい政策は、私たちは堂々とやっていきます。もちろん無駄遣いはしません。

 大変な大災害を、皆さんは経験した。これからも起こるかもしれない。そういう災害に強い生活基盤を作っていくのは、当然の義務なんです。我々はさらにやっていきます。すでに耐用年数を越えた橋やトンネルや道路がある。それを安全なものに変えていくのは当然です。子どもたちの命を守る。これは私たちの責任なんです。と同時に、地域が、地方が、この二本松が、世界の競争の中で、生産性を上げて、どんどんどんどん活力を取り戻す。そして立ち上がっていくための地盤作り。これは政府の仕事としてやっていくべきなんです。当たり前のことはちゃんとやっていく。

 (これが)果たして無駄遣いかどうか。かつて皆さん、私たちの親父や祖父の代に、新幹線を造った。そして、名神高速道路や黒四ダムを造った。でもこれは、日本にはお金がなくて、みんな世界銀行から借りた。外国から借りた。大変な判断だったと思うが、あれは借金を残したのではない。資産を残した。新幹線や高速道路を使って、私たちは高度経済成長をしたんです。そして、果実を生み出し、その結果、年金や医療や介護、こうした社会保障の地盤を作っていくことが出来ます。我々はデフレを脱却して、円高を是正して、さらには成長戦略を進めていきます。

 成長戦略とは、たとえば、皆さんの課題を解決して、さらに世界にも展開できるような、そういう分野もあるんです。たとえて言えば、元気で長生きできるような社会を作っていく。元気で、年をとっても仕事が出来る。楽しい人生を送ることが出来るという、その為の技術は、医療とか介護とか看護の技術、サービス。これは、日本は世界一なんです。この世界一のサービスや技術をもっと多くの人たちが活用できるように、世界にも展開していく。世界からも日本にやってきてこのサービスを受ける。そういう分野にしていきます。薬においては、残念ながら、日本は世界の最高水準ではありません。山中伸弥教授が、iPS細胞でノーベル医学賞を取りましたが、あの分野で、再生医療の薬は、日本は少ないんです。何がいけないのか。行政に問題があるのか。規制がいけないのか。税制上の問題があるのか。これをしっかりと見直しをしていき、正しいことをちゃんと実行していきます。クリーンエネルギーや省エネルギーの分野もそうです。こういう分野に国家支援を投入し、成長してまいります。デフレから脱却をし、そして円高を是正し、成長戦略をしっかりと進めてまいります。

 もちろん、農業は国の基です。守るべきものはちゃんと守って参りますから、ご安心をいただきたいと思います。そのことによって、日本は元気になる。皆さんの収入も増えていく。そして、雇用をちゃんと作っていく。私たちはまっとうな、まっとうな経済、強い日本を取り戻していくことをお約束を申し上げます。

 そして、日本を、この二本松を、女性やお年寄りにとって、また障害がある方にとって、決してハードルのない、誰にでもチャンスのある、そういう社会、経済にして参ります。「日本は、たそがれを迎えている」こんなことを言う人がいるが、そんなことはない。やるべきことをやっていけば、日本は新しい朝を迎えることが出来るんです。そのために、私たちはこの選挙に負けるわけにはいかない。根元匠さん、私の友人です。安倍政権において、経済担当の補佐官を務めてもらいました。どうしても、根本さんには再び立ち上がってもらって、一緒にこの日本を取り戻してもらわなければならない。この戦い、負けるわけにはいかない。断固として、政権奪還を目指してまいります。それは、もちろん、私のためではない。根本匠のためでもない。それは、日本に生まれた日本人が、この島に生まれたことに喜びを感じ、子供たちが日本に生まれたことに誇りを持てる、日本を取り戻していくために、よろしくお願い致します。私たちに力を与えて下さい。根本匠に勇気を与えて下さい。根本匠!根本匠!根本匠!根本匠!よろしくお願いします。ありがとうございました。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

「「安全神話のなか原子力政策を進めてきた、私にも、自由民主党にも大きな責任がある」 ~【衆院選】自民党 安倍晋三総裁街頭演説(福島2区)」への3件のフィードバック

  1. @nnogciさん(ツイッターのご意見より) より:

    ウソつき安倍晋三違憲状態首相:2012/12/04 【福島】「安全神話のなか原子力政策を進めてきた、私にも、自由民主党にも大きな責任がある」【衆院選】自民党 安倍晋三総裁街頭演説(福島2区) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/43354

  2. @nnogciさん(ツイッターのご意見より) より:

    ウソつき安倍違憲状態首相の証拠!!… http://fb.me/2teviAn37 2012年12月4日【福島二本松市】
    「安全神話のなか原子力政策を進めてきた、私にも、自由民主党にも大きな責任がある」 ~【衆院選】自民党 安倍晋三総裁街頭演説(福島2区)

  3. @kaz5420さん(ツイッターのご意見より) より:

    安倍晋三!今同じことが言えるか?
    2012/12/04 【福島】「安全神話のなか原子力政策を進めてきた、私にも、自由民主党にも大きな責任がある」 ~【衆院選】自民党 安倍晋三総裁街頭演説(福島2区) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/43354

@kaz5420さん(ツイッターのご意見より) にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です