2012年10月30日(火)、東京都千代田区の文部科学省で、田中真紀子 文部科学大臣の定例会見が行われた。閣議報告のあと、就任1ヶ月目の所感や、原子力規制委員会が発表した放射能拡散予測の件、いじめ問題や不正入試事件について等、さまざまな質疑応答が行われた。
(安斎、奥松)
2012年10月30日(火)、東京都千代田区の文部科学省で、田中真紀子 文部科学大臣の定例会見が行われた。閣議報告のあと、就任1ヶ月目の所感や、原子力規制委員会が発表した放射能拡散予測の件、いじめ問題や不正入試事件について等、さまざまな質疑応答が行われた。
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田中大臣は「11月は児童虐待防止推進月間であり、子ども・若者育成支援強調月間でもある。閣議では、子ども・若者の社会的自立支援の促進、児童虐待の予防と対応などについて、発言があった」と述べた。「また、総務省から、完全失業者数が2万人減、有効求職者数の増加の報告があった。被災地の雇用問題、円高の影響などもフォローしなくてはならず、雇用情勢は依然として厳しい」と述べた。
質疑応答では、就任1ヶ月目の所感を求められ、「人づくり、日本の将来はどうあるべきか。そのために、今現在の困難をどうクリアしていくか。制度面の問題を含め、自身のビジョンに近づけていきたい」とし、「科学技術は、未来への先行投資という側面がある。競争力の高い中でグローバル化しているからこそ、人類全体の利便性や福祉に役立つような研究開発を、国際的に進めていきたい」と語った。
原子力規制委員会が発表した放射能拡散予測の誤りに関しては、「今までのデータ公表の経緯をみると、正確に、タイムリーに公表する、という姿勢がなかったのではないか。混乱期ではあっても、原子力の問題については情報を公開し、誠実に取り扱うことが大事である。人命に関することに、混乱は言い訳にならない」とした。
また、大津のいじめ問題を振り返って、「個別の事件で、制度を変えたから、必ずいじめがなくなる、ということではない。日本の社会全体の根深い問題だ。人と自分の違いを認めて、あらゆる人生のステージで生きていけるような、国づくり、人づくりが大切。システムで問題があれば、すぐ改めるという姿勢が必要だ」と述べた。
中央大学付属中学の不正入試事件について、田中大臣は「学校の許認可の問題でもあり、文科省でも綱紀粛正して対処していきたい。入試制度や私学のあり方についても、広く議論するべき」との見解を示した。