「沖縄の基地は不正義だ!」伊波洋一氏と孫崎享氏が講演で沖縄米軍基地問題を語る〜従属というあり方が染み付いた日本政府を「普通の政府ではない。哀れだ」 2016.10.2

記事公開日:2016.10.4取材地: 動画
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(城石裕幸)

 「沖縄の基地は不正義だ」――。

 沖縄県選出の参議院議員・伊波洋一氏は明確に言いきった。

 2016年10月2日(日)、東京都文京区にある全水道会館で伊波洋一参議院議員と元外務省国際情報局長の孫崎享氏による講演会が行われた。

■ハイライト

  • 講演 伊波洋一氏(参議院議員)「私を当選させた沖縄人(ウチナンチュ)の願い」/孫崎享氏(東アジア共同体研究所所長、元外務省国際情報局局長)「対米従属の要からの脱却を」
  • 閉会挨拶 村岡到(『フラタニティ』編集長)
  • タイトル 講演会 沖縄の声をうけとめよう ―講師 伊波洋一・参議院議員、孫崎享・東アジア共同体研究所所長
  • 日時 2016年10月2日(日)13:30〜
  • 場所 全水道会館
  • 主催 日本針路研究所

 第2次大戦末期、米軍は沖縄の人たちを収容所に入れて土地を取り上げ、住宅や墓を壊し、畑をつぶして、今沖縄にある基地の半分を作った。その後1950年代に本土からの米軍基地移転のため、再度、土地を強制接収をして作られたのが残りの半分。しかし戦後72年経っても、米軍基地を一つ返還するためには同等の新たな基地を一つ米軍に提供することが、慣例となっている。これではいつまでたっても、沖縄に土地は帰ってこない。

 「私たちの政府は普通の政府ではない。(対米)従属というあり方が染みついている。日本国民の立場、沖縄住民の立場がどこかで遮断されることの連続だ」と、伊波氏は指摘する。

 政府は日本国内の法律や人権を無視して高江の北部訓練場ヘリパッド建設反対の住民を排除し、強引に工事を推し進めている。米国防総省は1995年に在日米軍基地の「日本環境管理基準」を定めているが、その中には「絶滅危惧種や天然記念物である動植物の生息地を保護」するよう定められている。

 しかし日本政府はこれを10年間和訳せず、さらに2016年9月14日に伊波議員が外交防衛委員会で質問した翌日まで、防衛省ホームページにはアップされていなかった。また、北部訓練場の環境アセスメントには「二カ所以上の工事を同時に行わないこと」という提言もされている。

 高江でヘリパッド建設を行う政府の姿勢に、伊波氏は「こういったことを一切無視して、しゃかりきになって山を削り、木を切って、ブルを入れて、できるだけスピードアップをして、ケネディ大使が帰る前にヘリパッドを完成させようとしているが、自分たちの都合や手がら作りに邁進している姿を見ると哀れだ」と述べた。

 続いて登壇した孫崎享氏は、多くの日本人が沖縄問題に無関心な理由について「一つには、沖縄には基地を負担してもらっているが、我々は米国に守ってもらっている。もう一つは、もし沖縄のために我々が動いたら日米関係が壊れる。だから沖縄は犠牲になってもいいじゃないか、という本音があるからだろう」と語った。

 そして沖縄の問題を解決していくためには、「そうではないんだ、ということを丁寧に説明していくことが重要だ。米国が日本を守っているわけではないし、沖縄の問題を提示したからといって日米関係が壊れるわけでもない。(基地問題の解決に)米国がどこまで真剣になるかは、我々がどういう首相を選ぶか、どういう政権を選ぶか、というところに、最後はかかっている」と訴えた。

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