関西電力 八木誠社長 定例会見 2012.9.20

記事公開日:2012.9.20取材地: テキスト動画
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(寺下)

 2012年9月20日(木)、大阪市北区の関西電力本店で、関西電力 八木誠社長 定例会見が行われた。

 八木社長は会見で、第2四半期連結決算の見通しで過去最高にあたる1,250億円の赤字になると発表した。株主への中間配当も今回は見送る。

■全編動画

 昨年同期とほぼ同様の売上高にもかかわらず、純利益が赤字の見通しなのは、主に2,500億円の火力発電の燃料費高騰を上げた。また大飯原発以外の再稼働が先行き不透明なことを理由に、通年の業績予想と配当については未定であると繰り返した。(売上は昨年の同期を上回るが赤字の原因は火力燃料費の高騰である理由を問い合わせ中。また原発燃料を海外から輸入する一方で、火力燃料の輸入だけが国富の流出である根拠について問い合わせ中。)

 また八木社長は、昨年度において1,600億円の効率化を実現し、今年度は1800億円の効率化を目指すと述べた。経営陣の責任は、社長および会長は30%、役職員は20〜25%の役員報酬減額を10月から行なうことで明確化する。

 新増設を認めないとする19日の枝野経産相のコメントに対して八木社長は、エネルギーの安定供給を目的にした政策上、現実的ではないと批判した。原則40年廃炉に関しては、科学的事実に基づいたバックフィットという制度に基づき規制庁に評価してもらい、安定した電源供給を目的に原子力発電を再開したいと前のめりな発言をする一方で、原子力規制委に対するコメントは避けた。

 会見の中で八木社長は、「世界最高水準の技術で原発の安全確保をする」と述べた。世界最高水準の技術と原発における過酷事故発生のリスクに、どのような関連があるのかという記者の質問に対して八木社長は、「絶対安全はない。リスクを最小にするという意気込みだ」と非科学的に答えた。

 東京電力の下河邉会長も自身の就任会見で、「世界最高水準の技術で原発の安全確保をする」というフレーズを使ったが、電気事業連合会でこのフレーズが共有されているかのようだ。

 原子力の規制行政を担う原子力規制委員会と原子力規制庁が19日に発足したことに関して、5人の委員と面識があるのかという記者の質問に対して八木社長は、「ない」と答えた。

<2012年9月20日>
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高浜発電所4号機の新燃料輸送について(from米国アレバNP社)

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