2012年9月17日(月)、 福岡県福岡市博多区ホテル日航福岡で、民主党代表選挙立会演説会が行われた。投開票が9月21日に迫る民主党の代表戦は17日、福岡市内のホテルに候補者を集めて2回目の立会演説会を開いた。ただ、会場に野田佳彦首相の姿はなかった。中国での反日デモの高まりを受け、東京に残って不測の事態への即応を優先したためだ。野田候補は民主党本部からインターネット中継での参加となった。
(IWJテキストスタッフ・富田)
2012年9月17日(月)、 福岡県福岡市博多区ホテル日航福岡で、民主党代表選挙立会演説会が行われた。投開票が9月21日に迫る民主党の代表戦は17日、福岡市内のホテルに候補者を集めて2回目の立会演説会を開いた。ただ、会場に野田佳彦首相の姿はなかった。中国での反日デモの高まりを受け、東京に残って不測の事態への即応を優先したためだ。野田候補は民主党本部からインターネット中継での参加となった。
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原口一博候補は「2009年の歴史的な政権交代以降、民主党が成し遂げたことは実はたくさんある。でも今、われわれがそのことをいくらアピールしても、国民の心には響かない」と表情を硬くした。赤松広隆候補も「マスコミは民主党が何もやっていないかのように報道するが、これは事実と異なる」と、発言に悔しさをにじませた。
2人はそれぞれ、民主党の今の苦境の原因は「マニフェストに書かれていなことの実施」(原口候補)にあると指摘、「原点回帰」が急務だと主張した。
その上で原口候補は「消費税増税の前にやることはある。私は行革特命政権をつくる」と明言。赤松候補は「野田首相は経団連や連合のトップには(たびたび)会っているが、障害者、フリーター、パート労働者らにどれだけ会っただろうか」と、社会的弱者の声に積極的に耳を傾けるという、民主党本来の立ち位置からの逸脱を批判した。
鹿野道彦候補は「解散を求める声もあるが、今ほど外交問題が惹起する中で、政治の空白をつくってはならない」とし、次のように語気を強めた。「外交は政治の大きな使命。外務官僚に頼っていては困難な問題は乗り越えられない」
野田佳彦候補はまず、拉致問題の解決、日朝関係の改善全力を尽くすと語った。消費税増税に関しては、「この山を乗り越えるのに多くの離党者を出したことの責任を痛切に感じている」としながらも、「社会保障と税の一体改革は安定財源確保の点で、(どの政党が政権を取っても)先送りが許されない課題」との認識を改めて示した。そして今の日本に最も大事なのは「経済の再生」であると続けると、エネルギー・環境、医療・健康、農林水産などを成長分野に挙げ、自身の首相続投で、早期のデフレ脱却を図りたいと話した。
この先のエネルギー政策をめぐっては、4候補は「原発ゼロを目指す」との基本的立場で一致しながらも、微妙に異なる部分があることも分かった。
野田候補は「原発の再稼動に関しては、この19日にスタートする原子力規制委員会の下で厳格に安全性をチェックした上で判断する」とし、赤松候補は「大間原発や島根3号機の新規稼動は認められない」と言う。次なる大震災の発生可能性を指摘した原口候補は「原子力ムラ出身者が規制委員会の委員長を務めることは理解できない」と批判し、鹿野候補は「原発はもうつくらない、40年で廃炉にする──を前提にすると、2039年時点で(稼働中の)原発は4基だけという計算になる」と語った。