運命の分かれ道となる参院選の投開票日(7/10)まで、あと41日(5月30日現在)。IWJではこれから毎日、カウントダウンを行ってゆきます。サミットも終わりました。安倍政権の小手先の選挙対策として、消費税増税の延期もほぼ決まり、週明けに発表を待つだけとなりました。衆参ダブルになるか、都知事選も含めたトリプルになるかはまだわかりません。
シングルかダブルかトリプルか、どちらになるにせよ、参院選が最大の焦点であり、運命の分かれ道になることだけはたしかです。最も重要な問題は改憲勢力が参院で議席の3分の2を占めるかどうかに尽きます。
衆議院では改憲勢力がすでに3分の2を占めています。それに対して、参議院では自民、公明、おおさか維新などの改憲勢力が3分の2近くの議席を有してはいますが、改憲の発議が可能な3分の2まで、あと10数議席ほど足りません。参院選が最も重要である、というのは、改憲勢力があと10数議席手に入れれば、改憲の発議が衆参そろって可能になるからです。
その場合、内閣に独裁の大権を与える緊急事態条項の導入がもくろまれるでしょう。現在の御用マスメディアの状況をみていると、世論誘導されて通ってしまう可能性がないとはいえません。
与党がダブルを仕掛けた場合、これまでは与党大勝に終わってきました。衆議院ではすでに議席の過半数どころか3分の2を超える議席を持つ改憲勢力(自民党、公明党、おおさか維新等)が、さらに議席を増やしたところで政治的な意味は特にありません。減らすとしても、3分の2を割り込むところまで減らなければ意味がありません。つまり衆参ダブルを行う意味、政府与党の真の狙いを争点化しないため、争点隠しとして行われるのだと考えて間違いないでしょう。
都知事は首都の首長ではありますが、国政に関わるイシューに決定権を持つわけではありません。前回の選挙の際、脱原発一本槍の旗を掲げて、あたかも細川・小泉コンビなら首都から脱原発をかなえてくれるかのような幻想を振りまき、多くの人がそれに踊らされて、対舛添票を割ったのは実に残念なことでした。
舛添氏が知事を辞任するかどうか、トリプル実現なるかどうかはわかりません。舛添氏には、知事どころか政治家としての資質をそもそも欠いているということは、知事選前からわかっていたことであり、我々は何本ものレポートをあげて警鐘を鳴らしてきました。舛添氏には、橋下徹氏と同様、政界から完全に身を引いてもらいたい、と切に願うばかりです。
とはいえ、舛添氏の辞任のタイミングは、重大な選択のかかる、この参院選のタイミングに重ね合わせられる可能性があります。一見、正義の衣をまとった舛添バッシングは、明らかに度が過ぎており、改憲がかかる参院選の争点の目くらましに使われていることは明らかで、警戒が必要です。ダブルだ、トリプルだと大きな騒ぎになって、参院選の最も重要な争点が陰に隠れてしまうことを恐れます。
参院で3分の2を改憲勢力が獲得するのを阻むこと、この一点に集中して、対抗勢力は立ち向かうべきであろうと思います。立憲主義、民主主義、言論の自由、基本的人権、平和主義、国民主権、独立主権、地方自治など、譲ることのできない諸価値を守るために、改憲勢力に緊急事態条項を憲法に書き入れるための発議をさせてはなりません。
あと41日間、僕らはカウントダウンを数えながら、この7月の参院選が、超長期にわたって僕らの人生を左右する運命の分かれ道の選挙になることを、少しでも多くの人に知ってもらうために力を尽くします。僕らもこの一点に力を集中しますが、僕らだけでは微力過ぎる。皆さん、どうぞお力を貸して下さい!
何度も言います。シングルがタブルやトリプルになろうと、この7月の選挙の最大の争点は、参院で3分の2を改憲勢力に取らせないことであり、つまりは国会で改憲の発議をさせないことです。改憲勢力は緊急事態条項の導入を狙っており、この極めて危険な緊急事態条項の導入を阻むことです。