【IWJブログ】安倍政権と経団連が国民の生活を「仲良く」ドリルで破壊!その引き換えに「法人税減税」!? 2015.11.27

記事公開日:2015.11.27取材地: テキスト
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※本ブログはIWJ有料会員・IWJサポーターに毎朝無料で発行しているメルマガ「IWJガイド」2015年11月27日号の挨拶文より抜粋し、加筆したものです。

 おはようございます。IWJで記者をしている佐々木隼也と申します。昨日2015年11月26日、政府と経済界の代表らによる「官民対話」の会合が開かれ、経団連の榊原会長が、来年の春闘で、さらなる賃上げを呼びかけていく方針を表明しました。で、その引き換えに要求したのが、出ました、「法人税減税」。そして、さらなる「規制改革」も要求しました。

 これに対し安倍総理は、「法人税改革は、来年度の引き下げ幅を確実に上乗せし、早期に20%台に引き下げる道筋をつける」「投資を阻む規制改革などにも取り組んでいく」と、インプットされた機械のように、そのまんまおうむ返しで応答しました。安倍政権・官僚・財界の一心同体ぶりが垣間見えた一コマでした。

 安倍総理の言う「投資を阻む規制改革」とは、思い起こすのは昨年1月、スイスで開かれた「ダボス会議」での演説で発したセリフーー「いかなる既得権益といえども、私の『ドリル』から無傷でいられない」ですね。安倍政権は、大企業にとって利益追求の妨げとなる「邪魔な規制」を「岩盤規制」と呼び、徹底的に排除していくことを、世界中に約束しました。「世界に約束」とは、つまりは海外の外国資本に約束した、ということです。国内資本に約束するなら、自国内ですればいいのですから。

 ではこの岩盤規制とは何か。それは、労働者の権利を守るための雇用ルールや、医療、教育、農業分野における、国民の命や健康を守るためのセーフティネットを指します。

 安倍政権は手始めに国家戦略特区を敷き、そのなかで「5年以上の有期雇用契約をしたら正規雇用に転換できる」という労働契約法の「見直し」をはじめ、「混合診療の解禁」、「公立学校の民営化」などを推し進めています。また農協改革による、営利企業の農業参入などもそうですね。また、竹中平蔵氏が提唱している水道民営化などの、公共インフラの民営化もそうです。

 教育やインフラ、医療制度のような、本来利益を追求してはならない公共政策の分野に、「利潤追求最優先」の企業を大挙して参入させようとしているのです。

 もう一つ、経団連が要請した「法人税減税」ですが、安倍総理はこれが景気対策か何かの役に立つと本気で思っているのでしょうか?

 法人税減税で減った税収をどこで補填するのか。国民にはどんどん増税や様々な手当て・補助金のカット・引き下げでどんどん苦境に追いやる一方で、高額な米国のオスプレイやドローンを買い増し、防衛費も増大させ、スッカラカンになった国民の財布から、さらに吸い取ろうというのでしょうか?

 法人税減税によって企業の収益がアップし、それによって大多数の国民も恩恵を被る——という「トリクルダウン」は、世界中で「絵空事」と指摘されており、安倍総理も「トリクルダウンなんて言ってない」「安倍政権が目指すのはトリクルダウンではない」などと、否定し始めたのに、何をやっているのでしょう。

 また、経団連が設備投資が2018年度に80兆円台に拡大するとの見通しを示したことについて、安倍総理は、安倍政権が掲げる「経済の好循環の実現」につながるとして高く評価したわけですが、設備投資は、定期的に行わなければならないものであり、安倍政権が要請せずとも、数年、素十年サイクルでいずれは必ず拡大しなければならないものです。それをもって、いわば「ご褒美」として「法人税減税」を差し出すのは、決してイーブンではないはずです。

 経団連はさらに「法人税減税」の引き換えとして、「収益が拡大した企業には前回を上回る賃上げを期待し、処遇の改善を検討するよう呼びかける」としていますが、「期待」して「呼びかける」だけかい!というツッコミが聞こえてきそうです。それ以前に、消費税増税や、数々の弱者切り捨て政策によって貧困化しつつある現状ですから、賃上げでもしないと、以前の生活水準を維持できませんよね。賃上げは(現在の状況においては)そもそも「引換券」にしてはいけないもの。大幅アップの期待が持てない賃上げの引き換えに、法人税減税を差し出す、というのは、国民を熱湯風呂に突き落としておいて、経団連さんが氷をひとかけら落としてくれたら、私はさらに熱湯をぶっかけます、と言っているようなものではないでしょうか。

 そして安倍政権は、自身が前のめりで進めるTPPで、日本経済にトドメを刺すつもりなのでしょう。ちなみに、海外では「日本経済は景気後退(リセッション)入りした」と指摘されまくっています。「アベノミクス」によって、もうすでに瀕死状態なのです…。

 IWJが12月20日に開催する激熱イベント「饗宴VI」では、この日本の大手メディアが頑に報じない、「アベノミクスがもたらした景気後退」の真相についても、豪華ゲストが暴きまくります。ぜひぜひ、12月20日は、お誘い合わせのうえ、会場である品川に集結してください!

「饗宴VI」のご案内!

  今年の「饗宴」は、三段構成です!

 まず、第一部では「グローバル経済・TPP」と題し、岩月浩二弁護士、政治経済学者の植草一秀氏、PARC事務局長の内田聖子氏、国際情報解説者の田中宇氏、中央大学名誉教授の富岡幸雄氏、横浜市立大学名誉教授の矢吹晋氏にご登壇いただきます。TPPの問題にとどまらず、AIIB(アジア・インフラ投資銀行)やグローバル企業の税金逃れの実態などについて、議論します。

 日本の大手メディアと安倍政権と、その盲目的信奉者、富の搾取によって得をした一部の富裕層、株価つり上げで一時的に設けた方々以外の、大多数の国民が、実感を持って認識している「アベノミクスの大失敗」(というよりも、国民にとっての大失敗こそがアベノミクスの狙い、だったのかもしれませんが)について、彼らがひた隠す事実をもとに、暴きます。

 第二部では「立憲主義と改憲」と題し、学習院大学教授の青井未帆氏、元宜野湾市長の伊波洋一氏、水上貴央弁護士、SEALDsの奥田愛基氏にご登壇いただきます。今年、国会前を中心に全国規模で抗議の声があがった安保法制、そしてその先にある「明文改憲」の問題、今、目前にある危機について、議論します。

 第三部では「戦争の過去・現在・未来のリアル」と題し、元陸上自衛隊レンジャー部隊所属の井筒高雄氏、ジャーナリストの志葉玲氏、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏、元外務省国際情報局長の孫崎享氏にご登壇いただきます。内戦が激しさを増すシリア情勢、IS(イスラム国)の動向、そして戦場に駆り出されることになるかもしれない自衛隊のあり方や、企業が兵員補充の片棒をかつがされるかもしれないことなどをめぐり、議論します。

【饗宴の入場料金はこちらです!】

非会員様
第1部シンポジウム7000円
第2部パーティー 3000円

一般会員様
第1部シンポジウム6000円
第2部パーティー 3000円

サポート会員様
第1部シンポジウム5000円
第2部パーティー 3000円

 …会員さんになるとお得です!サポート会員さんになっていただければさらにお得です!会員登録がお済みでない方は、ぜひぜひこの機会にご登録ください!ちなみに、IWJ会員は初月無料です。ということは…12月にご登録いただければ、なんと無料で、割引になります…!!これは…超お得ですね。

 また、ゲストは現時点でのものです。先生方のご都合によって多少変動する可能性はありますので、ご承知おきください。現在、「饗宴VI」の特設サイトを準備中です!
もうまもなくお申し込みの受付を開始しますので、今しばらくお待ち下さい!まもなく受付開始します!

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「【IWJブログ】安倍政権と経団連が国民の生活を「仲良く」ドリルで破壊!その引き換えに「法人税減税」!?」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    【IWJブログ】安倍政権と経団連が国民の生活を「仲良く」ドリルで破壊!その引き換えに「法人税減税」!? http://iwj.co.jp/wj/open/archives/276603 … @iwakamiyasumi
    いまの政治は庶民の暮らしなど何一つ考えていない。この現状を変えるには政治への参加しかないのだ。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/670178875373064192

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