統一地方選後半戦が終わった。平均投票率は区長選を除き、軒並み過去最低を記録。「無投票」も増えた。このような状況で地方政治に民意が反映できるのか。議会が形骸化し、自治が揺らぐ懸念が拭えない。
平均投票率は、市長選が過去最低だった前回を2・44ポイント下回る50・53%にとどまり、市議選は48・62%と過去最低の前回から2・20ポイント減らし、過去最低を更新。
区議選が42・81%で、前回から0・42ポイント減。町村長選が69・07%で、同じく前回と比べ1・49ポイント減。町村議選が63・12%で、3・45ポイント減だった。都内の区長選は44・11%と過去二番目の低さだった。
無投票当選者は295市議選で総定数の3・58%。41道府県議選でも全選挙区の33・4%に当たる321が無投票と、ともに1955年以降、最高。北海道初山別村では村長選が11回連続で無投票当選。89市長選でも3割の27が無投票だった。
市議選では、自民党が大幅に獲得議席を増やした。改選総定数は前回の6865から239減ったが、自民党の公認候補は前回を120人上回る634人が当選。民主党は前回比105人減の284人。維新の党は47議席を獲得した。
公明党は908議席を獲得したが、長野県松本市議選で新人1人が落選し、99年の統一地方選以来、4連続の「全員当選」を今回は果たせず。共産党は前回比45議席増の672議席を獲得した。
- 2015年4月27日 朝日 投票率、各地で最低更新 無投票も増加 統一選後半戦
- 2015年4月27日 読売新聞 区長選除く5選挙、投票率が軒並み過去最低記録
議席を伸ばした自民・茂木敏充選対委員長は「前半戦の勢いをそのまま維持して好調に戦いを進めており、わが党の地方基盤の一層の強化につながったと考えている」とし、「統一地方選全体における勝利を、来年の参院選へとつなげていきたい」と強調した。
- 2015年4月27日 時事 自民・茂木氏「地方の基盤強めた」=公明代表「確実に議席確保」
そんな自民党も、民主党と5つの市区長選で対決し、2勝2敗で引き分け、参院選に不安材料を抱えた。東京・渋谷区長選では無所属新人で同性パートナー条例を推進した元区議、長谷部健氏が当選し、自民推薦候補は次点の民主など野党系の推薦候補にも敗北し3位。
与野党対決型となった大分市長選、京都・京田辺市長選では自民が勝利したが、民主党は、実質支援した世田谷区長選で現職・保坂展人氏が自公推薦の新人を破って勝利し、愛知県瀬戸市では同じく民主が推薦した新人・伊藤保徳氏が初当選を果たした。
民主・枝野幹事長は「底打ちというよりも土俵際で歯を食いしばっている状況」と総括。枝野氏は前半戦が終了した際、「底打ちして戻しつつある流れはできた」と発言し、党内から「危機意識の欠如だ」などと批判を招いており、より厳しい認識に改めた。
- 2015年4月27日 FNN 統一地方選 民主・枝野幹事長「底打ちというよりも土俵際」