立て続けに人身事故を起こしていた東電、安全総点検完了後1ヶ月足らずで再び事故が発生、作業員が転倒し右手首内粉砕骨折/汚染水の外洋への流出で応急対策

記事公開日:2015.3.2取材地: テキスト動画
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 2015年3月2日(月)17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。安全総点検の完了後、1ヶ月を待たずに人身事故が発生。作業員の1人が屋内作業中に転倒し、右手首内を粉砕骨折、いわき市立総合磐木共立病院に緊急搬送され手術を行った。結果に関する情報はまだ届いていないという。

■全編動画

K排水路の汚染源と考えられる2号機大物搬入口建屋屋上に対策実施

 K排水路を通じて汚染水が港湾外に流出した問題で、東京電力は汚染源の一つと考えられる2号機大物搬入口建屋屋上に汚染の拡散防止策を講じた。

 同建屋屋上は、通常のコンクリ建屋の施工方法と同様、天井部分に紫外線劣化を防止するための”敷砂”が敷かれ、その上に”ルーフブロック”と呼ばれるセメントパネルを敷きつめている。これらの隙間等に核種が入り込み、降雨時に雨水で洗い流されることで、汚染された排水がK排水路へ流れ出したと考えられるという。

 そこで、応急処置として10m×16mの広さの屋上にブルーシートを掛け、敷砂やルーフブロックに雨水が当たらないようにした。さらに、屋上の排水口にはゼオライト土嚢を置き、核種を少しでも取り除いて排水路へ流すようにした。今後、3月末までを目標に、屋上の敷砂、ルーフブロックそのものを取り除くことを東電は計画している。

ゼオライトのフィルタ効果は未知数

 ゼオライト土嚢がフィルタとして効果があることを東電は期待している。セシウムをゼオライトで取り除いたことはあるが、今回問題となっているストロンチウム等のベータ核種に対しては効果が分からない。具体的な除去能力がどの程度なのか、「実際の数値はやっていきながら確認していく」と東電は回答している。

 屋上からK排水路までは、竪樋を通して雨水を流し落としている。2011年の事故以来、4年近く経っていることから、屋上の汚染物が雨の度に流され竪樋に流れこみ、竪樋の中が汚染されていることも考えられる。

右手首内粉砕骨折する人身事故が発生

 60代男性作業員が作業中に転倒し、右手首内粉砕骨折する人身事故が発生した。3月2日の8時50分頃、化学分析室内の天井にケーブルを敷設する工事を行うため、天井を見上げて敷設ルートを調査していたところ、足元に躓いて転倒した。身体に放射性物質の付着はなく、自力歩行が可能な状態だという。

 構内救急医療室で診断の後、いわき市立総合磐木共立病院に緊急搬送され、夕刻に手術を行ったが、診断書等の情報はまだ届いていないという。

 2015年に入ってから、東電は立て続けに人身事故を起こしており、2月2日、これに関する臨時会見を開いたばかりだ。対策として実施した安全総点検が完了してから1ヶ月足らずで、またも事故が発生したことになる。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2015年3月2日

2015年3月1日

2015年2月28日

2015年2月27日

プレスリリース

2015年3月2日

2015年2月27日

福島第一原子力発電所の状況について(日報)(東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響)

道関係各位一斉メール

2015年2月28日

2015年2月27日

写真・動画集

その他

2015年2月17日

福島第一原子力発電所 データ集

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