【続報】那覇地検に身柄送致!「沖縄県警も戸惑っているのでは」山城博治氏らの弁護士に聞く 〜米軍が市民2名を身柄拘束するも、県警は逮捕する気がなかった?! 逮捕の法的手続きが不明瞭 2015.2.23

記事公開日:2015.2.23取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

※2月23日、山城博治氏ほか男性1名は、検察による取り調べを受けた後、20時前、名護署から立て続けに釈放された。(2月23日20時更新)

 本日(2月23日)午後、米軍に身柄を拘束され、沖縄県警に逮捕された山城博治氏らが、名護署から那覇地検に送致された。15時からは、検察による取り調べが行われる。

 沖縄県警は22日、米軍から身柄引き渡しをうけた、沖縄平和運動センターの山城博治氏ら2人を、刑事特別法違反の容疑で逮捕した。基地内に「正当な理由なく進入した」という理由からだ。しかし、沖縄県警が2人に対し、逮捕状を執行したのかは未だ定かではない。

 県警は22日の夜、弁護団に対し、逮捕状を取ったと説明しているというが、2人に接見した弁護士によると、23日午前の時点でも、山城氏ら2人は逮捕状を確認していないという。マスコミに対する県警の説明も二転三転している状態だといい、今回の逮捕の法的根拠のあいまいさが浮き彫りになっている。名護署はIWJの取材に対し、「お答えできない」と一方的に電話を切ったため、事実確認はできなかった。

 IWJは23日正午、弁護団の一人である三宅俊司弁護士に話を聞いた。安倍政権は新基地建設の工事を強行に進める姿勢を見せており、今回の逮捕劇もそんな中で起きた事件だと、三宅弁護士は位置づける。しかし、2人の拘束については、米軍主導で行われた可能性が大きく、「県警も戸惑っているのでは」と指摘した。

■ハイライト

  • 2月22日13時からの集会には、主催者発表で3000人以上の市民が集結し、山城氏らの拘束に対し「不当拘束やめろ」「仲間を返せ」「民主主義を返せ」と怒りの声をあげた。

  • 山城氏らが引き渡された名護警察署前にも市民約300人が詰めかけ、抗議の声をあげた。

山城氏は基地敷地内に引きずられた

Q. 2人が身柄を拘束された時の状況について説明してください。

三宅俊司弁護士(以下、三宅・敬称略)「山城さんは集会に集まった市民らが、(20日に新しく米軍が引いた)黄色い線を超えないように、基地に背中を向けて『戻りましょう』と呼びかけていたみたいです。そうしたら、ガードマンが後ろから山城さんを羽交い締めにして、倒そうとした。みんな驚いて、山城さんを取り戻そうとして団子状態になった。もう一人の男性が最初に確保され、引っ張られて、基地内に先に入れられてしまった。その後、山城さんは倒れた状態で足を引っ張られて、基地の中に引きずり込まれ、みんなから見えるフェンスの所で座らせられ、後ろ手錠をかけられて施設に入りました」

Q. 山城さんが黄色い線を超えないように注意していたということは、山城さんが自ら、黄色い線を超えたわけではなく、報道にあるように、「警備員が引きずり入れた」という表現が事実なのか。また、沖縄県警は刑事特別法を適用し、2人が、正当な理由なくシュワブ内に侵入したとして逮捕したわけですが、その容疑にもあたらないと?

三宅「『引きずり入れた』ということです。山城さんは、市民の抗議行動の動きを少し抑えるために『もうちょっと引こうね』とやっていた所、いきなり背後から羽交い締めにされています。『正当な理由なく進入』という事実もあたりません」

「逮捕状が出ているのか分からない」

Q. 逮捕にいたるまでどんな手続きが取られているのか。

三宅「今回、米軍が身柄を拘束しましたが、米軍が身柄を拘束するのは『逮捕』ではありません。米軍は基地内で、犯罪を犯したものについて身柄を拘束できますが、その後に、日本の司法警察に身柄を引き渡さないといけない。引き渡した上で、日本の警察が逮捕することになります。

 米軍から身柄の引き渡しを受ける際、その段階で日本の警察は、裁判官の発する逮捕状を準備した上で、本人と会って、米軍から身柄の引き渡しを受けないといけません。今回、県警はそれをしていない。もし、緊急の場合でできない場合は、身柄を引き受けた後で、ただちに逮捕状の請求をしないといけない。逮捕状が発せられない時は、釈放しないといけないことになっています」

Q. 現時点で、逮捕状は出ているのか。

三宅「現時点で逮捕状がでているのか、はっきりしていません。こちらの弁護士が確認をしたら、警察は、『昨日の夜に逮捕状を取った』と言っています。しかし、弁護士側が本人たちに接見したら、『逮捕状は見せられていない』と言っている。また、警察はマスコミに対して、『緊急逮捕を行った』と説明しているようです。緊急逮捕ですから、令状逮捕ではない。逮捕状は取らなくてもいいわけです。警察の説明が二転三転していると聞いています」

Q. 県警の説明がなぜ、二転三転するのか。

三宅「本来、やるべき手続きを取ってないということでしょう。夜、逮捕状を取ったと言っているが、日時もはっきりしていない。22日の朝9時に逮捕されて、県警は現場に入って、米軍関係者とずっと話を続けていたみたいですが、現場から(2人を)連れて帰ったのは午後3時頃。4時間以上の間、警察が米軍と交渉を続けている。もしも、身柄を引き渡すべき違法行為があるのだったら、その時に裁判官に対して、逮捕令状の請求をすればいいのに、それをしないままに緊急逮捕だと言って、身柄の引き渡しを受けている」

刑特法が適用され、逮捕されたのは「本土復帰以来」

Q. 「刑事特別法」が適用されたことをどう考えるか。

三宅「日米地位協定を前提とするような法律なので、それ自体が不当だと思います。ほとんど今まで、適用(逮捕)されたことがない。沖縄で以前、米軍の実弾射撃演習場に入った市民がこれで捕まったことがありましたが、何十年も前、復帰直後の頃の話です」

Q. 今回の拘束や、境界線の引き直しなど、最近、米軍の姿勢が変わってきていると感じるか。

三宅「そうですね。今回は、直接、(米兵が)表に出てきましたからね。最近は、ホルダーから拳銃を出して、これ見よがしに見せる米兵がいたり、そういうことが続いた。

 黄色い線が新たに引かれた後でも、反対行動をする市民は自由に出入りしていたし、名護市の基地推進派の市議もここに自由に入ってきて、反対運動に対する嫌がらせをした後に、基地の中に逃げていきましたから。刑特法を利用して、県民大会の日に市民を弾圧し、『楯突いたらこんなことになるぞ』と見せしめのように見せつけたのではないでしょうか。逆効果だと私は思いますけどね」

米軍が民間人を拘束したのは初

Q. 米軍が民間人を拘束したのは初ではないか、という指摘もあります。

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